巴マミは、引き継がれる

『魔法少女まどか☆マギカ』TVアニメ第3話,あるいは『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 『[前編]始まりの物語』で倒れたマミ。マミの死後,鹿目まどかと美樹さやかは,それぞれマミの異なる側面を引き継ぎ,物語は続いていきます。このことに関して雪踏駄さん( @H926 )が投稿された内容をまとめました。
13
雪見バーガー @H926

まどかがマミさんの家で泣くのには、マミさんが特別だったからこそ抱えてた色んなマイナスの面に、気づくことなく憧れてしまったことへの申し訳無さっていうのもあった気がするのだよな。自分がマミさんと一緒に戦うと言った時、マミさんがあんなに喜んでくれた理由が、あの時は分かっていなかった。

2014-05-31 00:06:26
雪見バーガー @H926

誰に褒められることもなく1人ぼっちで戦い続けて、いつか魔女に負けて酷い死に方をして、誰に知られることもなく、ただ世界から忘れ去られていく。無人のマミさんの部屋でまどかが感じるのは、マミさんが恐れていたであろう、そうなりたくなかった孤独な終わり方だ。

2014-05-31 00:17:18
雪見バーガー @H926

まどかは、魔法少女になるとマミさんに言った時には想像もしていなかった、こんな恐ろしくて悲しい終わりを知ったからこそ、マミさんがまどかの申し出をどれだけ嬉しいと思ったのかも理解する。まどかが傍にいるならばもうこんな孤独な終わりは来ない、「もうなにも怖くない」と信じられたのだろうと。

2014-05-31 00:27:54
雪見バーガー @H926

でも実際にはまどかは何もできず、マミさんは終わりを迎えた。今更マミさんがどんな恐怖を抱え、自分に何を求め期待していたかを理解しても間に合わないし、それどころか、理解してしまったが為に、魔法少女になることが怖くてもう出来ない。マミさんが耐えていた怖さに耐えられない自分の弱さに泣く。

2014-05-31 00:35:47
雪見バーガー @H926

まどかは、マミさんを、その抱えていた恐怖を本当の意味では理解できないまま受け入れようなんてしていた自分の浅はかさと、理解してしまったら受け入れられない自分の弱さを知って、泣き、謝るのだ。自分はマミさんをあれ程に喜ばせ、期待させ、それに応えられるような人間ではなかったのだと。

2014-05-31 00:45:56
雪見バーガー @H926

だが、まどかは自分の無力をただ泣き謝るだけではなく、自分にできる事を出来る範囲で行う。「私は覚えてる」 「マミさんのこと、忘れない。絶対に」。それは、本来の魔法少女の終わりに対する、些細な、しかし大きな抵抗。「そう。そう言ってもらえるだけ、巴マミは幸せよ。羨ましい程だわ」

2014-05-31 00:54:52
雪見バーガー @H926

「誰にも気づかれなくても、忘れ去られても、それは仕方のない」魔法少女の終わりへの、「覚えてる」「忘れない」というまどかの抵抗。それに対するほむらの言葉は嘘偽りなく真実であり、マミさんの戦いも終わりも、まどかが記憶する限り孤独に沈むことはない。それは1つの救いだ。

2014-05-31 01:08:56
雪見バーガー @H926

円環の理が魔法少女の救いであるのって、「誰にも気づかれなくても、忘れ去られても仕方のない」魔法少女のことを、いつも見てくれていて、ずっと憶えていてくれる存在だからなんじゃないか、逆にそんな円環の理のことを憶えていてくれるほむらは円環の理の救いなんじゃないか、みたいなことを、こう。

2014-05-31 01:18:19
雪見バーガー @H926

4話のまどかの 「私は覚えてる」 「マミさんのこと、忘れない。絶対に」 と、最終話のほむらの (それを、覚えてる) (決して、忘れたりしない) は対になってるような印象なのです。

2014-05-31 01:25:05
雪見バーガー @H926

同じようにマミさんの最期を見て同じようにブレーキを踏んだ後で、まどかは踏み止まり、さやかはアクセル踏んじゃうという違いは、勿論願いの有無が1番大きな要因なのだろうけれど、まどかは無人のマミさんの部屋を見ていて、さやかは見ていないというのもあるのかなーと思う。

2014-05-31 15:10:23
雪見バーガー @H926

まどかが、誰もいないマミさんの部屋で、物理的な死とは別の、「みんなのためにずっと一人ぼっちで戦ってきた人なのに、誰にも気づいてもらえない」「永遠に行方不明者」となっていずれ忘れ去られる魔法少女の終わりを、その恐怖を実感したのに対して、さやかはそういうのをどこまで理解していたのか。

