二日目、昼の記録 - 選定のオルディナンス

2014/05/18から2014/05/20までの、〈勇者〉と〈神具〉の語らいの様子です。
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アルファベット @alpha_ordinance

「っ」  短い息の音を挟んで、 「――っぅらああああァァァ!」  叫びを、ら行の音で完結させる。  構成されたばかりの拳を胸に引き寄せて、肺の空気を出し切って、 「……気合、入ったあー」  その言葉とは裏腹に、傾ぐ上半身と噴き出す汗には血の足りなさがにじんでいる。

2014-05-20 23:50:37
マキナ(machina) @ord_machina

「魔王。貴女の口は次は閉じますでしょうか、どうでしょうか。声と共に舌が出ますれば、貴女は次に舌を切りましょう」 腕を代償に奇跡を産んだ彼女が、奇跡の対価に産むのは何か。 「アルファベット。カッコイイと魔王を称す貴女は如何がするのでしょう。カッコよくでしょうか、どうでしょうか」

2014-05-20 23:51:06
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@eon_eir 「……」切な面持ちで。ぽろり、とひとつ。落し物のような涙を零して。「……ありが、とう……ござい、ます……っ」抑えるような声音と表情で、そう言って。カーテシーの所作を伴った、品のあるお辞儀を返すので、精一杯だった。

2014-05-20 23:51:57
不老 蓮 @Lotus_frow

@ozQuseL 「……」 男から学習したことを、知識として与えた事。戯れに過ぎない様な、そんな事。しかしそれこそは男の本質である。 「……なれと言われてなるか」 女の声に、からりと、初めて明確に笑う。 「……なってやると、俺から支配するよう伝えよう」 お前は俺の物である、と。

2014-05-20 23:52:33
ニゲルニグ @niger_nig

再度自分を持つ少女に意識を向ける。 「悪いが、性能は神具もあちらのが上だろう」 だが、と続ける。 「お前さんが砕きたいと思えば俺はなんだって砕いてやる。それがあの男の生き方であっても例外はない」 「それだけは約束しよう」 楽しげな斧の声。 夜はすぐそこに。

2014-05-20 23:53:35
アルファベット @alpha_ordinance

 腕は元通り縫合されても、失った血の量は変わらない。  女はゆるゆると頭を振って、雑多な走馬灯を振り払った。まだ死んでいない。 「最近、寝起きが低血圧気味で困るんだよ、ねえ……」  ふふ、と、力を抜いた笑みを浮かべて、深呼吸がてら、背伸びをして。

2014-05-20 23:55:02
マキナ(machina) @ord_machina

「悲鳴でしょうか、どうでしょうか。咆哮でしょうか、どうでしょうか」 広間の大気を震わせた声。 「同じく大気を揺るがすものでありますれば、決めるのは貴女の意志と、聞いたものの感傷で御座いましょうか。如何にせよ、振り絞りますれば」 「次は獲られるがよいかと、存分に」 晩餐の時間。

2014-05-20 23:55:13
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@b_astrologia @ordnanceI_peony 「うぇ、うぐ、ひ、く……えぅぅぅ」目と鼻から、だらしなく零れる液体を拭いもせずに。苦しそうな嗚咽を上げながら、星の乙女のもとで人形は泣く。宥められるように頭を撫で擦られると、人形は次第に落ち着いていき。

2014-05-20 23:56:08
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@b_astrologia @ordnanceI_peony やがて涙を白い服の袖で拭い、人形は名残惜しそうにとててっと離れて。「ぐすっ…アステーリアさまも、牡丹さまも……どうか、良き夜を」枯れた声で、できるだけですましながら。スカートの端を持ったお辞儀をし、二人の夜を見送った。

2014-05-20 23:56:34
キュセル @ozQuseL

「今のは、少しだけ」 それは、誰に向けた声か。声量は変わらない。声色も変わらない。 機械的な声が、部屋の扉が開く、最後に。 「カッコ良いと、キュセルは認識します」 聞こえたような気がした。

