【読書する黒子の】『源氏物語』の謎【簡単解説】

源氏物語に関する小ネタを ガセなど入り交えて。 興味をもってもらえれば幸いです。
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読書する黒子さん @kuroko_1011

源氏物語に親しもう。ホントとガセが入り混じる源氏物語の小ネタ集。

2014-05-16 22:54:38
読書する黒子さん @kuroko_1011

1)紫式部は藤原道長の愛人だった説。 道長の娘、中宮彰子に使えていたにも関わらず、天皇家を持ち上げる話を描いていた。だが道長と彰子の後援を受け書き続けることができたのは、彰子のお気に入りだった以上に道長の力があったのでは、と言われています。

2014-05-16 22:58:51
読書する黒子さん @kuroko_1011

これに関連して『紫式部日記』で定子に仕えていた清少納言を悪く言っていることなどから、道長の愛人同士で火花を散らしていたのでは、という話もあります。ついでにいえば清少納言と紫式部の後宮にいた時期はズレているので直接話したことはなかったと研究では言われています。

2014-05-16 23:01:20
読書する黒子さん @kuroko_1011

2)紫式部は天皇家にも喧嘩うってる件 まず、源氏がタラシという設定の時点で結構マズいんですが、それ以上にマズいのが一回臣下に下った源氏が桐壷帝の妻、藤壺と逢瀬を遂げ、さらにその後生まれた子がその結果では、と示唆し、なおかつその子が即位しています。これは血統の乱れですね。

2014-05-16 23:04:56
読書する黒子さん @kuroko_1011

しかし、一応源氏は桐壷帝の嫡子ですし、その冷泉帝には「天皇家に戻らないか」という誘いもあります。宮家から降嫁などした方が戻った例もありますし、冷泉帝の子はその後断絶していますので、重要ではないかもしれませんが……実際これを理由に禁書だった時代もあります。

2014-05-16 23:07:13
読書する黒子さん @kuroko_1011

もう1つ決定的に喧嘩を売ってるのが、この「冷泉帝」という名前です。冷泉帝って、存在するんです。在位、967~969年。血筋的には、定子と彰子が嫁いだ一条天皇の叔父にあたります。これって、相当ヤバイとおもいませんか……実在する同時代の、今上の叔父を不貞の子として名前を重ねたんです。

2014-05-16 23:12:02
読書する黒子さん @kuroko_1011

ただ、この冷泉帝、ちょっと問題行動の伝説が多い方で……歌を大声で歌うのが好きで、絵を描くのも好きで、運動も好きで……あまり当時の貴族らしからぬ方だったようです。在位も短い。まぁこんな感じで天皇家に喧嘩を売っているため、道長愛人説まで出たんですね。

2014-05-16 23:14:43
読書する黒子さん @kuroko_1011

3)2つの意味にとれる和歌がある これは文字通りです。そしてこれはいまだにどちらか分からず、文法的にふたつとも正しく、どちらの意味をとっても正しい。しかしまったく違うニュアンスになる。そういう和歌が1つあります。冷泉帝が生まれ初めて源氏が対面した後、藤壺から源氏に宛てて。

2014-05-16 23:16:32
スーパーペンギンポリスあーす @arstece

@kuroko_1011 あ、わたし、これ好きです(細かいことは忘れてしまいましたが汗)よろしかったら読書さんの解釈うかがってみたいです〜

2014-05-16 23:18:23
読書する黒子さん @kuroko_1011

「袖濡るる 露のゆかりと 思ふにも なほ疎まれぬ 大和撫子」 ここで問題になるのは「なほうとまれぬ」です。「想うにつけてやはり疎ましく思ってしまう」というもの。「そう思ってもやはりうとましくは思えない」というもの。「ぬ」が完了と打消、両方の使い方に矛盾しないんです。

2014-05-16 23:20:44
読書する黒子さん @kuroko_1011

「この袖をぬらす(涙の)御縁と思うとやはり、この子を愛おしく思うことができない」の場合、逢瀬が無理やりだったこともありますし、当時の貴婦人の頂点にいた藤壺の嗜みとして「男性にはつれなく返す」という慣習にも合致します。

2014-05-16 23:23:21
読書する黒子さん @kuroko_1011

また「この袖を濡らす(涙の原因である源氏)の縁の子であると思うと、(不義の子とはいえ)やはり愛おしく思う」という解釈だと、藤壺からの返歌はほぼ皆無&内密の内密としてきたもの、という点から本音はやはり嬉しいということを伝えたかったというもの。両方根強い推薦があります。

2014-05-16 23:25:35
読書する黒子さん @kuroko_1011

僕はといえばやはりここでも「第三勢力」です。「藤壺はあえて二通にとれる和歌を渡して、乱暴に言ってしまえば「この二つで板挟みですよ、貴方のせいですよ、察しろ」というメッセージを送ったというもの。確かに、感情をどっちともだせない身としてはこれが最良でしょう。ちなみに源氏は喜んでました

2014-05-16 23:27:58
読書する黒子さん @kuroko_1011

4)源氏物語は怨霊を科学的に描いた初めての作品 怨霊というか、六条御息所ですね。当時はまだ崇徳上皇の前の時代です。当時はまだ生霊や病気のプロセスなどがわかってない時代です。ですが、源氏物語では「生霊が原因で病気になる」人がいましたね。葵上、夕顔。

2014-05-16 23:31:00
読書する黒子さん @kuroko_1011

なので、バチアタリというかとりあえず「画期的」ではあったようです。当時は祟りでなくなるにしろその原因について解釈する人もあまりいませんでした。家の前を犬が通ったりでもしたら、占っていた人たちですよ。その中で「愛執のために生霊として祟りを起こした」というのを明確に描いたんです。

2014-05-16 23:33:14
読書する黒子さん @kuroko_1011

後何か話はありましたかね……

2014-05-16 23:35:25
読書する黒子さん @kuroko_1011

ああ、源氏供養というものがありますね。能にもなっています、「紫式部」。紫式部は嘘のお話を書き連ね、周囲を惑わしたという罪で地獄に落ちた、という伝説を基にしたものです。更科日記でも「源氏物語や物語に夢中になってすいません」と反省する様が描かれています。罪深いことなんですね。

2014-05-16 23:38:02
読書する黒子さん @kuroko_1011

ちょっと話がそれますが、中島敦の「狐憑」もそうですね。古代、物語を語る才能のあるものがいて、皆それを面白がり狩りなどを免除した。ただし、そのうち疎まれ、最期には食われてしまった。彼が初めての詩人だったかもしれない。そんな文学者の悲しい最期はままあったんでしょう。

2014-05-16 23:40:58
読書する黒子さん @kuroko_1011

あと、源氏物語研究については伝説がいろいろと付随しています。源氏物語の著名な研究者のひとりの残した膨大な事典は、実は大学の卒論でありリアカーで持ち込まれた。など。とかく源氏物語研究についての逸話は「それは人間ですか?」と聞きたくなる話が沢山ありますよ。

2014-05-16 23:42:57
読書する黒子さん @kuroko_1011

今の話で「これマジ!?」ってなるものがあったら、是非図書館に足を運んでみてくださいね。ガセもいれてありますから。まずは漫画から(/・ω・)/いきましょう!!

2014-05-16 23:46:04
読書する黒子さん @kuroko_1011

源氏物語だとこんなものですかね。今度は中島敦について話したいですけど、ひぐらしのトリックについて話し合いたいです……(うずうず

2014-05-16 23:45:07
癸羽 @atsumu_kiu

@kuroko_1011 ひぐらしってあのひぐらしです?(*ơωơ)

2014-05-16 23:46:09