深淵における「すり合わせ」について

TRPG『深淵 第二版』における参加者間での「すり合わせ」の重要性について、自分なりに思うところをルールブックの記述を基に並べたものです。 後で自分で確認する用の個人的まとめのため、読みづらい部分があるかもしれませんがご勘弁いただければ幸いです。
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一天地六 @opendice

ちょっと話題が出たので、深淵における「すり合わせ」について思うことを少し。

2014-04-20 04:19:53
一天地六 @opendice

まず大前提として、深淵もTRPGである以上、すり合わせというものは必須であるということ。複数の人間が参加し、コミュニケーションで進行していくゲームである時点で、これは言うまでもない当然の話。この前提を共有できない事には、そもそもセッションなんて最初から成立させることはできない。

2014-04-20 04:22:26
一天地六 @opendice

深淵というとPCの目的がそれぞれ違うことが多いためか、プレイヤー間で協力なんかせず、個人主義に走って好き勝手やってもいいと誤解する人もたまにいるらしい。でもこれは完全に逆で、深淵ほどすり合わせが必要なゲームはむしろ少数派なんじゃないかと思う。

2014-04-20 04:41:43
一天地六 @opendice

よりシステマチックなゲームであれば、ルールに従いさえすればセッションの進行はある程度保証される。けど深淵はそういうゲームではなく、参加者個人のテクニックやノウハウ、コミュニケーションに依存する割合がかなり高い。

2014-04-20 04:57:19
一天地六 @opendice

そうしたことを考えに入れず、「他人とすり合わせてひとつの物語を作る必要なんてない」「『自分にとっての』美しい物語を作れればそれでいい」といって好き勝手にプレイするのは、深淵というシステムに対するもっとも典型的な勘違いではないかと思う。

2014-04-20 05:10:47
一天地六 @opendice

前にもツイートしたけど、ベテランを自認する人間にも、システムを独自解釈して自分に都合のいいプレイングを押し通す人が少なくないことに驚く。真に「ルールをよく読んで使いこなす」ということができる人間であれば、間違ってもそんな発想には辿り着かないのではないかと思うが。

2014-04-20 05:17:51
一天地六 @opendice

(まあ自分もそうならない保証はどこにもないので、常に自戒は忘れないようにしたいとは思う)

2014-04-20 05:19:45
一天地六 @opendice

またp99では、「いわば、あなたがたは、これから非常にプライベートな形ながら、ファンタジー映画を一本作って、楽しもうとしているのです」とある。 間違っても「プレイヤーそれぞれの映画を別々に作って楽しむ」などではなく、全員が同じ一つの映画を作るというのがポイント。

2014-04-20 05:43:29
一天地六 @opendice

それぞれ役割は異なっていたとしても、みんなで協力してひとつの物語を作るのが目的ということがルールブックには繰り返し書かれている。当然ながら、「参加者がそれぞれ勝手に別々の物語を作る」なんてことはどこを探しても書かれてない。それでは破綻は目に見えているから。

2014-04-20 06:03:27
一天地六 @opendice

「参加者全員がうまく協力することによって、素晴らしい物語が生み出せたかどうか」 「全員が納得いくだけの素晴らしい物語ができたならば、それは参加者全員の勝利」 「逆に、特定の一人だけが楽しんでしまったり、誰か一人でも嫌な想いを強いられたりするようであれば、完全な勝利とは言えない」

2014-04-20 06:09:54
一天地六 @opendice

もし仮に、深淵の目的が「それぞれ別々の美しい物語を作る」であれば、「お前の物語が美しくなくても知ったことか、俺の物語は美しいものだったから俺個人は勝利」というのが簡単に許容されてしまうことになる。それは明らかにデザイナーの意図とは反するだろう。

2014-04-20 06:16:34
一天地六 @opendice

同卓しててもそれぞれ別々に映画を作って勝手に楽しむなんていうのではなく、協力して一本の映画(=物語)を作って楽しむ。それぞれの役割や生きざまは異なっていたとしても、それが集まって完成させるのはひとつの物語というのが、深淵というシステムの良い点だと改めて感じる。