2014-05-20 23:57:46
アルファベット @alpha_ordinance

@sousaku_asobi  なんでもないことのように、泣きすがる少女人形を視界に収めた。  先ほどまでの惨状も、今現在の落涙も、まるで気にもとめないように。それこそ、先ほどまでの雑多な走馬灯と一緒に振り払ってしまったかのように。  女はただひとつの事実だけを読み取った。

2014-05-20 23:58:05
牡丹 @ordnanceI_peony

背後。覚える感触。鍵が、開く音。灯は途切れ、夜の扉が開かれる。 抱える腕では、開けられない。預ける背中。乗せた体重で、扉は二人を飲み込んで。 「……ねぇアステーリア。お前が休めるのは、どういった所でしょうね」 落ちる。落ちる。見えぬ暗闇へ落下する。それでも、女は揺らがない。

2014-05-20 23:58:42
不老 蓮 @Lotus_frow

@sousaku_asobi 「……泣いてくれるな」 道具とて、感情は持つか。男に対しての感謝を受け、男はその頭に手を這わそうとしながら。 『レディ』らしいその行動。人形でありながら人間のよう。ふ、と眼を閉じ開いてからは、確かにその姿を見た。

2014-05-20 23:59:56
牡丹 @ordnanceI_peony

Cに見送られ、アステーリアを腕に。 ――女は、二度目の夜を迎えるのだ。 .

2014-05-21 00:00:17
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@ord_cecilio 「……」ぷい、と人形は背を向けてしまう。それは嫌がるようにではなく、戸惑うな空気を漂わせて。「……」しばらく、ずっと沈黙していたけれど。「それなら……」ぽつり、と幼い声音でこう告げる。

2014-05-21 00:00:24
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@ord_cecilio 「疲れたので眠るCを、Cが眠るまで、ずっとずっと撫でている許可をあげるのです」涙声で、けれど態度はあくまですました様子で。

2014-05-21 00:00:35
セシリオ @ord_cecilio

@sousaku_asobi 震える声のそれが強がりであるとはよく分かったけれど、淑女として振る舞う彼女に対しそれを指摘するのが野暮であることは、いくら自分でもよく分かる。だから自分も、こう答えるのだ。 「……ありがとう。僕はきっと起きているから、君が寝てもそうしてるかもね」

2014-05-21 00:03:20
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@alpha_ordinance 「う――」おかえり、と告げられて。「うわあああああああんっ」そう言われた瞬間、人形は再び取り繕っていた心の結界が再びほだされてしまって。また、大声を上げて、泣きじゃくる。目許を腕で拭いながら、身近にあった布団へダイブ。もぞもぞと深く潜り込んで。

2014-05-21 00:08:06
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@alpha_ordinance 布団越しにくぐもった、幼子の泣き声。広間に響くのかもしれない。しばらくして、泣き晴らして真っ赤なお顔、布団の隅っこからちょこんと出して。「ぐすっ……ただいまです」投げ捨てるように言い残し、頭がすぽんと隠れていった。

2014-05-21 00:08:13
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

被っていた帽子がこつんと外れて取り残されるも、細い腕がしゅっしゅっと素早く出し入れされて、速やかに回収された模様だ。

2014-05-21 00:09:01
スウェンテイル及びThe C @sousaku_asobi

@eon_eir 頭に伸ばされた手を見やれば、人形は両手で帽子を外し、胸元に置いて。自らの頭部をやや前方に傾けて、少しでも撫で易い位置を気遣う。ごつごつとした大きな手が頭部を覆うと、人形は目を細めて「にぅ」と気持ち良さそうな声を洩らした。

2014-05-21 00:11:37
不老 蓮 @Lotus_frow

@sousaku_asobi 準備がいい、己が何をされるのか理解に早い人形は、察しが良いとともに感受性が高いのだろうと。男は気持ちよさそうな声を漏らし、その小さな頭を幾度か撫でてやってから 「……じゃあな」 男は扉に向けて歩いて行き、止める声もなければかつかつと歩いて行く。

2014-05-21 00:19:10
不老 蓮 @Lotus_frow

そして扉へと消える、前。 キュセルの声を聞いた時には、男は何も言わなかった。 そうして男は扉を閉めた。

2014-05-21 00:20:59
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