奴隷売りbot 子どもの日イベントまとめ

奴隷売り(@a_slave_trader) 黒猫レストラン(@rest_brackcat) 一次創作botまとめ
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奴隷売り @a_slave_trader

「知ってるんだな。確かにいるよ。お忍びで女を呼ぶ神職がな」 『止めようがないんだよ。教えに背いているとは言え彼らは妻を持つことが出来ないからな。そうやって金で解決する者もいれば、男色に走る者も…ゴホン、いや、すまない』 言葉を濁す牧師をチラリと見て男は料理に視線を戻す。

2014-05-06 01:22:22
奴隷売り @a_slave_trader

男がフォークで牧師の服を指差す。 「そういえば…アンタ、改宗したのか?」 『ああ…そうだよ。お前がいなくなってすぐに』 牧師の表情に影が差す。 『あんなことがあって、あの宗派は俺も、もう信じられなくなった…』 「…あっそ」 男は軽く聞き流すように相槌を打ち、グラスをあおった。

2014-05-06 01:30:05
黒猫レストラン @rest_blackcat

「食ったら早く帰ってくれないかな。」(カウンターで洗ったグラスを拭きながら呟く)

2014-05-06 01:37:11
奴隷売り @a_slave_trader

『その…お前が、あんな仕事なのは、やはり亡くなった神父様へのあてつけか?』 「…は?」 牧師の言葉に男の額に皺が寄る。 『いや…正直ショックでな。生きるために大変だったとは思うが、他人の命を使って罪を重ねているとは』 沈痛な面持ちの牧師を見て、男はあからさまな嫌悪を顔に浮かべた。

2014-05-06 01:41:37
奴隷売り @a_slave_trader

『やっぱり、神父様に裏切られたことがどうしても許せなくて…』 「思い上がるな」 ワントーン下がった声で牧師の言葉を遮る。 「昔のことは忘れた……もう関係ない。勝手な想像で物を言わないでくれ」 そうか、すまんな、と牧師は謝るが、納得している様子ではなさそうに見える。

2014-05-06 01:47:58
奴隷売り @a_slave_trader

「なんで来たのか知らないが、今更訪ねて来られても迷惑なんだよ」 音を立ててグラスをテーブルに置く。キッチンから店主が心配そうに顔を覗かせた。 『まあ、それはいきなりだし、驚くだろう。しかし俺は過去の罪をとやかく言うつもりは無いんだよ』 牧師は明るい声に戻る。 『今まで辛かったな』

2014-05-06 01:55:34
奴隷売り @a_slave_trader

「…あのなぁ。アンタに同情される覚えはないんだが」 的外れな慰めの言葉に呆れる男。うんうんと嬉しそうに牧師は頷く。 『もう罪は重ねる必要はない。ずっと前から籍は用意してあるんだぞ』 その言葉に男のフォークがぴたりと止まった。 「……はぁ?」 『お前も戻ってくればいい。昔のように』

2014-05-06 02:00:26
奴隷売り @a_slave_trader

「本気で言ってるのか?」 『冗談でこんなことを言わないよ。勿論うちの宗派でだ。規則も緩いし馴染み易い。幅広い信者がいるから、過去をとやかく言うような奴はいないぞ』 言葉を失う男に、牧師が得意げにフォークを掲げる。ややあって男はゆっくりと首を横に振った。 「馬鹿げてる」

2014-05-06 02:06:52
奴隷売り @a_slave_trader

『どうして? 俺がいるからにはもう苦労はさせないさ。それに…』 少し言葉に詰まりながらも、牧師は誠意の含んだ笑顔を見せる。 『俺は、お前の兄弟子だったのに……お前を助けることが出来なかった。だから、今出来ることがあればしてやりたいんだ』 その言葉に、男の目がすっと据わった。

2014-05-06 02:14:30
奴隷売り @a_slave_trader

「………た癖に」 暫くテーブルの端に視線を落としていた男が、ぽつりと呟く。牧師は耳を寄せた。 『なんだい? 聞こえなかった』 「…知ってた癖に」 『ん?何を…』 「分かってたぞ。カーテンの裏で覗いてたのを」

2014-05-06 02:18:45
奴隷売り @a_slave_trader

大袈裟な程びくりと牧師の肩が揺れた。皿の上を軽快に動いていたナイフとフォークが動きを止める。 「…俺が腐った聖職者共の相手をしている時、隠れてこっちを見てただろ?」 テーブルクロスの下で足を組み、男は淡々と続ける。牧師の手が僅かに震えている。 「彼処で一体何をしてたんだ、なあ?」

2014-05-06 02:26:04
奴隷売り @a_slave_trader

『どう…して、それを』 絞り出すような声でなんとか言葉を紡ぐ牧師に、男は軽蔑の視線を向ける。 「気づいてないとでも思ったか? 残念だったな。加わる度胸もなかったんだろうな。無理はない、あの頃アンタは20かそこらか。性欲はあっても強欲な爺さん連中の仲間に入るのはプライドに障ったか」

2014-05-06 02:31:58
奴隷売り @a_slave_trader

『ちっ…ちがう、私は…止めようと…』 「くくっ、今なら何とでも言えるよなァ」 嘲笑を浮かべて男は牧師にナプキンを投げる。 「汗を拭けよ。取り繕うとしたって無駄だ」 牧師はそれをぐしゃりと握り締め、視線を泳がせた 『……気付いていると知ってたなら、何故…助けを求めなかったんだ』

2014-05-06 02:40:08
奴隷売り @a_slave_trader

「12かそこらのガキにそんな知恵があるか。あの頃はそれが正しいことだと信じ込まされてた。何より男はみんな同じにしか見えなかったよ」 吐き捨てるようにそう言うと男は席を立った。懐からマネークリップを取り出すと幾らかの紙幣をテーブルに置く。 『…っ、待て!待ってくれ!』

2014-05-06 02:45:37
奴隷売り @a_slave_trader

『すまない。お前の言うとおりだ。俺が悪かった』 去ろうとする男の腕を牧師が掴む。 『でも、それなら今からでも償いをさせてくれないか…?』 すがるように服を握る牧師を男がつまらなそうに見つめる。 「…離せ」

2014-05-06 02:49:38
奴隷売り @a_slave_trader

牧師が一瞬怯んだ隙に男は腕を振り払う。何も言わずレストランを出て行く男を、キッチンでグラスを磨いていた店主が見て、心配そうに牧師の方に歩み寄った。 『大丈夫ですか? お客様…』 ぼんやりと扉を見つめながら、諦めないぞ、と牧師は呟く。 『……また行くよ。会いに』

2014-05-06 02:53:44
奴隷売り @a_slave_trader

「今帰ったぞ。…ああ、何でもない。ちょっと食事をしてきただけだ。ん?いや、怒ってないぞ。何でもない、平気だ。俺がいない間変わりは無かったか?…そうか、よくやった。さあ、営業を再会するぞ」

2014-05-06 02:56:58