#変態不知火さん 不知火との初夜編

高峯みやび @sukamelancholy

幾度となく、俺は不知火から何やかんやされた。……何やかんやは何やかんやである。詳細まで言うと長くなってしまうので割愛する。まぁ、それぐらい色々されたのだ。俺はいつも受け身で、不知火も攻めの姿勢の方が割に合っているのだと思っていた。……つもりだった。 #変態不知火さん

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しかし、現実はそうでもない。ケッコンをして指輪を渡して……。後はいつも通り。それでいいと思っていた俺に異議を唱えたのは、もう一人、指輪を渡したビスマルクだった。俺が二人を選んだ事によってある程度の余裕が出来たのか、忠告を受けてしまったのだ。 #変態不知火さん

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ケッコンしたというのに、何も変わらずでいいのか、と。不知火から身体の触れ合いがあり、それを受ければいいと俺は心の何処かで決めつけていたようだ。それではただ〝指輪を渡しただけ〟に過ぎないと気付けなかった自分が恥ずかしい。 #変態不知火さん

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ケッコンとはただ指輪を渡して艦娘の限界を超えて強化させる事ではない。渡す事の意味と、指輪に込めた想い。艦娘との絆の表れがケッコンである。……人それぞれだろうが、俺自身はそう思っている。 なのに、この有様である。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

故に、俺は不知火の私室の前に居る。日付は変わり、寝静まった鎮守府。日替わりで警備をしている艦娘以外は全員就寝している。不知火も例に漏れず、眠っているようだ。扉の隙間からは部屋の灯りが見えない。 #変態不知火さん

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むしろ好都合だ。今日の警備担当の艦娘には前もって不知火の部屋の前は避けるように言ってあるし、納得もしてもらった。「いいけれど、今度お礼してよ？　そうね、五十鈴は甘い物が食べたいわ」と。それぐらいならいくらでも出せる。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

もう何度も不知火とは肌を重ねた筈なのに、心臓がバクバクと早鐘を打っている。ドアノブに手を伸ばすだけなのに、いちいち気合を入れなければならない程に。あぁ、だから俺は毎回陸奥にからかわれているのだろうか。まぁいい。 俺はドアノブに手を伸ばす。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

――そう。 俺は、今から不知火に夜這いをするのだ。 #変態不知火さん

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【警告】 今後のツイートから濡れ場、所謂セックスシーンになります。変態不知火さんに興味のない方は大変お手数をおかけしますが、ミュート機能、もしくはブロックなどの対処をされますようお願い申し上げます。 申し訳ありません。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

音が鳴らないように、細心の注意を払ってドアノブを捻り、開ける。静寂な世界に、俺の心臓の鼓動だけが聞こえる。俺の鼓動が眠っている不知火に聞こえてしまわないだろうか。それほどまでに俺は緊張している。 耳を澄ませると、規則正しい不知火の寝息が聞こえた。 #変態不知火さん

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踵からゆっくりと床に着け、なるべく音が鳴らないように不知火に近づく。極度の緊張のせいか口の中で生唾が溜まっていく。だがこれを飲んでしまえば、その音で不知火が目覚めてしまうかもしれないと思うと、飲み込めなかった。 ――不知火のベッドまで、あと五歩程度。 #変態不知火さん

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――あと四歩。 木製の床が軋まない様に祈りながら歩みを進める。 ――あと三歩。 不知火の寝息が近くなる。乱れてはいないようだ。 ――あと二歩。 仰向けになり眠る不知火の顔がうっすらと見えてきた。 ――あと一歩。 俺はゆっくりと、かかっている毛布に手を伸ばす。 #変態不知火さん

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その伸ばした手を、別の手が掴んでいた。 それを認識した瞬間、悲鳴が出そうになった。静かに寝息を立てていた筈の不知火は眼を開き、俺の手を引っ張り目で追えない程の素早さでベッドに俺を叩きつけ、背中に跨った。 「誰だ。監視の者か。吐け」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

