「千の想いを」~第三章・境界・固定イベント「演習」#1~
- mamiya_AFS
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流れ弾や火の粉が届かないように、港からは必要以上に距離を空ける事となる。一応遠くにうっすらと見える事は見える。 空を見上げれば、青空をバックに瑞雲達が飛び回っており、観戦する人達は双眼鏡で頑張るか、瑞雲が中継する映像をモニターで受信して観る事となる。
2014-03-22 20:16:07港から視線を90度ずらすと、ゴマのように小さく6の人影が確認できる。説明するまでもなく、長門さんの艦隊だ。 「…で、どうするの?」 うちらは各自適当に水上に浮いているだけだ。結局陣形の練習は何一つ行っていない。知識すらうっすらでしかないあたしは途方に暮れるしかなかった。
2014-03-22 20:18:52「…どうやんの、それ」 聞いた事はある。聞いた事はあるのだ。どういう字かすら思い出せないレベル。 と、各自が腰に着けた通信機のスピーカーがざざーと鳴る。
2014-03-22 20:23:03間宮さんの声が6つのスピーカーから流れる。 なんでうちらのチャンネル知ってるんだろうか。 謎が多い人だわ。一方的な送信だから返信もできないし。 うん、でもありがとう間宮さん。
2014-03-22 20:24:54@AC_ALC_IBUKI @tiyodadayo 細かい陣形の維持はやってられないでしょうからね。正直不安ではあるけどやるしかないわ。
2014-03-22 20:22:14身振り手振りで説明しようとする伊吹の話を聞いているのはあたしだけらしく、それぞれがてんでばらばらに言葉を漏らす。 天龍だけが腕を組んだまま無言で、長門さん達の方向を睨んでいる。 うーん、そろそろ開始の時間なんだけどなぁ。
2014-03-22 20:27:30@tiyodadayo 待っていたぞ。 サブ島へ向かうお前達に私達がしてやれるせめてもの手向けだ。 さあ、持てる力全てを駆使してかかって来るがいい!
2014-03-22 20:17:44通信機から、力強い声が唐突に響く。 チャンネル無視の周囲無差別送信のようだった。 うーむ、やっぱり本気かこの人。
2014-03-22 20:29:06@tiyodadayo と、とりあえず!千代田さんと私の艦載機で高高度偵察をしつつ敵を確実に機雷原へ誘い込む作戦で!
2014-03-22 20:29:22天龍の声に、それぞれが自然と黙って注目する。 そして、演習開始を告げるアラームが通信機のスピーカーを揺らす。
2014-03-22 20:32:48顔を向ける。 空に10を超える航空機がこっちに迫ってきているのが小さく見えた。向こうの空母は瑞鶴さんだけなせいか、思っていたよりも少ない。 「こうやって始まるのね…。伊吹、行ける!?」 叫びながら、袖から樫野製流星零式を発射する。空戦は、あたしと伊吹しか担当できない。
2014-03-22 20:36:12弓を番えて、息吹が艦載機を連続で射出する。つい昨日デビューしたばかりとは思えない程にスムーズに行っていた。 あたしと伊吹ので合わせて数では勝っている。後は…伊吹次第か。
2014-03-22 20:39:05夕張の声に眉が自然とひそまる。 砲撃? 空爆はわかるけど… って、 「ちょああぁぁぁぁ!?」 瑞鶴さんの操る航空機の群れの隙間を割って、2つの巨大な砲丸がうちらの中心位置に叩き込まれる。 うっそ…、この距離で!? それぞれが散ったので直撃した子はいないみたいだ。
2014-03-22 20:41:56