ヤク物(@nezikure)さん即興艦これ長短編小説

とても興味深かったので、まとめてみました。那珂ちゃんは……わたし達の、アイドル……。
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@nezikure

改二改造手術の際の執刀ミスから感染症にかかり、不治の病に冒されて 余命宣告を受けた那珂ちゃんが死の間際まで綴った闘病記 『こんなになっても、那珂ちゃんは絶対、路線変更しないんだから!』とか超読みたいですの…いや!絶対読みたくない!!

2014-04-02 12:42:20
@nezikure

こう、リクライニングベットに腰掛けて 髪は短くなって、頭にネット被って花や腕からチューブが伸びた見る影もなく痩せた姿なのに、気丈に微笑みつつ手を降っている写真とか 流動食しか受け付けなくなって、食感に餌付いているのに一日でも長く生きるために苦しみながらもそれをすすっている姿とか

2014-04-02 12:44:56
@nezikure

章の合間に病床の那珂ちゃん『手書きの本文』のスキャン画像とかが入ってて どんどん字がダメになっていって 最後の三ヶ月位になると前置きの後に神通さんの代筆での文章が入るように成ったり。 お見舞いに来た龍驤ちゃんが泣いて泣いて、那珂ちゃんが怒った話とかが載るように成るというアレで…

2014-04-02 12:47:43
@nezikure

『どうして那珂ちゃんだったのか、それは那珂ちゃんにもわかりません。 でも、きっとたくさんの那珂ちゃんの中で那珂ちゃんじゃなきゃダメな理由があったんだと思うんです。 正直怖いし泣きそうになるけれど ここが那珂ちゃんの戦うステージだから、最後まで笑顔でいようと思います(原文ママ)。』

2014-04-02 12:51:13
@nezikure

その何十年か後。 退役して守秘義務の期間が終わった提督が『何故那珂が苦痛に耐えて闘病生活を選んだのか』を明かした手記が発表されて 闘病記と合わせて再び取り上げられるように成る。

2014-04-02 12:55:05
@nezikure

『当時の改二化手術は、十分な練度の艦むすに対して行われる強化手術であるという点は現代のものと変わらないが、艦むすへの負担や諸所の影響などは明確に成っておらず、そも改二手術を受けられるほど練度の高い艦むす自体が少なかったため、非常に危険の伴う手術だった。』

2014-04-02 12:57:23
@nezikure

『それでも我々は、強い艦むすを欲していた。人類全体の危機に対して、倫理観や個人の感情は紙切れ一枚ほどの価値も無かった。取り繕うことはしない、私を含め我々は地獄に堕ちる事が決まっている人間だ。』

2014-04-02 12:58:46
@nezikure

『那珂の症例は、改二化手術で強化された艤装との接続部から発生する特殊な神経性の疾患で、通常は非正規の手順で艤装を破壊された艦むすに稀に発生する症状と根底を同じくするものだった。 この症状は、従来の例では数分のうちに死に至る物であり、その事が原因で治療法の研究は進んでいなかった』

2014-04-02 13:02:26
@nezikure

『だが、特殊な環境で発生した那珂の症状は治療法がない事は同じだが、進行が非常に遅く、治療法の研究に非常に重要な意味を持つ事が海軍工廠の検査で判明。その事は直ちに私と、那珂本人に告げられた。』

2014-04-02 13:04:29
@nezikure

『那珂は数分悩み、その後笑ってモルモットに成る事を承諾した。本当は私が命令しなければならなかったのに。 その事を負い目に、私は一度も那珂の見舞いに行くことをしなかった。神通と川内を艦隊から外し、那珂の介護に付くよう命じ、努めて彼女の事を思い出さないようにした。』

2014-04-02 13:07:32
@nezikure

『次に那珂と顔を合わせたのは、臨終の三日前だった。 久しぶりに効く電話越しの神通の声は 驚くほど透き通っていて、その声だけでその時が来たのだと私は感じた。私は執務室に遺書を遺し、工廠に向かった。』

2014-04-02 13:10:46
@nezikure

『寝台の上の那珂は、ずいぶんと小さくなってしまっていた。 症状の進行が進み、神経が壊死した下肢を切断したという事も有るが、何より元から小柄だった身体が、より小さく、儚い物になっていた様に感じた。起こした寝台の上で幼く笑って、はにかんだように笑って私を見ていた。』

2014-04-02 13:14:16
@nezikure

『もう声が出ないので、近くに行って上げて下さいと神通に促され、小さな椅子に腰掛けて短い時間を過ごした。私の言葉や問いかけに那珂が頷いたり、笑ったりするだけの短い時間が。 ふと、那珂の目が私の左手を見て 慈しむように枯れ木のような手を伸ばす。』

2014-04-02 13:17:40
@nezikure

『視線に促されて手袋を外し、那珂の手が届くところまで左手を差し出した。 薬指には、銀の指輪…同じものをここにいない川内がつけている事を那珂も、神通も知っている。 一瞬だけ、ほんの一瞬だけ那珂がその指輪に触れて。私の掌にちいさく文字を書いた』

2014-04-02 13:21:03
@nezikure

『しあわせになってね』

2014-04-02 13:21:21
@nezikure

『気が狂うほどの感情を殺して、頷いて返した。神通の嗚咽が今でも耳に残っている。その三日後、那珂は戦いを終えて、 ”普通の女の子”に戻った。』

2014-04-02 13:24:01
@nezikure

『当時、大本営から発表されていた 艦むすの解体は、 一定の確率で前述の症状を引き起こし退役した艦むすを死に至らしめる物であった。 だが、那珂の臨床データが研究を飛躍的に進めた事により、その危険性は当時とは比べ物にならない程少なく また、発症しても根治が可能な物となった。』

2014-04-02 13:26:40
@nezikure

『現在、帝国海軍は解体されたが 国土防衛に務める艦むすは、一人の例外なく彼女の名前を知っている。 彼女がいたから、 いつでも”普通の女の子に戻れる”のだと、だからこそ胸を張って自分の意志て国を守る役目に着けるのだと。』

2014-04-02 13:29:53
@nezikure

『私は最早、那珂と再び合うことはない。死後、行く所が別だからだ。 だが、善良なる日本国国民の方々にはどうか知って、忘れず覚えていて欲しい。彼女の小さく、あまりにも短く、今でも語り継がれる戦いを。』

2014-04-02 13:34:07
@nezikure

『那珂は、今なお艦隊の”アイドル”なのだと。』

2014-04-02 13:34:45
@nezikure

とかいう電波(震え声)

2014-04-02 13:35:02
@nezikure

自分で書いて自分で心痛いっていうね(痙攣)

2014-04-02 13:35:19