安倍首相の必要最小限度の限定的な集団的自衛権行使は「小さく生んで大きく育てる」「トロイの木馬」

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安倍首相の必要最小限度の限定的な集団的自衛権行使は「小さく生んで大きく育てる」「トロイの木馬」 http://t.co/l1dojfvYDq 5月16日のＮＨＫスペシャル「集団的自衛権を問う」から上智大学教授の中野晃一さんと柳澤協二さんの指摘（要旨）を紹介します。

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中野晃一氏：安倍首相の記者会見で衝撃的だったのは紙芝居が始まり、おじいさんやおばあさん、子どもや孫が出て来て、このままでは危ないと訴えるのですが、戦後続いてきた専守防衛というページをめくるという重大な問題であるのに国際情勢を含めその論拠を話さず感情的なものだったということです。

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中野晃一上智大学教授：安倍首相は抑止力に対して思い込みが激しい。抑止力があれば国民は安全になると言うのですが、そうはならないでしょう。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：安倍首相の狙いは集団的自衛権を「小さく生んで大きく育てる」というところにある。おじいちゃん、おばあちゃんの事例はこれだけで終わらない。安倍首相の話だと紙芝居の次のページはバラ色になるような感じですが実際は戦争に日本が参加したことによって、そこから戦争が始まるわけです。

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中野晃一氏：戦争が始まるとアメリカでさえ泥沼化するわけだからバラ色になるわけではない。事例を語るのであれば、集団的自衛権を行使した後、他の国が反撃し、日本の本土も攻撃される可能性もあることを語らないと事例すら語っていることにはならない http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：安倍首相の事例はそれで終わりにならない。他国から見れば日本が参戦してきているわけで、当然日本の艦船が攻撃の対象になるし、日本の本土も攻撃の対象になってくる。そうすると日本だけが戦争をやめようという話にはならない。国民の安全が守られ、お終いになりますという話はおかしい

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中野晃一上智大教授：安倍首相は事例から入り、原理原則を変えようとしています。これは、「トロイの木馬」のようなものです。ここで集団的自衛権を入れておいて大きく育てることができると考えているように見えるわけです。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授：限定的な集団的自衛権の行使はありえません。個別的自衛権であれば、わが国が攻撃されているわけですからそれは誰が見ても分かる。わが国が攻撃されている以上、自衛しなければいけないというミッションははっきりしているわけです http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授：集団的自衛権は、わが国が攻撃されていないのに他国が攻撃されて、わが国に危害が及ぶかも知れないからと政府が判断して集団的自衛権を行使するのであって、私たち国民が議論に参加することはできません。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：まして秘密保護法ができているわけですから、私たち国民がどれだけ事態を知ることができるのかということもある。政府が情報を調べてきちんと集団的自衛権の行使を決めますからと言われたところで、私たち国民は納得することはできない http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授：抑止力が外に対しては万能であると考えるのと同じように、国内で国家権力を抑制しなければいけないということに関して安倍首相はあまりに鈍感です。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：安倍首相は「夢見る抑止力万能論者」のようなもので、記者会見もそうですが国民に対し「トラスト・ミー（私を信じて）」と言うのですが、私たち国民はとても信じることはできません。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：国家権力は暴走することがあるから、そのために憲法があるのに、それをこういった形（安倍首相の集団的自衛権の行使容認）で壊してしまったら取り返しがつかなくなります。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一氏：おじいさん、おばあさんの話をするのであれば、自衛隊やわが国が反撃されたときに一体どうなるのかを考えなければ、安倍首相のあの１枚の紙芝居の次はバラ色になって平和になりました、とはならないのです。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授：安倍首相は歴史認識や靖国参拝などで日米関係にまでも問題が起きるようなことをやっておいて、集団的自衛権で軍事力を行使できれば国民の安全は守れるというのはおかしい。抑止力は万能ではないのです。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授：集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲で、専守防衛から、わが国が攻撃されていなくても日本は参戦することが可能になります。そして、安全保障の方が憲法に優先することになり、今後は政府が考えて集団的自衛権を行使していくという形になっていくわけです。

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柳澤協二氏：必要最小限度の集団的自衛権の行使は許容されると安倍首相は言うのですが、何のための必要最小限度かということが問題です。 http://t.co/l1dojfvYDq

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柳澤協二氏：従来の政府の見解は、わが国が攻撃された場合にこれを排除するために必要最小限度の自衛は許されると言っていたわけです。今度はわが国が攻撃されていないにもかかわらず、集団的自衛権を行使できることになります。 http://t.co/l1dojfvYDq

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柳澤協二氏：集団的自衛権の行使はそのときの政府の判断次第になってしまう。同じ必要最小限度でも、わが国への攻撃に対する自衛の必要最小限度は分かるのですが、そこを取っ払ってしまうのが集団的自衛権の行使ですので、集団的自衛権の必要最小限度は論理的につながらないのです。

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ＮＨＫスペシャルの最後に、柳澤協二さんは「自衛隊員が犠牲となるリスクの高まる集団的自衛権を行使するためには、民主主義の原則として、国民のコンセンサスを得て、改憲の手続きを行う必要がある」と指摘しました。 http://t.co/l1dojfvYDq

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安保法制懇座長代理の北岡伸一氏が「消費税を５％から８％に引き上げるだけで16年もかかった。改憲するためのプロセスはとんでもなく長くなる、そんな時間的猶予はない」とキレていたところに、今回の安倍政権の本音を垣間見ました。 http://t.co/l1dojfvYDq

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集団的自衛権の行使は、アメリカのために日本が世界中で軍事力を行使し、他国のために日本の若者・子どもがリアルに殺し殺され、国家統治も破壊するものです。 http://t.co/l1dojfvYDq

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中野晃一上智大教授が指摘しているように、たとえ必要最小限度の限定的な集団的自衛権の行使でも一端容認されてしまえば、特定秘密保護法もある中で「大きく育てる」ことがいくらでも可能になります。 http://t.co/l1dojfvYDq

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アメリカのイラク戦争などのように戦争の泥沼化に日本も入っていき、日本の本土も攻撃にさらされることになっていきます。戦争の泥沼化、戦争の憎しみの連鎖は、アメリカに見られるように、日本国内へのテロも引き起こすことになります。 http://t.co/l1dojfvYDq

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日本の狭い国土には、事故の収束もできていない福島原発と50機もの原発があります。日本の原発が攻撃を受けた場合の外務省による被害予測の報告書によると、大量の放射性物質が流出して最大１万８千人が急性死亡するとされています。 http://t.co/l1dojfvYDq