81スクエア第3回

６４０ @retuner640

「大丈夫、俺さんのキャラも強いですよ！そうだ、今日の固定イベントもう無いじゃないですか。せっかく将棋会館にいるんですから、フリーな時間を使ってプロの対局を見に行きましょう」「え？行けるの？」「直で見るのはどうかと思いますが、控え室で他の棋士が検討してますから」

６４０ @retuner640

@yamajunn21 ええ、あれもこれもと数えていくとけっこうありそうな気がします。でもどれだろう（自主規制）＞知ってても入れてはいけないイベント

６４０ @retuner640

（『将棋会館　棋士控え室』）「ほんとだ、何人か居るな。で、モニタがあって…ここで中継が見れると」「一緒に混ざって検討すれば、レベル上げにも役立ちますよ」「あれ？見たことのある奨励会員が混ざってるんだが」「あ、教えませんでしたが、奨励会員の時から一応参加はできます」「ふーん」

６４０ @retuner640

（検討に参加）「…グラフィックが会話してるのに、セリフが表示されないんだが。バグか」「だからバグ言うな。今、このゲームがイージーモードだからですよ」「イージーモード？こ　れ　で　？」「そう恐ろしい顔しないでください」

６４０ @retuner640

「ふん。で、イージーとセリフ非表示の因果関係がわからないんだけど」「では、オプション画面でモードを『ハード』にしてみてください」「ゲーム中にそんなに簡単に変えられるの？」「いいじゃないですか。さあさあ」「うーん。とりあえずポチ」

６４０ @retuner640

（『控え室』を立ち去った後）「（ぐったり）……なるほど、イージーモードの意味がよくわかった。あれは棋士同士の罵詈雑言を聞かせないって意味のイージーだったのか」「罵詈雑言とは言いすぎですね。プロならではの厳しい意見の応酬があっただけですよ」「いやあれは…いや、なんでもない」

６４０ @retuner640

「とりあえずイージーに戻すわ。キャラ成長ゲーに集中したい」「そうですかー残念。これがタイトル戦になるともっとすごいのに。現地取材してきたからボリュームとか半端ないですよ」「だからそういうところの気合を別なところに入れろ！行くぞ順位戦」「はいはい！」

６４０ @retuner640

（順位戦開始）「対戦表見たけど、さすがにC2はいけるな。ロートル多いし、新進気鋭の若手であるところの俺キャラなら楽勝とみた」「さらっとひどく舐めた物言いですが」「いやいや。考えてみたら俺のキャラも天才集団“せんざき世代”の一人なんだよ。しかもそのうち一人がもうタイトルホルダー」

６４０ @retuner640

@yamajunn21 わかりにくい書き方してしまいましたが、「棋士のハードな世界を赤裸々に見せる」のがハードモード、「オブラートに包んでヤバいところは見せない」のがイージーモード…というネタです

６４０ @retuner640

（順位戦C2前半戦終了）「うぐぐぐぐぐぐ」「おつかれさまでした。いやー、なんでしたっけ？ロートルは楽勝だったんですよね？」

６４０ @retuner640

「「おかしい。こっちは相当【研究】で最新定跡ぶつけてるし、実際序盤はこっちのペースのはずなんだけどな…中終盤でなんかうやむやになって逆転される」「それがベテランの技ってやつですよ。でも、ここをしっかり勝てないと、上でも同じ目に遭いますよ」「うぐぐ」

６４０ @retuner640

「まあ残り半分ありますし、他の棋戦もあります。がんばりましょう」「う、うん、はい…」（CM入り）

６４０ @retuner640

（CM明け。『竜王戦決勝トーナメント』のタイトル表示）「…きた」「きましたね。最下層の６組スタートですが、どの組でも優勝すれば決勝トーナメント入りできるのが竜王戦の魅力です」「やっぱりやれば出来るんだよ、俺のキャラ！」

