イラストレーター・中村佑介氏の『エイプリルフールにウソのような本当の話』

イラストレーター・中村佑介氏の子供の頃の夢から始まった、『エイプリルフールにウソのような本当の話』をまとめました。
デザイン ジャニーズ エイプリルフール ヤマンバ イラストレーター 中村佑介 キン肉マン 光GENJI 主人公 大野
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ゆでたまご嶋田 @yude_shimada
今日は4月1日キン肉マンのお誕生日です!! http://t.co/CjqzCiS9lI #キン肉マン
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中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
小2の頃、母親に「キン肉マンはなんで髪の毛なくて、眉毛なくて、ガラガラ声で、団子っ鼻で、たらこ唇なのに、あんなに人気があるの?」と聞いたら、「それは主人公だからよ」ととても現実的な答えが返って来て、その年の"将来の夢は?"の欄に【主人公】と記した憶えがあります。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
その突きつけられた問答無用の真理に対し、子供なりにしばらく考え、『キン肉マン』に関しては「漫画(架空)のキャラクターだから」ということでなんとか納得したのですが、小4の頃、ジャニーズのアイドルグループ・光GENJIが大ブームになり、僕の主人公願望は再発しました。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
キン肉マンでは可能だった「でも漫画だし」という自分への慰めも、実際の人間である光GENJIの前では通用しません。当時の光GENJIは瞬間風速だけで捉えると、これまでも見たことがないくらいの社会的ブームでした。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
今だと「嵐が好き」「私は関ジャニ∞」「私はジャニーズではなく、バンド系かな」という住み分けもありそうですが、とにかくその当時のクラスの女の子全員が"光GENJI一択"で、その中で誰が好きかという選択肢しかもっていなかった。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
もちろんクラスの男子連中はそんな状況が全くおもしろくないので、彼女達が持っている光GENJIの下敷きを隠したり、学級新聞に「かーくんはデベソらしい」だの「大沢くんは足クサイ」とか根も葉もないメンバーの方の悪口を書き始め、それを見た女子は泣いていた。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
女子からするとイジワルにしか思えなかったこの行動も、つまりは"僕ら"だって注目されたかった訳だ。主人公願望。だったら簡単じゃないか。下敷き隠すより、下敷きの中に入ってしまった方が、嫌われることなく自動的に注目を集められるのにバカだなぁ。僕はもっとバカだった。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
ただ、キン肉マンは架空の世界だと諦めもつくが、それに比べたら3次元に存在する光GENJIに入ることはずっと実現可能なはずだ。待ってろよ~ あの下敷き、気付いたら8人に増えてるんだからな!!(光GENJIは7名構成)
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
ひとまず光GENJIといえば、ローラースケートで滑りながら歌う、というのがトレードマークだったので、学校の帰りにダイエーに寄って、一番安いローラースケートを買った。本物はスニーカー式だけど、僕のは靴の上からベルトでつけるもので、若干不満はあったが、仕方ない。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
次にメンバーはみな頭にピーターパンのような羽根をつけていたことも思いだした。それなら少し小さいがある。募金でもらった、赤と緑のが2枚。そしてヒット曲の「パラダイス銀河」もしっかりと憶えた。時は満ちた。いざ出陣である。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
ひとつ問題はあった。当時、僕の暮らしていたのは兵庫県西宮市。甲子園球場や宝塚の近く。従妹が持っていたアイドル誌によく「デビューのきっかけは原宿でスカウトされました!」と書いてあった。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
しかし幸いにも僕は社会科にまったく興味がなかったので、「ハラジュク…?聞いたことないけど、隣の隣の駅くらいだろう」と鷹を括り、そのうちベンツで通りすがったジャニーさんが「ちょっと止めて!あの子いいね~!!」とスカウトされる事に、その全てに賭けた。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
さて、ローラースケートはまだ滑れないので、うちの愛犬に綱で引っ張ってもらうとして、もうひとつデビューに際し問題があったのは、そのハラジュクまでの道(近所)に出没する"ヤマンバ"というあだ名で子供たちから恐れられていたおばちゃんがいたことだった。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
"ヤマンバ"は60代後半のお婆ちゃんらしからぬ超ミニスカート、そこから伸びた焼けた肌、つま先には靴ではなく、スーパーのビニール袋を履いていた。そして「ヤマンバ~!!」と言うともの凄いスピードで僕らを追いかけてくるのだ。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
今考えると、確かに変わった人であったが、何もしなければ何もしてこない。ただ都会に暮らしているのに、"ヤマンバ"なんて山から来たような不当な扱いを受け、その抗議として追いかけてきていたのだろう。でも子供心に「早くケーサツが逮捕してくれないかなぁ。。。」といつも憶えていた。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
「ヤマンバの一人ごときでお前の夢は閉ざされるような軽いものだったのか?」耳元でもう一人の自分が囁いた。いや違う。僕の下敷きに入りたいという夢は本物だ!!(←ここから読んだ人、訳わからないと思うので辿って下さいね)
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
そこで僕はヤマンバと刺し違える覚悟で(イメージのヤマンバは大きなナタを持っていた。実際には持っていなかった)、子供服のデザイナーをしていた母親の大きな裁断ハサミを防衛用として片手に携え、いざデビューへの道を走りだすことにした。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
うちの愛犬も「え?こんな早い時間に散歩に連れてってくれるの?」と意気揚々とハァハァしていた。頭に募金の羽根を貼り、ローラースケートを履き(犬に引っ張ってもらい)、とりあえず近所を1周、「パラダイス銀河」と大声で歌いながら走ってみた。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
ジャニーさんのベンツとすれ違うことはなかったが、ちょうど大学(近所に関学があった)の下校時間で、大学生達からは「お!光GENJIがいる!!」ともっぱら好評のようだった。(と、当時は受け止めていた)
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
それに気を良くして、「さぁ間髪入れずデビューアピール2周目に行ってみようか~!」とひどく疲れている愛犬に言ったその時、ふと振り向いたら後方にヤマンバの姿が見えた!!
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
「ギャー!ヤマンバ!!」僕の突然の大声に、疲れていた愛犬も驚いて走り出した。そしてその単語は同時に彼女の感情のトリガーともなり、ヤマンバもグルッと振り向いて、全力で僕を追いかけだす。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
「そっちがその気なら!」と走りながら(実際には犬が走りながら)、僕はポーチに隠していた大きなハサミを刃を上に向けて構えた。振り返るとヤマンバはどんどん間合いを詰めてきていた。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
もう追いつかれるかというその時、なんと前方に警察官が!!捨てる神あれば、拾う神あり。「おまわりさ~ん!早くあのヤマンバを捕まえて下さ~い!!」と心で叫んだ。
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
すると小走りで駆けよって来た警察官はグッと僕の肩を掴み、「君!なにしてるんだ!?」と聞いた。え?僕ー??
中村佑介🎨Yusuke Nakamura @kazekissa
それもそのはず。頭に募金の羽根をつけて、ハサミをブンブン振り回し、大声で近所をローラースケートで走り周る不審者に、もう光GENJIの影は観ることは出来なかった。そして振り返ると、ヤマンバの姿はどこにもなかった。 http://t.co/ReN32fF57q
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コメント

アルカディアの牧童 @PYU224 2014年4月1日
子供の頃はそんな事しちゃうよね。
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