「ザ・アタック・オン・ネイキッド・ミドル・エイジド・メン」#1
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◆おしらせ◆今回更新した「ザ・アタック・オン・ネイキッド・ミドル・エイジド・メン」は、ニンジャスレイヤー二次創作小説であり、ボンド&モーゼズ両氏、ほんやくチーム、エンターブレイン様等には一切関係ありません◆全中男◆
2014-05-21 01:45:54重金属酸性雨の降り注ぐネオサイタマ、アタマ・ストリート。多くの求職者達が行き交うこの大通りで、つい先程事故が起きた。 1
2014-05-20 23:14:54屋台の立ち並ぶこの大通りに、ダンプカーが突っ込んだのだ。マケグミ市民が数名巻き込まれ、死亡した。怪我をした者もいるが、ネオサイタマの市民は見向きもしない。ダンプカーの運転手はカロウシしていた。ネオサイタマではチャメシ・インシデントである。 2
2014-05-20 23:16:53そしてこの男も、その事故に巻き込まれたマケグミの一人である。ぞっとするほど冷たいコンクリートの感触を味わいながら、その男は静かにその生命を終えようとしていた。全身から流れる血液は、無慈悲な雨によって瞬く間に洗い流されていく。 3
2014-05-20 23:19:04男は服を身に纏っていなかった。ネオサイタマの汚染された大気を全身で浴び続けることは実際危険である。常人であれば24時間以内に死ぬだろう。もっとも、今まさに命を落とそうとしている彼には関係のない話であったが。 4
2014-05-20 23:21:17男は、なにも望んで衣服を失ったわけではない。ボロではあったが、あの服は彼が持っている最後の財産だった。奪い取られたのだ。つい先ほどの出来事である。最早、彼に残されたものは何もない。その命すらも、今まさに失おうとしている。 5
2014-05-20 23:23:27雨ざらしになっている彼の体は、古事記に記されしジゴクのレッサーデーモン、ガキに酷似していた。肋骨は浮き出し、逆に腹は飛び出したその体型は、栄養のある食事を摂れないマケグミにありがちな体型である。彼には金も職も住む場所も、そして家族も無かった。 6
2014-05-20 23:28:29今日の食事の金も無く、地下街で壁にもたれかかって呻いていたら、ニンジャ装束を着た男に服を奪われた。何か着る物をと思い地上に出たら、暴走したダンプカーに撥ねられた。つまらない人生だとは思っていたが、まさか死に方すらもつまらないとは。男は心の中で呟いた。口にする体力すら既に無い。 7
2014-05-20 23:31:20どこで間違った?生まれてから今までの記憶が、彼の頭の中に次々と浮かび上がる。ソーマト・リコールである。どこがポイント・オブ・ノーリターンだったのだろう。最初の職場をクビになった時?センタ試験でマケグミになった時?それとも、貧しい家に性的マイノリティとして生まれついた事自体か? 8
2014-05-20 23:34:22もう、どうでもいい。自分が死んで悲しむ人間は誰もいない。こうして倒れていても、誰も手を差し伸べてはくれない。数時間もすれば、自分の死体は清掃車に拾われ、自分が生きていた証は完全に無くなってしまうだろう。サヨナラ、クソッタレのネオサイタマ。男は目010じ、意識は001遠の010 9
2014-05-20 23:39:310101101010100100サヨナラに対抗して…フトマラ!」彼のニューロンに、男の声が響き渡る。男は目を覚ました。雨も降っていない。血も出ていない。あれだけいた通行人もいない。そもそもここはネオサイタマですらなかった。 10
2014-05-20 23:57:21暗く狭い部屋。ハッテン・プレイスだ。男は直感した。ハッテン・プレイスとは、性的マイノリティの男性同士が出会い、前後するための場所である。彼はネオサイタマで、このような雰囲気を持つハッテン・プレイスを幾つか利用したことがある。 11
2014-05-21 00:05:50男は自嘲した。最期に見るのがハッテン・プレイスの幻覚とは。社会的に価値があるとされるものを何も持っていなかった自分には、結局性欲くらいしか残っていなかったか。ハッテン・プレイスの壁には掛け軸。そこには「不如帰」の文字がショドーされていた。 12
2014-05-21 00:13:14しかし、ハッテン前後行為の相手がいない。男はブッダの狭量さを恨みに思った。どうせ死ぬのだから、どうせならば複数人でのヨイデワ・ナイカ・パッション重点なハッテン前後行為の幻覚を見せてくれても良いだろうのに。男はため息をつき立ち上がると、ブッカケ・ミラーの前に立った。 13
2014-05-21 00:19:38そこには、貧相な体型をした自分の姿が映るはずであった。しかし、現実は違った。ブッカケ・ミラーに映っているのは、自分とは違い丸く太った全裸の中年男性!しかもその顔にはメンポを着用している!ゴウランガ!ニンジャ装束こそ着ていないが、まぎれもなくニンジャである! 14
2014-05-21 00:24:04「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」男は悲鳴を上げ、極限大失禁した。しかし鏡に映っている中年男性ニンジャの像は、消えることなくその場で腕を組み立っている。「グフフ、ドーモ、ハタケ=サン。ハダカ・ニンジャです」全裸中年男性ニンジャはアイサツをした。 15
2014-05-21 00:29:50男…ハタケはしかし、その全裸中年男性ニンジャにアイサツをせねばならないと思った。マケグミの更にどん底にいるようなハタケにも、日本人らしい奥ゆかしさは備わっている。「ドーモ、ハダカ・ニンジャ=サン。ハタケです」 16
2014-05-21 00:33:27そういえば、自分の服を奪い、死の原因を作ったのもニンジャであった。このニンジャはその仲間だろうか?いや、違う。ハタケの観察力は、この全裸中年男性ニンジャが、どちらかと言えば自分の仲間に近いということに気付いていた。相手の太り方に、ハタケは貧困の痕を見て取ったのである。 17
2014-05-21 00:37:48ハダカ・ニンジャの像は、ブッカケ・ミラーから右腕を突きだした。続いて左腕。鏡につかえるのではないかと思われるようなその巨体は、この両腕によってぶるんと鏡から抜け出し、ハタケの前に立った。後にはただ、割れたブッカケ・ミラーのみが残されている。 18
2014-05-21 00:44:01「ダンプに対抗して…チンポ!」メンポの奥でそう言ったハダカ・ニンジャの股間は、まるでバトルボンズが用いるボーのように巨大に屹立していた。ハタケは直感した。自分はこれから、このニンジャとハッテン前後行為に及び、ひとつにならねばならないと。 19
2014-05-21 00:50:27ハタケの視界が、ぐるぐると回転し始める。股間が屹立し始める。頭の中に声が響く。(((貧困に対抗して…男根!)))(((無職に対抗して…男色!)))(((ニンジャに対抗して…チンじゃ!)))(((ハタケ=サン、オヌシは何に対抗する))) 20
2014-05-21 00:56:34ハタケのニューロンが澄み渡っていく。自分が対抗したい物?(((オヌシは今からワシじゃ。ハダカ・ニンジャの力、あらゆる物に対抗する力)))あらゆる物に?ならば答えは一つだ。ハタケは…いや、新たなニンジャソウル憑依者は叫んだ。「ワシは!ネオサイタマに対抗する!」 21
2014-05-21 01:00:08彼は叫んだ。「ネオサイタマに対抗して…!」(((これがディセンションじゃ!ワシのニンジャソウルを喰らえ!!)))彼の尻に、恐ろしくも快い強大なエネルギーが注ぎ込まれる!「「ヌオオ~ッ!!ネオサイタマに対抗して…!!」」 22
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