悪い男に騙される山城【解】『HAruna's waRD』 三次創作「CobraHistory」~プロローグ3~ [意志](※途中まで)
- Admiral_Cobra
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……懐かしい感覚がする、 このスーツを着て歩きまわるのは。もう…何年も着ていない。 「コブラ提督!お話があります。」 俺の部隊員の一人が正面から話しかける。かなり若い。 「なんだ…用事ができてる。また今度に…」 「真田少将が…お見えになられています。」
2014-05-06 16:32:35「仕方ない…行くよ。んで?真田はどこにいるんだ?」 「格納庫です。戦闘機の…」 俺の開発した兵器に文句でも言うつもりか。急ぎ足で廊下を歩き、部隊限定の格納庫へ向かう。
2014-05-06 16:37:40…なんだよこりゃ…豪華に部品やら戦闘機やらがあった格納庫がただの空き箱になりつつある。言われてからまだ1日も経ってないぞ? 「っはは…!これはこれは…コブラ提督、いや…中佐。」 「その階級で言うのはやめてもらえないか。潮崎ですらお前を超えたんだ。」 …まったく、変わらない奴だ。
2014-05-06 16:43:28「なぜだ。もう用は無いだろ…俺にも、紫水にも…いったい、なにしに来た!」 俺が大声で怒鳴っているにもこの男は黙るどころか笑い始めた。 「ふっ…お前が異動するとの話を聞いてわざわざ来たさ。昔の事も…この鎮守府で始まったんだ。それにもう終わった話だ。脅威はもうないのだからな…!」
2014-05-06 16:53:09脅威…俺にはそれが誰に向かって言われているのかは分からない。だが奴は過去にした事について「もう終わった話」と言って切り捨てようとしてる。 ふざけるな…お前が下した決断で、どれだけの仲間が…艦娘が傷付いたと思ってんだ…
2014-05-06 16:56:01「そうだ…お前が作った戦闘機をここに少しばかり残すことに決めている。どれも傑作ばかりだからな…」 「ああいいさ。だがな…もう俺の前に現れるな。お前の顔を見ただけで…苦しみが増えるだけだ。」 絶対に許せない…奴は…奴は……!
2014-05-06 17:00:18…奴が笑う。この格納庫全体を響かせるぐらいに。俺を含む整備兵の連中や部隊員は苦痛の表情をあらわにして真田を見る。 ここにいる者の殆ど…いや、この鎮守府に長く所属している者の多くは、真田を嫌っている。
2014-05-06 17:05:59「…笑うのもいい加減にしてくれ。作業に支障が出る。」 そう俺が言うと真田は途端に笑うのを止める。 「そうかそうか…確かにそうだな。では私は…紫水の様子でも見に行くとしよう。奴がどんな姿なのか…一見する価値ぐらいはあるだろう?っははは!!」 笑いながら、奴が格納庫から出ていく。
2014-05-06 17:10:23静まり返った格納庫が騒がしくなる。主に暗い方向に。 「コブラ提督……」 「分かってる。俺が出てこないと何されるか分からなかったんだろう?いいさ…俺だって、奴をいつかこの手で倒さないといけないとさえ思ってる。」 ………また、静かになる。 なんだ…悪い事でも言ったか?
2014-05-06 17:14:16「奴にくれてやるのは駄作か、不良品にしておけ。どうせ使いこなせない機体ばかりだからな!」 また俺が怒鳴る。今度は笑い声だ。これでどれだけ真田が嫌われているか把握もできる。 「あ…そうだ。名前はなんて言うんだ?」 「…矢萩です。」 「そうか。俺は用事がある。一連の作業を任せるぞ。」
2014-05-06 17:19:30…階級は……少尉か。懐かしいが…嫌な思い出しかない。 責任を矢萩に押し付けたところで、格納庫を出る。今度こそ…ちゃんと会いに行かないとな。あいつらがいる場所に……
2014-05-06 17:26:09…視界がぼやけてる。目をこすっても中々よくならない。 今度は何秒か目を閉じては開く。 しかし、やっぱりぼやけたままだ。
2014-05-06 18:13:58何回も、何回も……同じ事を繰り返し行うが結果は変わらない。仕方なく諦める。 ……突然、背中から抱きつかれた感覚がする。 「ん…誰だい…?」 「ふふっ……当ててみてください。」 …当たるかそんなもん。
2014-05-06 18:17:01…暖かいような…柔らかいような感覚を背中から感じる。ふと…溶けてしまうような気持ちにもなる。 「っへへ……」 「でも…会えますよ。近いうちに…それに一緒になれますから…」 一緒…?どういう意味なんだ… 「なあそれってどういう…」 振り向いた瞬間、頬に柔らかい感覚が襲う。
2014-05-06 18:22:45ってぇ… 「な、なにしやがる!」 叩かれた方向に顔を向ける。 「起きろコブラ、起床時間ぎりぎりだ。」 ……夢か。
2014-05-06 18:27:07良い夢だった気がする。きっとありゃいい美女が俺に安らぎを与えてくれたんだろう。そうに違いない。 「んで…俺はどうすんだ?」 「ああそれなんだが…お前はあの潮崎という奴の場所に行けと直々に命令が入った。」
2014-05-06 18:37:51なんたって俺が呼ばれる…あ、そうか。あの時の試作機か…!これまた面倒な事しちまったぜ。 「ってまあそういう事だ。さっさと行ってこい。」 はあ…気が乗らないねぇ。
2014-05-06 18:45:51廊下に出る。昇り始めた太陽から出る日差しが俺を襲う。いやぁ眩しい。 「ひぇ~…眩しいねぇこりゃ。さて…呼ばれている場所は…格納庫だったか?」 寝ぼけて聞いてたからなんの話も覚えちゃいない。ただ夢の事しか頭にない。
2014-05-06 18:53:21さて…どうしよっかなぁ~…なんてな。ちゃんと格納庫へ向かう。 朝から大声でいちだのにぃだのうるさい声がこの寮にも聞こえる。毎朝こんなことしてたら耳が遠くなっちまいそうだ。
2014-05-06 18:59:39