S-Fマガジン 2014 オールタイム・ベストSF

『S-Fマガジン』創刊700号記念 '14 オールタイムベストSF
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natsu1985 @natsu1985

@funa1g 筒井作品はなんだかんだでずっと新潮文庫に入っているのが強いと思いますね。幅広い読者層を得ているはずです。「銀英伝」のように創元SF文庫に入って順位を上げている作品もあるように、出版環境に恵まれているか否かの差は大きいと思います。

2014-05-28 23:40:33
ふな @funa1g

@natsu1985 「兇天使」も復刊しましたしね。国内作家はそうした出版環境の影響が、海外に比べ大きい感じがします。短編版もみるともう少しはっきりするかもしれません。なかなか時間がとれないのですが、今週中には残り海外短編と日本短編の差分も出せればと思います。

2014-05-29 11:53:29
曽根卓 @sonesuguru

2014オールタイムベスト、あまり大規模な分析はできなかったが、国内長編部門各作品の初書籍化年を割り出し、年代ごとの偏りがあるかを調べてみた。

2014-05-28 03:20:21
曽根卓 @sonesuguru

シリーズもので年代をまたぐ作品は第1巻発表年を基準にしたので、たとえば現在発行中の『天冥の標』がゼロ年代扱いという、やや感覚的には不自然な場合もあるが、機械的に処理。

2014-05-28 03:23:15
曽根卓 @sonesuguru

またこの手法だとグラン・ヴァカンスと廃園の天使シリーズでゼロ年代には二票入ることになる。雪風〈改〉は、かなり迷ったが改稿に敬意を表しゼロ年代に。雪風シリーズの方は80年代に入れた。

2014-05-28 03:24:27
曽根卓 @sonesuguru

以下結果。30年代1作、50年代1作、60年代5作、70年代9作、80年代12作、90年代4作、00年代14作、10年代4作。第1世代作家が本格的に活躍し始めたのは60年代中盤であり、10年代がまだ4年弱しか経っていないことを考慮に入れると……予期した通り、90年代が少な過ぎる。

2014-05-28 03:30:58
曽根卓 @sonesuguru

90年代で50位以内に入った4作は、20位『ハイブリッド・チャイルド(90年)』、39位『MOUSE(96年)』、46位『チグリスとユーフラテス(99年)』、50位『言壺(94年)』。 「あのシリーズの途中巻や完結巻は90年代!」と強弁すれば多少増やせなくもないが、やはり少ない。

2014-05-28 03:44:06
曽根卓 @sonesuguru

では90年代の日本に良作SF長編が無かったのかというと、そうではなく、たとえば98年の50位以内に入った作品は、星界の紋章、終わりなき索敵、猶予の月、ヴィーナス・シティ、パプリカ、朝のガスパール、エイダ、バベルの薫り、アド・バード、完璧な涙。ちゃんと面白い本が出てはいたと思う。

2014-05-28 04:09:25
曽根卓 @sonesuguru

この差分(06年→14年にかけてベスト50から脱落した作品)、昨晩の年代区分に従うと、16作中半数に当たる8作までが90年代作品ということになる。

2014-05-28 22:25:13
曽根卓 @sonesuguru

「少し過去」が忘れられ易いだけなのか。現在の読者層と親和性が低いのか。絶対数が少ないのか。それとも、90年代日本SFは記憶に残る作品に乏しかった――かつて主張された「冬の時代」なる言葉が正しかったのか。次回のオールタイムベストに90年代長編が何本入るかを見届けて、結論を出したい。

2014-05-28 22:41:10
@sakanaga

@sonesuguru 作家登用傾向の変化によって、前回90年代系に投票した人がSFから離れ、SFMを買わなくなり、投票しなかった(その部分が新しい読者=投票者に差し替わった)とかも想像できませんか。

2014-05-28 22:51:18
曽根卓 @sonesuguru

@sakanaga かも知れませんが、それだとやはり70、80年代の作品が多く残ってるのと比較すれば、90年代が特異だということになる気が。「70年代からSFMを読み始めた人」「80年代から読み始めた人」に比べ「90年代から読み始めた人」が余り残らなかったということなので。

2014-05-28 23:07:52
曽根卓 @sonesuguru

90年代忘却現象の直撃を喰らった作家もいる。長編『星界の紋章』5位(98年)→22位(06年)→圏外(14年)。短編「スパイス」29位(98年)→23位(06年)→圏外(14年)。かつては日本SFの救世主と称された。書かれた作品自体が変わった訳ではないのに、時流というものは……。