2014-05-31 15:16:52
雪見バーガー @H926

自らを人魚姫に例えてしまったくらいだから、理解していて尚、だったのだろうか。

2014-05-31 15:18:33
雪見バーガー @H926

巴マミというキャラの重みが退場後も大きくなっていくのには脚本・構成の妙もあって、まどかが感じる魔法少女の最期への恐怖や、さやかが震える戦闘への恐怖、それらに苦しみ耐えての成果を誰にも分かって貰えない言えないさやかの辛さっていうのが、巴マミのそれを想起させるからなんですな。

2014-05-31 17:37:02
雪見バーガー @H926

「もう何も怖くない」とは、つまりそれまでは怖かったということで、巴マミが何を怖がっていたのかというのは、その死後のまどかの目やほむらの言葉を通して描かれる。そしてその恐怖に耐え、見返りも他人からの評価もなく孤独に戦うことがどれほど辛いかというのは、さやかの姿を通して描かれる。

2014-05-31 18:04:36
雪見バーガー @H926

巴マミのキャラクターが退場後に補強されるというのは、視聴者にとってだけではなく、まどかとさやかにとってもそうで、しかしそれは彼女らの巴マミ像を正反対にしていく。まどかの中での巴マミが内に孤独や恐怖を抱えていた等身大の人間に近づいていくのに対して、さやかの中のマミは神格化していく。

2014-05-31 18:27:36
雪見バーガー @H926

マミさんも抱えていたであろう魔法少女の怖さや苦しさ。それは身をもって知れば知るほどに辛く、真っ当な方法ではさやかには乗り越えられない程に困難な戦いだ。それを華麗にこなし、笑顔だけを自分達に向けていたマミさん。水面下でどれだけのことに耐えていたかも、魔法少女さやかには想像できる。

2014-05-31 18:56:44
雪見バーガー @H926

自分が耐えられなくなりそうなことに耐え、自分には出来ないことを華麗にこなして見せていたことがわかるからこそ、魔法少女になったさやかにとっての巴マミというのは神格化されていくのだ。

2014-05-31 18:59:13
雪見バーガー @H926

さやかちゃんが魔法少女になって、マミさんと同じ立場になった時に感じたであろうことへの個人的なイメージって、これ。「マミさん、こんな辛いことを一人でしてたんだ。マミさん…!」 twitpic.com/e55hhf

2014-06-01 00:54:12
拡大
雪見バーガー @H926

同じことをする立場になって、初めてその人の凄さがわかるっていう。逆に、外から見ないとわからないことっていうのも勿論あるのだけれど。本編周回では、まどかが見たマミさんの涙をさやかが知らないように、さやかが実感として覚えるマミさんの凄さ強ささというのをまどかは知らない。

2014-06-01 01:06:03
雪見バーガー @H926

杏子のマミさんへの評価っていうのも、コンビを解消して1人で戦っていく中で変わっていったと思う。家族を喪い、1人孤独に魔法少女として戦い続けるという境遇の中で、同じ境遇のかつての巴マミは、どうやってあんな正義の味方なんてカタチに辿り着いたのかっていうのを、嫌でも考えさせられて。

2014-06-01 01:26:07
雪見バーガー @H926

さやかや杏子のマミさんの評価や一種の神格化というのは、同じ立場に置かれた時の自分と比較したからこそなのではないだろうか。自分には出来ない、選べないことを成し遂げる、叶わない理想が具現化したような存在。

2014-06-01 01:49:26
雪見バーガー @H926

1人孤独に戦うという点ではほむらもマミさんや杏子と一緒なのだけれど、まどかを救うという目的の為に戦っていたループ中のほむらには、願いの為でなく戦うマミさんや杏子の抱えているものは理解できなかったかもしれない。でも改変後世界になって、ようやくそれを理解したかもしれない、という妄想。

2014-06-01 01:52:52
雪見バーガー @H926

まどかは基本的に1人で孤独に魔法少女をやるという状況がないので、さやかや杏子のように、自分と比べてマミさんを神格化するようなことはなさそう。でも、1周目の特攻や、本編周回の概念化の際のような、1人きりでの戦いに挑む時にはマミさんのことが頭をよぎったかもしれない。

2014-06-01 02:01:10
雪見バーガー @H926

本当は寂しがり屋で泣き虫だけど、それを笑顔で隠して皆のために戦ったマミさんをまどかは知っているから、そんなマミさんを思い出して、同じように笑顔で色んな物を覆い隠して飛んだのではないか、という妄想。

2014-06-01 02:05:52