岩城氏@TamotsuIwakiと想田氏＠KazuhiroSodaによる、市民運動のジレンマに関する対話まとめ

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

「デモクラシーを取り戻せ」宇都宮けんじ×想田和弘対談に行って来ました。映像配信を見たのではなく、実際の会場に行って来たのです。席は、最前列の一番端という、僕的にはベストポジションでした。ちなみに最前列中央には山内和彦さん（「選挙」の山さん）がいました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

僕が今日の会に行くことにした理由は、それほど大きなものではありません。想田監督は映画「演劇」でご縁が出来た知人だし、宇都宮氏は都知事選で多くの卓見を主張していらっしゃったので、半ば応援、半ば興味本位で席を予約したのです。今日の午後は仕事もなくて暇だったし。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

しかし、今日の会の感想は、一言で言えば「ショック」でした。会の様子は、行く前の僕の予想とはまるで違っていました.... 想田さんの話も宇都宮氏の話も、大変素晴らしく、勉強になるものでした。しかし。このような会には、「今後もう二度と参加したくない」。そう感じました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

想田さんや宇都宮氏の発言は、これまで書籍やネットなどである程度読んでいました。お二方ともいわゆる「リベラル護憲派」で、思想的には僕自身と非常に近いです。ですから、今日の会も、自分が勇気をもらえるような、そういう場になるものと思っていました。しかし、そうはなりませんでした。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

「やっぱり、こういうのは映像配信とかを見るから良いんで、実際の会場になんて行くもんじゃない」。それが今日の僕の感想です。実際の会場には、UST配信やSNS実況などではとても伝わらない、強い「空気」がありました。それは、少なくとも僕にとっては、大変に居心地の悪いものでした。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

居心地が悪いと言っても、席に座って想田さんや宇都宮氏のお話を聞いてる間はまだ良かったのですが、会が終わって席を立つ時にその居心地の悪さが急激に跳ね上がりました。僕はもう、そこから一刻も早く逃げ出したくて、想田さんや山さんへの挨拶もそこそこに、会場を飛び出しました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

他の来場者に混じってエレベーターを待つ数分間が、すごくすごく長く感じられました。早く、ここから出たい！ ... 。エレベーターに乗って扉が閉まった時、この「居心地の悪さ」の名前がわかりました。それはまぎれもなく、「同調圧力」と呼ばれるものに違いありませんでした。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

ようやく建物の外に出て、空を見て、少し気持ちが落ち着きました。そして、今日の会場が東京ドームの至近であったことに感謝しました。そこが、野球観戦を終えたばかりの人ごみだったからです。僕は、川で自分の体を洗うかのように、人の流れの中にしばらく立ち尽くしていました（邪魔だよ）。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

それもこれも含め、良い勉強になりました。今後も宇都宮さんを、個人的には応援したいと思いました。しかし、「宇都宮氏を支援する人々」の一人になることは、僕にはできない、ということも思いました。なぜ自民党が勝つのか。その謎が、少しだけ解けたような、そんな日になりました。（連続TW終）

想田和弘 @KazuhiroSoda

@TamotsuIwaki そうでしたか…。せっかく来ていただいたのに、なんだか申し訳ない。ちなみに、どんなところに居心地の悪さや同調圧力を感じられました？

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda まず始めの熊谷氏のプレゼン内容が、あまり論理的に感じられませんでした。「公選法が変」という「結論ありき」だと思いました。特におかしいと思ったのは「難解で曖昧」という部分です。条文は法律分独特の文体だから素人には難解ですが、曖昧とは思えませんでした。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda また、「公選法自体がおかしい」という議論と、公選法の運用の話（不当逮捕など）が混同していて、僕にとっては説得力を欠いていました。「とにかく公選法が悪い！」と、雰囲気で言ってるだけにしか感じませんでした。以上は熊谷氏のプレゼンへの感想です。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda その熊谷氏の曖昧なプレゼンに対し、聴衆が拍手喝采で盛り上がっていたこと。このような「結論ありき」の非論理的プレゼンに拍手喝采しているのは、全く意味が無いと思いました。この場には「意見が同じ人」しか居なくて、その内輪だけで盛り上がってる、と感じました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 一方、宇都宮さんは、公選法が現在のような状態にある理由を極めて論理的に説明して下さいました。それをはじめ、宇都宮さんのお話には深く納得しました。想田さんのお話も、説得力のあるものばかりでした。しかし、それに対する聴衆の反応には、違和感を感じました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 違和感は身体的なものですから、言葉ではなかなか説明しにくいのですが、例えば、拍手で盛り上がるとか、あるいは、他陣営を嘲笑するような冗談に対して、わざとらしく大きく笑って反応するとか。それらに、僕自身はとても「乗れない」と思いました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 僕は仕事柄、共産党や自民党などの政治集会のほか、マルチまがい商法の集会、宗教団体のイベントなども裏方で見てきました。それらにだいたい共通するのは、議論をする場なのではなく、「同じことで盛り上がる」という雰囲気を場で作っている、ということです。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda しかし、想田さんと宇都宮さんの会は、そういうのとは違うだろうと思ったから、参加しようと思ったんです。しかし、この会もまた、雰囲気としては、「そこらの政治集会となんら変わらない」ものに感じられました。それが残念だと思いました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 想田さんが最後近くに仰った、運動には「妥協が必要」「不純でよい」「異物を許容出来ないといけない」といった話。その時、会場が一瞬シーンとなりました。それまで頷き続けていた聴衆の首も、そこでピタリと止まったように僕には見えました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 想田さんが仰った、「自民党選挙における参加者と非参加者との断絶」「羞恥プレイで関わりが抑制される」「運動が熱心になるほど不純に不寛容になる」。それらがそのまま、今のこの会にもあてはまる、と僕は思いました。

Tamotsu Iwaki @TamotsuIwaki

@KazuhiroSoda 以上、言葉ではうまく書くのは難しいですが、どうにか書いてみました。ですがうまく伝わってる自信がありません。大雑把にまとめると、「あくまで特定の人だけが集まった、閉じた会であり、そこに所属していない僕は、強い疎外感を感じた」ということだと思います。

想田和弘 @KazuhiroSoda

ふーむ、なるほど。丁寧に説明してくださってありがとうございました。たしかに「意見が同じ人」の会になっていたように思います。僕はときにはそういう会も必要だと考えているのですが、そこに属しない岩城さんが疎外感を感じるのも当然のように思います。@TamotsuIwaki