#一日一兎虎　※個人まとめ

キザクラ／ss・休憩中 @kzkr_ss

二人の時間がなかなかとれなくて、久しぶりにゆっくりできるこんな日は貴方が少しだけ積極的になるから愛おしくて仕方ない。部屋に入ってすぐ、引き寄せられて口づける。そのままタイをほどきかければ、僕のベルトに手をかけた貴方が色を浮かべて笑い「もう、待てねえよ」と囁いた。 #一日一兎虎

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風呂から出たバニーとトイレに行こうとした俺が廊下ですれ違った、はずだった。なんでか後ろから腰を抱かれ、裾から潜った指が俺のへそをなぞる。それだけで離れていくおまえに首を傾げて何？と問えば「触りたかっただけです」と満足げに笑う。なんだ、イイことすんのかと思ったのに。 #一日一兎虎

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少し待ってろ、と突然車を降りた貴方は進行方向とは逆へ姿を消した。訳もわからず待つ僕の元に息を切らし戻った貴方が 「美味しそうって言ってたろ」と笑顔で差し出したのは、とあるドーナツ店の袋。覚えていてくれたのが嬉しいから、家に着いたらとっておきの紅茶でおやつにしよう。 #一日一兎虎

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いいとこ見つけた、と貴方が連れて来てくれたのは店内に兎のモチーフが溢れるカフェ。「バニーちゃんにぴったりだろ」僕は兎じゃないと何度言えばこの人はわかってくれるのか。得意げな笑顔が可愛い貴方と、休日のブランチを楽しめるんだから、まあよしとしておこうかな。 #一日一兎虎

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「マッサージしましょうか」と言われ、ベンチに寝そべって肩やら背中やら揉んでもらう。どこで覚えたのかやたら上手くてうっとりしてたら、ふいに指先がわき腹をなぞりあげる。思わず出た昼に相応しくない声に自分で驚く。「どうかしましたか」そんなの、おまえが一番わかってるくせに。 #一日一兎虎

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暖かな昼下がり、事件もなくデスクワーク、経理のおばちゃんは外出中、食後で満腹ときたら眠いに決まってる。とろり瞼が閉じかけた頃、耳元で響いたのはウィスパーボイス。「虎徹さん」ただ一言名前を呼ばれただけなのに、じんと甘い痺れが身体を走り俺の意識は相棒に持っていかれる。 #一日一兎虎

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帰宅すると相棒が食事の支度をしてくれていた。「ただいま戻りました」「おう、おかえり」挨拶のキスがつい深くなってしまうのはいつものこと。やめろとは決して言わない貴方が可愛くて。「こら、メシ作ってんだろ」なんて軽く睨んでくるその顔が見たくてやめられないんです。 #一日一兎虎

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頬に鼻先にくちびるにキス。僕がした順番に返してくれる貴方。耳に首筋に鎖骨に、と舌を這わせれば同じく真似てくれた。辿り着いた下腹部で先端にキスしてひと舐め、さらにくわえてみせると、視線をさまよわせ真っ赤になった貴方はずるりと下がり、僕の前をくつろげて取り出して、ああ！ #一日一兎虎

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するりと伸びてきた腕が、肩から覆いかぶさるようにして俺を抱きしめる。深々とついた溜息に混じり「……会いたかった」と甘えるような声が耳をくすぐる。ピンでの仕事を終えた相棒が帰ってきて真っ先にこうする時は疲れてる証拠。だけどその割には尻に当たるナニかがお元気で、その。 #一日一兎虎

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バニーが出たドラマをふたり肩を並べて観る。いつもキャーキャー言われてるくせに、演じる役もモテモテで。キレイな女優さん、あ、近えだろおい、腕組んでんじゃねえよ。なんだよこれ、やっぱ観なきゃよかった。「妬いてくれてるんですか」いじわるな笑みに、冗談も返せない程度には。 #一日一兎虎

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退社時間になって突然のどしゃ降り雨。得意気な貴方が広げたのは、いざという時の為の置き傘なんだとか。「っだ！冷てっ」ぽつりと空いていた穴はご愛嬌、ただでさえ狭い男二人の相合傘は、つかの間往来で貴方の腰を抱きよせて密着する理由を与えてくれる。 #一日一兎虎

