セラフィリアの庭園#1

魔竜との交渉に向かう竜族の青年クルーム。突然現れた、魔竜に恋人を奪われたという娘。彼らに課せられた奇妙な試練の行く末とは…。 小説アカウント@decay_world で公開したファンタジー小説です。この話は#4まで続きます
0
減衰世界 @decay_world

 魔竜との交渉は竜杖吏員の中でもエリートだけが行える難しいものだ。それもいともたやすく殺されたりする。絶対に怒りをかってはいけないし、無礼をはたらいてもいけない……それなのに、ここの人間たちは奇妙なほど楽観的なのだ。 24

2014-05-02 17:39:58
減衰世界 @decay_world

 しかしこうも皆が皆乗り気だと、クルームも流されてしまう。「分かりました、一緒に行きましょう。くれぐれも失礼のないように……」 「ええ、一人よりも二人の方が心強いでしょう。セラフィリアの試練を受けるのですから……」 「試練?」 25

2014-05-02 17:45:16
減衰世界 @decay_world

「ええ、セラフィリアに接触するためには、庭園に住む化け物を倒さなくてはいけません。そうですよね?」 クルームは混乱してきた。竜杖吏員は魔竜との交渉の流れや注意点をマニュアル化している。だが、セラフィリアとの交渉にそのような試練があるなど、聞いたことが無かったのだ。 26

2014-05-02 17:52:48
減衰世界 @decay_world

――セラフィリアの庭園#1 (了) #2へ続く

2014-05-02 17:52:59