３月２日　狭間と風香

狭間 駿 @c_yu_n

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源 風香 @huka_tis

【３月２日：ビジネスホテル内】

狭間 駿 @c_yu_n

【３月２日】

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】ビジネスホテルの一室で、鏡台に備えられた椅子に座り、源風香と向き合う。

狭間 駿 @c_yu_n

狭間】噂屋の鴿子と公園で話したあと、サトウショウコというデタラメの名前でビジネスホテルをとり、目の前の彼女を呼び出してチェックインさせた。部屋についた彼女からの連絡で、自分もこの部屋に入り込んでいる。

源 風香 @huka_tis

風香】通話の切れた電話膝の上に乗せる。機械が加わった重みを膝に感じながら、部屋にあるベッドに浅く腰かけている。話しがある。通話が切れてすぐ、少年は現れ、椅子に座った少年を視線で追う。何もないところから人が突然現れるのは、やはり慣れそうにない。

源 風香 @huka_tis

風香】一瞬どきりとした余韻をまだ胸の内に残しつつ、こちらからも彼を見返す。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「……それで、」ぽつり、とこちらから言葉を発する。「何の用事、なのかな？」正直、こうして呼び出される心当たりはない。首をかしげ、少し考える。彼にはつい先日助けてもらったばかり。日もあかぬうちに合うことになるとは思ってもいなかった

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「んとね、」あらかじめ片手にまとめていた杖を鏡台に立てかけ、もう片方の手に持ったままだった携帯端末を操作する。一枚の写真を呼び出し、彼女の前に差しだそう。

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「このヒト、知り合い？」問いかける。写真には、数人の友人とともに撮影された三國佐久間…彼女の前では大瑞青と名乗る背の高い少年が、やや視線を外した、あまり表情のない顔で写っている。周囲にいる友人たちの顔は、加工でぼかしてある。示す相手が彼だと分かるだろう。

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 【http://t.co/Wpi3nvI4OD】※三國サクマ以外の人物の顔は塗りつぶしてある

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源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「？」見せられた画面に初めは焦点が合わず、差し出された携帯に手を添えて焦点をそちらに合わせ、そこに映し出された人物達を見る。けれどやはり、意味は理解することができず。「……アオ君、だよね？知ってるけど……どうして？」

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】ちら、と一瞬彼の金の瞳を見た後、唯一顔が分かるアオ、と言う少年の顔を見る。彼がなんらかの意味があることは分かるが、どうしてわざわざそんなことを、という気にもなる。

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「………、…アオ…くん？」その名前にきょとんとする。別の人物の顔も浮かんで一瞬混乱しかけるが、あちらは女性だ。一つ呼吸をおいて、「アオくん、て、このヒト？なんでアオくん？…俺はこのヒト、ずっと探してんだけど、」そこまでをまずは言う。

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「いなくなったんだ、このヒト。すげえ心配してんだ、」誰が、という主語はつけずにそう付け足して、

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「？だってこの人、アオ君でしょ？大瑞青」ほら、とたどたどしい操作で教えてもらった連絡先を表示し字も示す。続いて、どうして探しているのかと問いかけようとするが答えが返ってきたので口を閉ざし、→

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「……探してる？」探さなければならないほど合うのが難しいようには思えず、ううん、と唸る。「昨日会ったばかりだけど……家出とか行方不明とか、そんな感じじゃなかったよ」

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「オオミズアオ…？」言いかけて、「昨日ォ！！？」思わずつんのめるように前に乗り出す。「どこで！？どこで会った！？ていうかどういう知り合いなわけ！？」掴みかからんばかりの勢いでそう訊ねる。

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】一拍遅れて示された携帯電話の表示に気づいて文字列を読む。アタマ３桁は置いて、続く四文字ずつをとっさに語呂で覚え込む。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「うぇっ！？」突然の勢いにびくり、と肩が跳ね少し体重を後ろにかけながら掌を相手に向けて顔を覆う。→

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「え、ま、待って、そんなに大事な人なの……？え、ええと……き、昨日言霊かけてもらった帰りに、ばったり……ど、どうって、えと、ふ、普通の知り合いだよ……？何度か話したことのある…」

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】自分の中で彼は、普通の知り合いの一人でしかない。そんな彼に狭間駿がここまで食いつく理由が分からず疑問符を頭の中に浮かべながら答える。二人は親友、という感じでもない気がする。なんとなくだが

狭間 駿 @c_yu_n

@huka_tis 狭間】「普通の知り合い……マジで………？」うそだろう、という気分で肩を落とす。「…え、どのくらい前から知ってんの…オオミズアオって名乗ってんの…？どこで会ったの…、………ばったり……？」かなり脱力するような心地で質問を重ねてゆく。今はとりあえずそれで必死だ。

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「えと、二月の初めに……高いところに登ってたらビルから光が見えて……行ってみたら試験管みたいなの持ってるところに会って……でも、まだそんなに会ってるわけじゃないけど」彼と会ったのはせいぜい二、三回ほどだ。片手で足りる。→

源 風香 @huka_tis

@c_yu_n 風香】「……オオミズアオ、って本名じゃないの？」そろりと指の隙間から白い頭の姿を目に入れる。「だ、大丈夫……？」肩を落として問いを重ねる姿がとても疲れているように見え、恐る恐る声をかける