「千の想いを」~第二章・交錯・ルートイベントTi-3~

タイムライン上で繰り広げられる読者参加型艦これ二次創作ストーリー『千の想いを』 ~第二章『交錯』~(ルートイベントTi-3『隠蔽』) 色とりどりの料理を囲む艦娘たちの想いをここにまとめます。 ←前 http://togetter.com/li/648861 次→ http://togetter.com/li/648906 続きを読む
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TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

【第二章 固定イベントTi-3『隠蔽』開始】 【炊事場 2日目1845】 【介入制限:特に無し】

2014-03-15 19:03:15
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

よいしょ、っと。 食材が山盛りになったカゴをテーブルに置く。工廠からまっすぐ来たので、炊事場傍の共同冷蔵庫からくすねてきた物ばかりだ。使わなかった分は鮮度が落ちる前に戻さないとだわね。 「天龍~。何つくるー?」 あたしが着く前から既に調理を始めている相方に声を掛ける。

2014-03-15 19:07:24
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

くまさんのアップリケが目立つ、フリルの付いたエプロン姿の無愛想娘は黙々と長ねぎを千切りにしている。包丁がまな板に当たる小気味のいい音が、リズムを乱す事無く響き続ける。 手元のボウルの中では木綿豆腐が冷水に漬かっている。冷奴? 「ねぇ、天龍ってば」 鶏の腿肉を取り出しながら。

2014-03-15 19:13:06
第十五支援艦隊 天龍 @15tennryuu

オレはオレで勝手におかずを作る。千代田も勝手に作れよ。

2014-03-10 22:29:36
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

ネギを切り終えた天龍が、コンロの上で温められていた油鍋の元に移動する。 初めから合作するつもりはないようだった。 「はいはい、わかりましたよー、だ」 まいたけをパックから出して、適当に包丁で切り分ける。しいたけも半分に切り、しめじと一緒にザルで水洗いをする。

2014-03-15 19:17:13
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

何かが揚げられる香ばしい香りと音に、水洗いの手は止めないで顔を上げる。 天龍がちりめんじゃこを金網に盛ってから油に放り込んだようだ。金網に入れたのは、中でバラバラにならないようにだ。 ほんの数秒しか経っていないのに、金網を取り出す。見た目は全然火が通っていない。 …やるわね。

2014-03-15 19:20:12
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

金網の中でじわじわと、じゃこ達が狐色になっていく。 そう、余熱がメインなのだ。色がつくまで油の中に入れてしまうと、じゃこの身が細か過ぎて余熱で火が通り過ぎてしまう。 ふむ。 豆腐の上にネギを盛ってから揚げたじゃこを乗せ、細かく砕いた松の実を掛けている。美味しそうじゃないの。

2014-03-15 19:23:23
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

普段、天龍の食事当番は龍田さんと一緒だ。その際には、見た目鮮やかなお洒落な一品料理がいくつかと、冷蔵庫の残り物を炒めました!と言わんばかりのこってり大皿が出てくる。 てっきり前者が龍田さんで、後者が天龍だと思い込んでいたけども、まさか逆だったとは…。

2014-03-15 19:26:04
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

きのこ達を洗ったまま動かずに見詰めるあたしの視線に、天龍が作業を続けたまま呟く。大根のかつら向きをすらすらとやってやがる。 「いやぁ、ちょっと意外だなって」 これは負けていられない。棚からフライパンを引っ張り出して、袖をまくる。 コンロを着火し、まずはよく温める。

2014-03-15 19:29:09
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

皮を剥いた大根を薄い半月切りにしながら、眼帯少女が告げる。熱されたフライパンにサラダ油を流し込みつつ、あたしは半眼で睨むしかない。 鶏肉を投下し、フライパンを揺すってムラなく軽く火を通す。料理酒をほんの少し入れ、しょうがチューブを少しだけ放り込む。一瞬も手の上下は止めない。