2014-05-28 23:31:24
natsu1985 @natsu1985

「グラン・ヴァカンス」を除いて、票を伸ばしてるのは全て実質80年代作品。この傾向は海外にもあって、長篇で「ニューロマンサー」「新しい太陽の書」(「星を継ぐ者」も邦訳は80年)、短篇で「ブルー・シャンペン」「鏖戦」が大幅躍進。

2014-05-28 23:08:21
natsu1985 @natsu1985

作品ごとに浮沈の差はあれど、個人的にはやはりこのあたりの読者層が発言力を増しているのではないかと予想するのですが(そこらへんは次号の詳細分析で明らかになる筈)。もちろん世代が一回りしてこれらの作品が、古典として箔が付いてきたというのもあると思います。

2014-05-28 23:24:51
natsu1985 @natsu1985

前回より得点を上げた作品、「日本沈没」を見落としてた。やはり震災の影響で思い出した人が多かったかと。小松左京では「地には平和を」「物体O」も躍進。

2014-05-29 18:17:29
natsu1985 @natsu1985

ATB国内短篇部門、怒涛の新作ラッシュの合間を縫って顕著な伸び率を示しているのが「ラギッド・ガール」「老ヴォールの惑星」「処刑」「地には平和を」「デュオ」「漂った男」「メシメリ街道」。前回初登場の飛・小川作品が二本ずつ上昇、星・小松・山野作品が再浮上。

2014-05-29 19:31:48
natsu1985 @natsu1985

「ラギッド・ガール」は前回短篇集未収録だったので、今回ようやく正当な評価を受けた形。「処刑」は「日本SF全集」、「メシメリ街道」は山野浩一傑作選や「日本SF短篇50」で再び光が当てられた影響か。「地には平和を」は硬質なタッチの歴史改変小説ということで再評価されたのではないかと。

2014-05-29 19:44:29
natsu1985 @natsu1985

逆に圏外落ちは多く、「太陽の簒奪者」「ハイブリッド・チャイルド」は長編の一部なので淘汰もやむなしだが、新井素子が「グリーン・レクイエム」「ネプチューン」とも消えたのは意外。「時尼に関する覚え書」「スパイス」など、ある時期までのハヤカワSF短篇集のイメージを形作った作品が多数退場。

2014-05-29 20:03:43
natsu1985 @natsu1985

淘汰を越えてしぶとく生き残っている作品には、ワン・アンド・オンリーな作風のものが多いかな。「踊るバビロン」「西城秀樹のおかげです」「見果てぬ風」とか。「踊るバビロン」は今なら「皆勤の徒」とも読み比べてもいい。

2014-05-29 20:13:45
natsu1985 @natsu1985

新たにランクインした作品のうち、クラシックを除いた17篇を初出で分類。SFマガジンが8 、NOVAが3、創元短篇賞関連2、異形コレクション1、新潮1、短篇集書き下ろし1、SFオンライン1。

2014-05-29 20:36:50
natsu1985 @natsu1985

(続)後に年刊傑作選に採られたのが5、ゼロ年代SF傑作選に1、ゼロ年代ベスト集成に3で、「自生の夢」はSF短篇50に収録。詳細は省くがベスト50全体を見渡しても、近年のSF系再録アンソロジーに収録された率は24/51。いかにこの手の傑作選が指標になっているかが分かろうというもの。

2014-05-29 20:58:25
山岸真 @ymgsm

@natsu1985 一方、「ネプチューン」「銀河ネット…」「永遠の森」「大いなる正午」「見果てぬ風」「ハイウェイ惑星」は日下全集や短篇50収録ながら、前回20,30位台だったのが今回50位圏外かぎりぎりで、おや?と思いました。(でもそこから今回の投票傾向が読める感じでもない)

2014-05-29 21:18:44
natsu1985 @natsu1985

@ymgsm 下位のほうは1,2票差で順位が大きくひっくり返るので非常に微妙ですね。基本的に今回投票数が底上げされているので、得票数があまり変わらなくても順位が落ちていることもありますね。

2014-05-29 22:58:06
natsu1985 @natsu1985

前述のとおり、新作の傑作選再録率は10/17ですが、残りの7本が全て短篇集表題作であることに気づいた。ということで表題作率も調べてみると、国内が33/51、海外が日本語版の短篇集とアンソロジーに限ると、25/50…でおそらく合ってるはず。やはりこちらのファクターのほうが大きい?

2014-05-29 23:05:00