2014-04 Twitter 140字で作文(BL仕様)
「あの店は焙煎がいい」常連客でコーヒー談義に耽っていると困り顔の店主が席に座った。「うち居酒屋だけど、なぜコーヒー好きが集まるのかな?」「マスター、喫茶店のが絶対似合うって」「知識ないよ」「僕が手伝う」「生活そのものだから一生だよ?」喜んでと、僕が頷くとマスターが目を見開いた。
2014-04-01 09:33:26「順番まだか」病院の待合室で雑誌を読んでいるうちに寝てしまったようだ。「この人意識ない!」ざわめきに薄目を開けると大勢の人が俺を覗き込んでいた。驚きに身を固めているうちに診察室へ運ばれてしまった。「君、もう起きていいよ。ついでに診察ね」笑いを堪えている医者の優しさに俺は惚れた。
2014-04-02 07:25:57彼が廃ビルに立入禁止のロープを縛った。「やっと父の土地を取り戻せた。お前が助けてくれたおかげだ」「君が頑張ったからだよ」僕が笑うと彼の目がすっと細められた。「これからも側にいてくれるか」「何?跪かないでよ」「プロポーズだ」彼がとりだした指輪に光が反射し、壁に小さな虹がかかった。
2014-04-03 06:04:36俺はバーのカウンターに伏せた。「ここが一番落ち着く」「はいお水、そろそろ一軒に決めたら?」「ねえマスター、俺ずっとここにいてもいいかな」「しんみりしちゃって、お化けにでもなるつもりかい」「お化けなら永遠に一緒だね」「私とかい?」俺が頷くとマスターが驚きに目を見開いた。
2014-04-04 19:29:14対抗試合の帰り、疲れたという同級生とベンチで休んだ。「寝る。おまえの膝貸して」僕が返事をする前に彼は寝息をたてはじめた。「無防備だな」寝顔をみているうちに彼の唇に触れてみたくなった。「我慢我慢、友情を貫けば一生一緒にいられるんだから」僕が呟くと、同級生がちらりと薄目を開けた。
2014-04-07 09:13:21卒業する憧れの先輩に僕は手紙をだした。「はぁ、緊張する。えっ!」屋上のフェンスを掴み深呼吸した僕は背後へ勢いよく引っ張られ驚いた。「早まるな」「委員長?」ぎゅっと抱きしめられ僕は混乱した。「手紙悪戯だったか?お前ならいいかと思ったけれど…」扉を開け固まる先輩をみて僕は青ざめた。
2014-04-09 06:30:58「暗い教室に一人でどうした?雨降ってきたぞ」「先生。雨が止んだら帰ります」「通り雨じゃないぞ。雷鳴ってきたし早く——」窓の外に稲光が走る。「ひゃっ!?」耳を塞いだ僕を先生が抱きしめてくれた。「落ち着くまでこうしているから」先生の胸に体を預けると、心なしか鼓動が速く感じた。
2014-04-10 07:38:14書店で千鳥足の教授にあった僕は驚いた。「実験室のアルコール飲んだんですか」「資料買いにきただけだ。ひっく」「研究しながら酒盛りは駄目です。外のお店ならつきあいますよ」「本当か!」「ちょっと!」「本棚の影でみえないさ」抱きあい、僕の唇を奪った教授が嬉しそうに微笑んだ。
2014-04-11 09:06:10「楽しかった」「ご満足頂けたようでなによりです」彼氏レンタルショップで男と離れると急に虚しさが募った。「向こうは仕事だしな」またレンタルしようか迷っていると、戻ってきた男が僕にゼリーをくれた。「サービス。練習しておいて」清いサービスだと聞いていた僕は体が熱くなるのを感じた。
2014-04-14 09:15:14庭の真ん中に彼が線を引いた。「雑草取り早かったほうのいうことを聞くのはどうだ?」「いいよ。じゃんけんぽん!」「くそー、負けた。選べよ」「僕こっちやるね」「くそ、俺が日向か」「さぼらないでね」「絶対勝ってやる」腕まくりした彼のたくましい腕をみて、僕の心はときめいた。
2014-04-15 08:39:12「歩道橋渡ったら、もう家に返さないぞ」「永遠に?」「そうだ。必要なものは全部買ってやる。思い出もたくさん作ってやる」「保険証とか年金手帳は持っていきたいな」「OKということだな」「うん。30分だけ待ってて」夜には彼と愛しあうだろう自分を想像すると、僕の足取りは軽くなった。
2014-04-16 11:15:21「旅行にきたってことは期待していい?」海辺で彼が真摯な瞳で僕をみつめた。「えっ」戸惑った僕に彼の目が細められる。「友情だった?俺は違うんだけれど」OKすれば僕らは今夜結ばれるのだろうか、未経験な僕は怖くてただ震えた。「いきなり全部はしないよ」ぷっと笑った彼が優しく僕を抱きしめた。
2014-04-17 09:47:21