2014-03-15 19:32:49
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

「…あんたに褒められるとか、変な感じ」 一口サイズにしておいたきのこ達も鶏肉の仲間入りさせる。熱で縮んでいくまでがフライパン捌きの妙よね。タイミングを見計らって塩コショウ、そして醤油で味を調える。 向こうは白かまぼこを切ってから、ホタテの身を手でほぐしている。

2014-03-15 19:36:11
第十五支援艦隊 天龍 @15tennryuu

事実だろ。 1つしかない取り柄くらい褒めるさ。

2014-03-10 22:33:22
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

半月状の大根と白かまぼこ、そしてほぐしたホタテの身をボウルに入れて混ぜ始める。真っ白だなぁ。 マヨネーズ、ホタテの身から出てとっておいた汁、レモン汁を少し入れてからさらに混ぜている。うん、真っ白。 それを白い大皿に崩れないように盛ってから、黒胡椒を掛ける。 うわ、美味そう。

2014-03-15 19:39:08
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

「1つしかない、とか失礼だし」 いい感じに炒まった鶏肉ときのこ達が湯気を上げているので、火を弱火にして仕上げの柚子胡椒とゴマ油を香り付けに少々入れる。 大皿に盛って、白胡麻をくどくない程度にまぶす。 うい『鶏肉ときのこの柚子こしょう炒め』完成、と。

2014-03-15 19:42:24
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

…ふむ。 あたしの炒め物、そして天龍のつくった『香ばしさ口に広がるじゃこネギ豆腐』と『大根とホタテの真っ白サラダ』。予め作っていたらしい『里芋と大根の葉のお味噌汁』。 図らずともバランスの取れたテーブルになったわね。 あたし1品しか作ってないんだけど。

2014-03-15 19:45:53
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

菜箸で天龍のつくったサラダを見た目崩れない位置からつまむ。 むぐむぐ。 「…天龍のくせに生意気だわ! 何よこれ、美味いじゃない! 大根のシャキシャキ感とかまぼことホタテの歯応えがマッチしてる! マヨとホタテの味が濃過ぎないで絶妙、更に黒胡椒がそれらを倍増させてる!」

2014-03-15 19:49:50
第十五支援艦隊 天龍 @15tennryuu

あーはいはい、わかったわかった。 うるせぇなぁ。

2014-03-10 22:34:45
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

料理の盛られたお皿を両手に持ち、エプロン姿のまま歩き出す戦闘バカの背中を睨む。きぃぃっ! その余裕がまたムカつく! 「ふ、ふふーんだ。こんな事もあろうかと昨晩に仕込んでおいたかぼちゃの煮込みがこっちにはあるわ」 …うわ、減ってるし。誰だちくしょう。

2014-03-15 19:52:40
Hibiki_1000 @Hibiki_1000

@tiyodadayo …。(ひょいと調理場の入り口から顔を出す)

2014-03-15 19:50:47
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

入り口から顔を出し、斜めになった頭からずり落ちそうになった帽子を押さえる銀髪少女に気付く。 「どーしたん、響」 甘じょっぱさに色付き、とろとろとまではいかない程度に柔らかくなったカボチャ達の鍋に火を掛ける。 お椀に味噌汁をよそい、お盆の上に並べていく。

2014-03-15 19:56:44
Hibiki_1000 @Hibiki_1000

@tiyodadayo …ペルのご飯用意しようと思ったら、おいしそうな匂いがした。

2014-03-15 19:57:29
TRPG狂いな千代田また多忙 @tiyodadayo

両手に皿を抱えた天龍と、おたまとお椀を持ったあたしが動きを止めて、お互いに顔と目線を合わせる。 両者とも、無言。 あたし達はゆっくりと両手を自由にしてから同じタイミングで包丁を掴む。 響が首を傾げる。 いまだにお互いに言葉を発さないまま、食材の山を眺める。

2014-03-15 20:06:08