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「これ俺たちをイメージしたやつなんだって」外から戻った相棒が差し出したのはカップに盛られた赤と緑のジェラート。受け取り、スプーンですくって口へ運ぶ。「どちらも美味しいです。でも、ふたつ混ざったところが一番美味しい」正直に感想を述べただけのに、なぜ貴方が赤くなるの？ #一日一兎虎

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酔っ払ってぐだぐだになった貴方が「もーおれ寝るう」と宣言しソファに沈没して5分。ベッドへ運ぶため抱き上げようとすると思いがけず引き寄せられて上に倒れ込む。「いっしょにねよ」甘えた声と眠気にとろけた笑顔で頬にキスなんてされて、逆に目が冴えてしまう。さてどうしようかな。 #一日一兎虎

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寝ぼけた頭で着替えて慌てて出社して、用を足しに行って気がついた。やけに肌触りが良いと思ったら、これバニーの下着だ。そうと知ったとたんなんだか腰の辺りがそわそわして落ち着かない。 相棒の気遣わしげな視線が痛い。「どうかしましたか」どうもしねえ、けどなんか興奮してる。 #一日一兎虎

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出かけたショッピングモールはやたらと混雑していた。「あれんまそう」「あの靴可愛いな楓にどうかな」気もそぞろな恋人が余所見してはぐれてしまう前に、人ごみに乗じてそっと手を繋ぐ。「だめですか」問えば、驚いた顔を赤く染めてそっぽ向いた貴方が「だめじゃない」と小声で呟いた。 #一日一兎虎

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読みかけの本を手に取る。残念そうな顔をした貴方を気にしないふりで読み進めれば、そのうち「何読んでんの」という声とともに後ろから抱きつかれ、首すじに唇が押しつけられる。意外と構われたがりな貴方が、僕の気をひくためにしかけてくるのが嬉しくて。僕は開いただけの本を閉じた。 #一日一兎虎

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ねぼすけな相棒を起こしに行く。「朝だぞー」声に反応して眉間に皺が寄り、いやいやをする子供みたいに頭を振る。なんだよ駄々っ子かよ。甘やかしたくなって撫でてやると、伸びてきた腕で強引にベッドの中へ引きずりこまれる。悪戯っぽく笑うおまえが、朝の挨拶じゃないキスを俺にした。 #一日一兎虎

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シャワーが止まり、ふうっと息つくのと共に「あーさっぱりした！」と声が聴こえる。思わず笑いそうになるのを堪えて、出てきた貴方をふかふかのタオルで包んで抱き込む。少し驚いた顔の貴方が「さんきゅ」の後に「一緒に入ればよかったのに」と囁くから。そのまま浴室へ逆戻り。 #一日一兎虎

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今日はレジェンドの特集を観る、とTVから離れようとしない相棒の隣で画面を眺めていたはずだった。いつの間にか眠っていた僕が覚醒したてのぼやけた視界で見たのは、間近に迫る貴方の赤らめた顔。僕から外した眼鏡を手にして、ねえ虎徹さん、どうして唇尖らせて目を閉じているの？ #一日一兎虎

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風呂上がりのバニーがリップクリームを塗る。入れもんの蓋開けてクリームを中指ですくって、薄く開けたくちびるに丁寧に塗り広げていくのを見てるとすげえドキドキすんの。「何物欲しそうな顔してるんです？」わかってるくせに。ちゅーして、なんて言わないかわりに俺からしてやる！ #一日一兎虎

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先に帰ってきた部屋で待つ間、肌寒さを感じて家主のパーカーを羽織った。フードを被るとあいつの匂いがするし、あったかいからなんだか眠くなってくる。うとうとしかけた頃帰ってきたバニーが、ただいまのキスとハグで俺を起こす。おかえりバニー。なあ、もういっそ一緒に暮らさねえか。 #一日一兎虎

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観るともなく点けたTVをぼんやり眺め、温めたミルクを啜る。シャワーを済ませてきた相棒が乱暴に髪を拭きながら隣に座り、僕からマグカップを奪い取る。飲み干して甘えなと文句をいう口を塞ぎ舌を絡めれば、なるほどこれは確かに甘いと納得する。貴方と居ると、何だって甘くなる。 #一日一兎虎

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いつも来るこの店は、酒も旨いが食いもんも旨い。今日のおすすめから選んだ一品が俺好みで思わず唸る。「これんまっ」「僕にもください」期待に満ちたまなざしに応えて、ぱかっと開いた口にひょいっと放り込んでやったところで二人して我に返る。やっべえ、ここ家じゃねえのに！ #一日一兎虎