#一日一兎虎　※個人まとめ

キザクラ／ss・休憩中 @kzkr_ss

とても全部は収まらないと知りつつも、できるだけ包み込んで愛したい気持ちが相棒を喉の奥へと導く。「あ、僕、もう……っ」舌を絡めながらきつく吸い上げれば、もらしていた喘ぎ声が高まる。いいから出しちまえ。上目づかいで促すと、脈打ち放たれた青臭い匂いが喉と鼻を抜けていく。 #一日一兎虎

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シャワーを浴びたあと、先に入浴を済ませていた相棒に手招かれて近付けば、首にかけたタオルで引き寄せられ唇を奪われる。侵入を許した舌はひやりと甘い。「……バニラ？」答はなく、艶めいた琥珀がまた近づいて。アイスクリームの味がするつめたいキスは、火照った身体を冷まさない。 #一日一兎虎

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ベッドを抜け出し、朝食の準備に取りかかる。天気がいいから鼻歌なんか歌いつつ、ふわとろオムレツを目指してフライパンを揺する。俺のシャツを羽織って降りてきた王子サマは髪がぐしゃぐしゃで寝ぼけまなこ。「おはようさん」愛おしさでゆるむ口で挨拶のキスを交わせば、今日が始まる。 #一日一兎虎

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バターの香りと何かが焼ける音と、陽気な鼻歌で目が覚める。手近にあったシャツを羽織ってから、恋人のものだと気付いたけど気にせず寝乱れた髪もそのままで降りていけば、ふわふわオムレツが出来上がったところ。「おはようさん」笑顔の貴方と挨拶のキスを交わし、僕らの１日が始まる。 #一日一兎虎

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じゃあまたあとで。ピンの仕事に出かける相棒を見送り、俺はなじみのバーへと潜り込む。さっき別れたばかりだから、まだ早すぎるけどお先に一杯引っかけながら待つ。約束の時間に息を弾ませて店に飛び込んでくるおまえが俺を見つけて笑う瞬間、酒の味が変わる不思議を味わうために。 #一日一兎虎

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気持ちよくて目が覚めたら、上に人が乗っていた。「あ、起きた」悪びれもせず自身のものと僕のものを合わせてこすりあげられ、起きぬけの過ぎた快感に思わず上擦った声が出る。「な、んですか、貴方」やっとの思いで文句を言えば「なんだと思う？」艶めいた貴方が、にんまりと笑う。 #一日一兎虎

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「ばにぃ？」囁く声に読んでいた本から顔を上げれば、貴方が慎重な手つきで僕から眼鏡を外しにくる。壊れ物を扱うようにテーブルに置くと安心したように微笑み、僕の袖を引く。とびきり時間をかけて優しくして欲しいときにだけするこのしぐさ。甘え方を覚えた貴方に、僕はめっぽう弱い。 #一日一兎虎

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相棒のうっかりはまだしも、僕まで一緒に能力を受けてしまうとは。猫の姿になった僕らは元に戻るまでオフィスで過ごすよう言われ、仕方なく窓際で丸くなっている。にゃあ、と突然貴方が鳴く。それは今、僕だけが理解できる言葉で。普段あんまり言ってくれないくせに、なんでこんな時に！ #一日一兎虎

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うなじから肩へのなめらかな曲線にかぶりつきたい衝動をこらえる。逞しい背中と細い腰とのバランスがたまらない。小ぶりに締まった尻に誘われ手を伸ばしかけ、慌てて我を取り戻す。半裸のグラビアなんて断るべきだった。僕の気も知らずに、相棒はカメラマンの指示に従い腰をくねらせる。 #一日一兎虎

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惜しげもなく晒した白い肌。蹴りを得意とする脚はもちろん、厚みのある筋肉を纏う上半身も彫像ように美しく見るものを魅了する。見慣れているはずなのに視線は釘付けで。タイガー？とカメラマンに呼ばれ仕事中だったことを思い出す。相棒と半裸でグラビアなんて、落ち着いていられない。 #一日一兎虎

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いつもの時間に起きて、隣で眠る相棒にキスしようとして気づく。白い頬に涙のあと。悪夢でも見たかと心配して揺り起こすと、バニーは首を横に振った。「老いた僕たちがふたりで暮らす、とても幸せな夢でした。夢のままにしたくないな」笑うおまえに抱きしめられる。なら、現実にしよう。 #一日一兎虎

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チェイサーは絶対譲らないってのはわかった。車ならいいだろ、と訴えたらあっさりハンドルを任される。久々の運転に浮かれたものの、助手席からの熱視線が気になって落ち着かない。「何見てんだよ」「愛しい恋人の横顔を」うっとり微笑むお前。なあ、恥ずかしいからやっぱ運転替われ！ #一日一兎虎

