まどマギ×乃木坂46 コラボCM騒動から考える実写化問題

4月1日（コラボCM発表の前日）

乃木坂46は過去にもアニメ「マギ」のエンディング曲、「NARUTO疾風伝」のオープニング曲を担当し、最近ではNHKのクイズ番組「双方向クイズ天下統一」やTOKYO MXで放送された「声優アワード」の特番で声優と共演するなど、いたるところでアニメオタクの神経を逆撫でするような行為に加担させられていた。

ファンとしてはタイアップや出演はうれしいのだが、こういうときのアニメオタクの反応を知っているだけに素直に喜べないのである。

乃木坂46の楽曲にはアニメのタイアップに向いていそうな曲もあるのだが、なぜかハードルの高そうな、過激なファンの多そうなアニメのタイアップが持ち込まれる傾向がある。「指望遠鏡」や「月の大きさ」の歌詞を読むと、タイアップ作品を考慮して秋元康もかなり苦しみつつ詩を書いたのではないかと思える。

メンバーのアイドル活動とOLという異例の兼任が発表され、「これはエイプリルフールのネタなのではないか？」という猜疑心が蔓延していたところにこのコラボCMの速報が流れたのであった。

乃木坂46はファンが若干不安になるぐらいオタク寄りのメンバーが揃っており、新作アニメの話ばかりブログに書くメンバーもいるほどだ。

自分たちアイドルが関わると（同じオタクであるはずの）オタクたちからどのような反応が来るか重々承知の上で、それでもなお大好きなマンガやアニメの仕事に取り組んでいることを知っておいてほしい。

「まどマギ」の件ほど知られてはいないが、ジャンプ関係の情報番組「ジャンポリス」のレギュラーに選ばれたことで前身の番組である「ジャンBANG！」の視聴者からも叩かれていた時期であった。

4月2日（乃木坂46新譜発売日）

余談だが、ナタリーはかなりの親・乃木坂なニュースサイトとして乃木坂ファンのあいだで知られている。特別なインタビューやグラビアが多数掲載されている。

他の仕事に影響するので髪色を簡単に変更できないのだが、このCMの撮影のために髪を黒く染めたと述べている。

明るめの茶髪という印象の強い彼女が、あるとき突然黒髪で現れてファンのあいだでは結構な反響があった。大好きな作品へ関わるための彼女なりの覚悟と意志の表れであることをこのタイミングでようやく知ることになる。

2年前のインタビューになるが、彼女がどの程度のアニメオタクであるか興味があれば参考のために一読されたし。この時点で既に「まどマギ」にも言及している。

彼女のようなオタクタイプの子がアイドルになるのは最近では珍しくない。秋元康が言うには、むしろ最近はオタクタイプの子ほどアイドルになりたがる傾向にあるとか。本来オタク側にいるべき子がたまたまアイドルをやっているだけ、というふうに考えればなにもおかしな話ではない。

こちらは4月4日にアップロードされた80秒版のスペシャルPVである。本来なら放映開始日に合わせて公開すべきだったのではなかろうか。

既にお気付きの方もいるとは思うが、このCMには乃木坂46の商品を宣伝する部分がひとつもない。メンバーの名前どころか乃木坂46であることすらまったく紹介されておらず、コラボCMなのに曲も使われていないのだ。このCMによって乃木坂側（秋元側？）にお金が落ちる流れはまったく見えてこない。

逆に今回のCMで「まどマギ」に興味をもつ乃木坂ファンはそれなりに見込めると思う。ただ、その規模は投資に見合わない気がする。