６４０ @retuner640

「で、ついに準決勝ですが。俺さん、今の心境は」「今の俺は無敵だ」「そうですか、では対戦相手を見てみましょう」　　（『“名人　たにがわ　こうじ”』の文字）　　「…ﾌﾞｯ！！」「うわ汚！」「なんで名人がこんなとこにいんの！？」「ここは竜王戦なんだから、名人だってただの棋士です」

６４０ @retuner640

「だから前から言ってるけど！もうちょっとキャラのレベルに合わせた敵をだね！？」「同世代のやしきさんが棋聖になりましたねー」「しかしあいつと俺とじゃ」「…俺さん」「え、はい」「」ここまで来たってことは、あなたのキャラクターも今や相当の棋力だってことなんですよ」「……」

６４０ @retuner640

「いずれ、あなたは名人も倒すんです。いつか倒すなら、今倒してもいいじゃないですか」「…煽るなあ。ま、わかりましたよ。行ってきます」（キャラを対局室に向かわせる）「ふふ…俺さんのキャラの背中が大きく見えますよ」

６４０ @retuner640

（対局開始）「…しかし、かっこいいなあ。たにがわ。姿勢とか風格が違うな。ポリゴンなのにオーラが見えるようだ」「わかります。ここはスタッフが気合入れましたから」「あ、たにがわがお茶飲んだ。かっこいいなあ」「かっこいいでしょ」「あ、トイレに立った。かっこいいなあ」「そこはいいです」

６４０ @retuner640

（終盤戦）「やばい時間無い」「うーん、やっぱり読みの早さとか深さが全然違いますね。俺さんのキャラは読み直しが何度も起きて、ロスが酷い」「終盤力ならこっちも自信あるんだけど…あ」（ｷｭﾋﾟｰﾝ）

６４０ @retuner640

「なんか画面にエフェクト出たぞ？『発動：　光速の寄せ』！？おいこれヤバくないか？」「しまった、もう発動するのか」「だからなんなの！」「たにがわの奥義ですよ！これから何十手かの間に、一気に詰みか必死がかかります。つまりほとんど即死です」

６４０ @retuner640

「ふざけろ！なんとかならんの！？」「俺さんのキャラの実力で、力ずくで跳ね返すしかないです」「ちょっ…」「見守るしかないですよ。ほら、キャラは必死に抵抗してます」「……」

６４０ @retuner640

「ここにきてノータイム指しかよ…！」「読みきってますね、たにがわ」「“光速流”は伊達じゃないってか？くそっ」「ええ。ちなみにゲーム的には、たにがわが名人になったあたりで、将棋界全体での将棋のスピードが急激に変化するんです。超高速の終盤戦、そしていずれやってくる、超緻密な序盤戦…」

６４０ @retuner640

「いや、待て。見ろ。俺の手でたにがわが止まった」「これは…（盤面を見る）もしかして、これはエフェクトが出ますよ！」「えっ」（画面にエフェクト。『　詰　め　ろ　逃　れ　の　詰　め　ろ　』）

６４０ @retuner640

「すごい！俺さんのキャラが、たにがわの光速流から逃げる筋を見つけたんだ！」「用語詳しくないんだよ！どういうことだよ」「『次何もしなかったら詰みますよ』という状態が『詰めろ』、そして、その詰めろをかわしながら相手の玉に『詰めろ』をかけるのが『詰めろ逃れの詰めろ』です！」「それって」

６４０ @retuner640

「形勢が入れ替わったかもしれません！」「ま、まさｋ」（ﾊﾟﾁｯ）　　　「「……あ」」（俺のキャラが頭を下げる。『参りました』）

６４０ @retuner640

「ああああー！！」「くっそおおおお！！」（しばらく悶える二人の映像）「…あー、悔しい」「感想戦の話からするに、詰めろ逃れの詰めろも含めて読みきっていたと。最後、たにがわの手が止まったのは、読みの確認だったのですね」「全部上手だったか。あー、くうう」