2014-04-20 06:32:23
一天地六 @opendice

……しかしこうして見ると、「協力」って記述本当に多いな。これで何も伝わってないんじゃデザイナーもやりきれないじゃなかろうか。

2014-04-20 06:35:41
一天地六 @opendice

p101「タイトル・バック」なんか見ても「各PCを同じ渦に巻き込んでいかなくてはいけません」「ただ漫然と放置してしまうと、PCそれぞれがばらばらに自分の目標に向かっていってしまいます」というふうに、それぞれが物語を作るだけというのは駄目でPCをまとめる必要性について書いてあるな。

2014-04-20 07:16:43
一天地六 @opendice

まあ仮に、すり合わせもしないで自分にとっての物語だけを考えて動いたなら、まさにここに書かれてるとおりバラバラになるかバトルロイヤルになるかが落ちだから当然の話ではある。そりゃ「美しい物語」なんてできっこないよ。

2014-04-20 07:20:28
一天地六 @opendice

GM主導のすり合わせ方法については、他には予告編や、ハンドアウトを渡すっていうルールが主なところかな。p103では「ハンドアウト」とあるのに、p100ではおそらく同じものを指して「ガイダンス」と称してるのがこのゲームの統一性がない所だけど。

2014-04-20 07:25:26
一天地六 @opendice

まあ他にもいろいろあるから挙げてくとキリがないけど、p104の「アドリブとコミュニケーション」にある「GMとプレイヤー全員で話し合いながらキャスティングを行っていく」というのなんかは、かなり分かりやすい形でのすり合わせのやり方だな。

2014-04-20 07:35:27
一天地六 @opendice

こうして改めて見てみると、すり合わせの重要性について書かれた箇所は想像以上に多かった。……けどそれでもやっぱり、ルールブックのすり合わせのガイダンスがこれで充分かと言われると、かなり微妙な気がする。

2014-04-20 07:43:55
一天地六 @opendice

「美しい物語のために協力や話し合いをさせよう」とは繰り返し書いてあるけど、その「美しい物語」の想定が参加者間で食い違ったりした時のガイドについては何も書かれてないので、どうにも投げっぱなしに感じる。対立や葛藤を指向してる部分があるからなおさら何かしらの指針が必要なんじゃないかと。

2014-04-20 07:50:36
一天地六 @opendice

まあ一概には言えないだろうし答えはないかもしれないってのも分かるけど、第三版で初心者対応を謳うんだったら、もう少し何かガイド的なものに気を使ってもいいんじゃないかなーなんて思いました。個人にとっての物語しか考えない人なんかも実際いることだし。

2014-04-20 08:14:12
一天地六 @opendice

@furuike20 そんな意味合いのことが「美しい物語という目的を確認させろ」みたいな形で書いてありますね。少なくとも「ゲームの目的」を忘れ各自が「PCの目的」しか考えずに行動した結果バトルロイヤルになるというのは、作者の志向する「美しい物語」ではないというのは確かのようです。

2014-04-26 18:11:13
一天地六 @opendice

この前作った深淵のすり合わせについてのまとめに関連して「バトルロイヤル展開になるにしても無秩序なセッションを推奨しているわけではないようですね」というリプを貰ったけど、これは本当にその通りと思う。

2014-04-27 09:41:18
一天地六 @opendice

バトルロイヤル云々という記述はルールブックp101から引用したわけだけど、実際に読めばわかるように「それ自体は破綻でない場合もありますが」というふうに、バトルロイヤルそのものを否定するような記述はしていない。

2014-04-27 09:43:47
一天地六 @opendice

ルールブックに書かれているのは、「こうした状態で、面白い物語ができにくくなる場合があります」「物語としての破綻を避けるために(中略)配慮してください」という形で、ここでも例によって「物語」の成立を第一の判断基準にしている。

2014-04-27 09:46:55
一天地六 @opendice

つまり「バトルロイヤル展開もアリ、ただし物語として破綻しないという条件付きで」というのが、ルールブックから読み取れるデザイナーの主張ということになる。

2014-04-27 09:52:28