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白くて細いけど女とは違う、男らしい骨ばった長い指が俺の鼻筋を撫でおろす。唇をこじ開けて侵入したそれを舌で迎えて夢中で吸って舐めれば、口の中はとろけそうに熱くなる。引き抜かれる指を追いかけ舌を伸ばすと、欲しかったモノを替わりにあてがわれて。俺は、何も考えられなくなる。 #一日一兎虎

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ソファで船を漕いでいた相棒が「おれのばにーちゃん」なんて思いがけない寝言をこぼすから、かけようとしていた毛布ごと抱きしめる。「んん？」目を開けた貴方は夢うつつ。「愛してます、僕の虎徹さん」キスをして囁けば「おれも、あいしてる」と微笑む貴方。幸せは僕の腕の中にある。 #一日一兎虎

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天気予報は大外れ、冷たい雨に降られて帰宅した。ぶるりと身を震わせた貴方とバスルームへ駆け込んで、一緒にシャワーを浴びる。湯気の向こう、ぼやけた視界に蜂蜜色した瞳が近づき、濡れた指が僕の唇をなぞる。くわえて舌を絡めたら、さっきまで寒かったのが嘘みたいにお互い熱くなる。 #一日一兎虎

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酔いざましに公園を横切って行こうぜ！と提案したものの、カップル達がイチャついてるなんて知らなかった俺は目のやり場に困る。相棒がごくりとのどを鳴らす音が聞こえ身構える間もなく抱きよせられて。「早く、帰りましょう」俺に熱を吹きこんで手を引くおまえと、駆け出した夜は長い。 #一日一兎虎

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ドアで足を打った、痛え！と騒ぐ相棒を座らせる。「どこを打ったんです」跪いて裾をまくるも、見た目に腫れているところはない。念のため足首からふくらはぎをそっとさすり上げ膝からすねを撫で下ろす。貴方の体がぴくりと跳ね、同時に「んっ」と甘い声が漏れる。足、痛かったはずでは？ #一日一兎虎

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おかえり、と迎えてくれた貴方はハグのあと眉をしかめた。「香水かえた？」さっきまでCM用のポスター撮影をしていたと告げれば納得したように頷く。その後突然僕にぐいぐいと頬ずりを始めた貴方に理由を訊いても笑ってはぐらかされるだけ。なんだかわからないけれど、甘えたいのかな。 #一日一兎虎

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ただいま戻りました、と帰ってきたお前をハグすると知らない香りがして思わず眉をしかめる。「香水かえた？」訊けばさっきまでCM撮影があったらしい。仕事で仕方ないとはいえ、いつもの匂いがしないのはなんだか焦れるから。マーキングしてやるつもりで、俺はバニーに頬ずりをした。 #一日一兎虎

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春らしい陽気の昼下がり。「今日はあっちいくらいだな」とこぼした相棒がネクタイをゆるめ、胸元のボタンをふたつほどはずす。折りよく吹いた風が貴方の少し汗ばんだ肌を撫でて、僕の鼻に芳香を運ぶ。今すぐあの襟もとに顔を埋めたい衝動を、夜まで宥めておくにはどうしたらいいだろう？ #一日一兎虎

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目を覚ますと、いつも先にベッドから抜けだしているはずの貴方が「おはよ」とおでこにキスをくれた。もしかして夕べ激しく求めすぎたせいで起きられないのかと心配になる。そんな僕に「昨日すげえきもちよかった」なんて枕に顔を埋めて囁く貴方を、朝っぱらから離したくなくて困ってる。 #一日一兎虎

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春なのに冷たい風は強く吹いて相棒の柔らかな金の髪を乱した。オフィスに戻るためのエレベーターは貸切で。気になって髪を整えてやると「貴方も」と俺を引き寄せたおまえが、襟足の髪を梳きながら潜らせた指で地肌をなぞる。昨日抱かれたとき同じ事されたの思い出して、膝の力が抜けた。 #一日一兎虎

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珍しいものを頂いた、と相棒が見せてくれたのはチューブに入った桃色の液体。「飴なんだそうです、貴方もいかがです？」答える代わりに口を開けて待てば、ねっとりした甘い香りの粘液を唇に塗られてそのまま深いキスをされる。「イチゴ味、ですね」息をついたおまえが、華やかに微笑む。 #一日一兎虎

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上半身裸の男が見せている背中は、しなやかで無駄のない筋肉でできている。女性向け雑誌に載った写真の白い肌を、指が扇情的になぞりあげる。「そういうことは写真じゃなくて僕本人にしてください」背後から抱きしめた恋人の耳元で囁けば、真っ赤な顔が色欲を湛えて僕を振り仰いだ。 #一日一兎虎

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「ばにっ……おれ、も、だめ」「他に言う事は？」涙まじりの声に、つい冷たい言葉を返してしまうのは彼が素直じゃないから。「いじ、わるっ」「なんとでも」なにしろ僕らはケンカの真っ最中。トイレに立て篭もったのは悪いとは思うけど、早いところ謝った方がいいんじゃないですか？ #一日一兎虎