座礁艦隊その２０　～古強者～

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

盲腸のような従業員棟と打って変わって、吹き抜けは豪奢な装飾に彩られていた。海側は最上階までガラス張り。オマーン湾の海景が一望できた。ここから左右に全室オーシャンビューの客室棟が連なり、艦娘の居室となっている。ほぼ二隻以上の相部屋で、個室は一部の艦娘に限られているが。 #座礁艦隊

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「オウ！ 木曾サン！」 海の反対、エントランス側から威勢良く呼ばれる。長波だ。黒潮と連れ立っている。玄関警備の勤務明けで交代してきたのだろう。二人はこの後木曾と共に午前の出撃に出ることになっている。 「古鷹サンのお見舞いか？」 「ああ。これから行くところさ」 #座礁艦隊

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「ヨォシ！ じゃあこの長波様も顔出して、元気つけてやるよ！」 「あかんよぉ長波はん」 張り切る長波を、隣の黒潮がたしなめる。 「長波はんが行ったら逆効果やわ。古鷹はんますます弱ってしまいますやん」 「何い！？ なあ木曾サン、古鷹サンそんなに悪いのか？」 #座礁艦隊

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「ハッハッハッハ！」 吹き抜けに木曾の笑い声がこだまする。 「吹かれて飛ぶようなタマじゃないよ、あいつは。それにこの頃は随分良いみたいだ」 「じゃあ行っても良いな！」 「長波はん！」 「構わないよ。古鷹も俺と同じ外様だからさァ、見舞いにくる奴が少ないんだ」 #座礁艦隊

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「ほんまによろしいんですか？」 「きっと喜んでくれるさ。遠慮すんな」 そうして三人で見舞うことになった。 古鷹の居室は七階建てのうち、右棟六階の端にある。 「俺だ。入るぞ」 ノックし、ドアを開く。オートロックはそのままなので、木曾はマスターキーカードを持って来ている。 #座礁艦隊

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うちの浜風は2-2で重巡旗艦の敵編成で出たから、特に敵編成は関係ないぽい。

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潮風が三人の肌を撫でる。部屋の窓は開け放たれており、古鷹はテラスの椅子に腰掛けて、海を見ていた。 「木曾、おはよう」 古鷹の顔左目の周りは火傷の後のようになっている、目そのものも探照灯だ。とはいえ、これは古鷹タイプに生まれつきの仕様である。 #座礁艦隊

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特定の艦娘は、モデル艦のエピソードを反映し、このような、ともすれば不具合とも取られかねない仕様を伴って建造される。木曾の右の義眼もその類である。誰が、あるいは何がそうしたのかは分かっていない。木曾は妖精さんに聞いたことがあるが、妖精さん自身もまた、知らない、と答えた。 #座礁艦隊

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本当に知らないのか、嘘をついているのか、話すことを禁じられているのか。いずれにせよ"仕様"の理由は不明のままだし、木曾自身、もう慣れた。義眼の手入れもすっかり日課と化した。最近はその日の気分で瞳の色を変えたりしている。眼帯をしているので、自分にしか分からないが。 #座礁艦隊

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「今朝のお客さんは賑やかだね」 古鷹は木曾の後ろにいる二人を見て、穏やかに微笑んだ。 「どうしてもあんたを見舞いたいって聞かなくてな」 「ウチは長波はんがお粗相せんか心配なだけです」 「オウ、オウ、オウ！ 古鷹サン、元気そうだな！ 良かった良かった！」 #座礁艦隊

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@hir_CF うちのは視座は人間並み、武装の操作は人数は少なくなっているとはいえ妖精さんとの連携なのですな。

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@hir_CF ((((；ﾟДﾟ)))))))

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艦によって同じ連装砲や魚雷のサイズが違ってたりするのを見るに、妖精さんにとっては大きさはさほど重要ではないらしい。どんなサイズでもそれが61cm四連装魚雷ならまったく同じ性能なんだろう。

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時雨のガンキャノンと吹雪の手持ち式連装砲は同じもの。陽炎型の、手に持ってる連装砲と背部の連装砲も同じもの。大事なのはそれが「12.7cm連装砲」であること。

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扶桑「戦艦娘は要求される最低値が他と比べて高いですからね。それでいてみんなプライドが高くて、提督が思ってらっしゃるよりけっこうピリピリしてるんですよ。この前はあの伊勢が砲撃を避けられて、『なんで避けるのさああああ』って殴りに行きましたし」 提督「戦艦娘の待遇良くしとくわ……」

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提督「ぼくがもが味さ・・・と」 最上「ねえこれわざと？　わざとだよね？」 三隈「もが味・・・ぜひとも味わってみたいですわ。モガミンの味！　思わずくまりんこしてしまいますわ！」 最上「ヒッ！」

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加賀さん診察日記。 毎日加賀さんを診察と称していかがわしいお医者さんごっこをする、と思いきや、死ななくてマグロなのをいいことに加賀さんを毎日解剖したり内臓を触診したりするマッドなドクター提督の話だった。

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長波の言うとおり、古鷹は"仕様"を除けば傍目には何の異常も見られない。 「今日はけっこう調子が良いんだ。このまま出撃にも出られそうだよ」 「おいおい、あまり俺を心配させるなよ」 「大丈夫だって。練度99なんだよ、私」 「御年81歳の老朽艦が良く言うよ」 #座礁艦隊

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「えっ、ほんまですか……！？」 黒潮が口元を覆う。 「あれ、俺言ってなかったっけ」 「聞いてませんよ！」 「すっげー！ 古鷹サン長生きなんだなあ！ 」 長波も感嘆の声を上げる。 「長生きすんのは良いことだ。ウンウン」 古鷹はその様子を、くすくすと笑って見ている。 #座礁艦隊

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「ウンウンじゃないですよ長波はん、81歳って言うたら……」 「ああ。古鷹は第一世代だよ。深海棲艦と初めて戦った艦娘の一人だ」 #座礁艦隊

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古鷹をおばあちゃんにしちゃってごめーんね。でも見た目はそのままだからごあんしんください。

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

@hir_CF いちいちつけなくていいからwww