捻られた俺の腕が悲鳴を上げる。侵入者を捕えてそのまま尋問。我が秘書艦ながら手早く正確な行動だった。実に誇らしい。誇らしいのだが、このままでは俺の腕が折れる。 「い、いてぇ、ぬいぬい、俺だ……っ」 「司令！？」 珍しく驚いた声で反応した不知火はすぐさま拘束を解く。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

痛みがまだ残る腕を擦りながら、俺は起き上がり、不知火はベッドのそばにあるスタンドライトを点ける。 いつもの髪をまとめた状態ではない不知火の顔が明かりに照らされる。この時の不知火を見るのはなかなかお目にかかれない。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「どうしたのですか司令。不知火に何か御用でしたか」 「……あ、あー……その」 真っ直ぐに目を見て聞かれると、何とも答えづらいものがある。逆の立場なら不知火は淡々と当然のように「夜這いに来ました」と答えるのだろう……。肝が据わっているのだな、と改めて思う。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

不知火の視線が突き刺さるのを感じる。責められている訳ではない筈なのに、その眼力からそう思い込んでしまうのだ。いつもの俺のヘタレた思考が出てきそうになるが、それを押し殺す。何とか誤魔化して戻る訳には、いかないのだ。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「……司令？　今日の司令は不可解です。何故こんな時間に不知火の部屋を訪ね、さらには起こさないようにゆっくりと近づき、毛布をめくろうとしました。一体、どうされたのですか」 ……自分が同じ事をしておいて聞いてくるのはわざとだろうか。それとも本気でわかっていないのか。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「……？」 「俺が不知火の部屋に忍び込んだのは、な」 「はい」 ……くそ、夜這いっていうのは説明して今からしますって事だったか？　こんな羞恥、耐えられねえ。 「……俺は、な」 「はい」 「今日……」 「はい」 ――ああ、もう。耐えられん。俺は不知火の両肩を掴む。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

肩を掴まれて驚く不知火を、そのままベッドへ押し倒す。 「し、しれい――」 今日は珍しい日だ。驚いた不知火の顔を見られた。いつも俺がそんな顔をしていた側だったからだろうか。 「……今日は、黙って俺に抱かれてくれ」 いつもなら恥ずかしすぎる台詞も今の勢いなら言えた。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

まさか俺に押し倒されるなどと思いもしなかったのだろう。不知火は目を見開いて頬を紅く染めていた。……不知火も、こんな表情をするのだな。 「……」 瞳は次第に潤んでいき、不知火は俺を見つめて。ただこくんと、頷いた。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

何度も肌を重ねて、互いの弱点など知り尽くしている筈なのに、この初々しい気持ちは一体なんだろうか。 こんなにも可愛らしい反応をする不知火が、とても愛しい。 そして俺は衝動のままに、不知火の唇を奪う。すると不知火は、そっと唇を開く。受け入れてくれる、らしい。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

その厚意に甘えさせてもらい、俺は不知火の口内に舌を侵入させる。焦り過ぎないように、衝動を堪えて。今すぐにでも繋がりたいだなんて、そんな肉欲だけのケダモノじみた思考を押し殺す。 ただ俺は不知火を抱きに来たのではない。ケッコンをし、絆をより深めたくてこうしている。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

互いの舌と舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。それをすすれば、甘いと感じ、それをより欲しがるようにすすってしまう。不知火も同じく甘いと感じているのか、すすっては唾液を欲しがっていた。 ……そうか。不知火の場合、俺の体液を異常に欲していた。あの頃から。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

不知火自身もわからないと言っていたが、俺の体液に対する執念や欲求はとても強かった。俺の体液で栄養を補給し、食事を取らずとも、戦闘に行ける程には。 特異な体質であると思う。それはまるで……淫魔を思わせるような。 #変態不知火さん