白馬幻想郷説概論(抄)ー最近の動きを含めてー

嘉島安次郎@幻想郷交通公社のアーカイブ @TAG_shiyo

23.　さて今までに述べたものは2012年中までの見解であり、それ以降の動きを補足する。

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24.　白馬幻想郷説という呼称は、これは通称であり、白馬というのが単に人里のある部分を指すもので、その本来その範囲は後立山連峰、黒部川上流域、立山連峰を含む広範なものである。予定であれば糸魚川市や富山県方面の民俗的考察をする予定であったが、これはまだ行えてない。

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25.　また、この根拠となる描写は、東方香霖堂、東方求聞史紀、東方風神録、東方地霊殿に集中している。それ以前の作品を遡及的に当てはめることは可能であるが、星蓮船以降の作品に関しては、白馬を基にした要素が薄くなってきていると見ることができる。

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26.　こと、東方茨歌仙、東方鈴奈庵らの漫画作品は、これについてほぼ反映していないと断言してもよい。

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27.　ここにきて、白馬幻想郷説はひとつの転換を迎えたと宣言する。風神録ー地霊殿前後の作品から現在展開されている作品群における像の変化を見て、「現実世界との差異から東方らしさ、神主のオリジナリティを見出すための視座」として機能を持つ、ということである。

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28.　つまり、キャラクターの由来となった事物人物との差異があるように、現実世界と公式において描写される幻想郷の差異を比較することで、「東方らしさ」を考えるための一つの物差し、尺度、基準に移りつつあると述べたい。

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29.　東方projectの基幹は「アレンジ」にあるというのは鹿島の見解であるが、今後は、社会というものをどのように神主がアレンジしたか（受容し、展開したか）の一つの視座として、「素の幻想郷」とも言うべき「白馬幻想郷」を、さらに精度を上げていきたいと考えるものである。

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30.　以上が、皆様の今後の創作等に少しでも助力できれば幸いである。本日はご静聴ありがとうございました　（以上）