提督に着任したブルー・マグノリア長編　第二話「アサルト・グリーン」

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「#蒼い鳥」　第二話「アサルト・グリーン」

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こんにちは！または、こんばんは？ 当鎮守府の秘書艦をやらせて頂いている、 駆逐艦「五月雨」っていいます！ #蒼い鳥

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私と提督が着任してから仲間も増え、 それなりの戦果も挙げられるようになってしばらく。 提督はすごい"せんじゅつがん"の持ち主で、 少なくとも鎮守府周辺にはもう敵無しです。 #蒼い鳥

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それから、大本営に居る（らしい）提督のお友達の方とも、 少しずつですが連絡が取れるようになってきました。 で、その内容はと言うと… #蒼い鳥

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『あぁマギー、最近着任した艦娘の一覧を見たが… 　吹雪、電、叢雲、漣って初期艦全部揃ってるじゃねーか！ 　加えて初軽巡が北上って運良すぎだろお前ェ！！』 「知らないわよ！なんであなたに文句言われなきゃならないの！？ 　右も左も解らないで戦ってる私の身にもなりなさい！！」 #蒼い鳥

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『俺はいつでもその状態でしたけど！ 　意味不明な理由で何度も消されかけたんですけど！？』 「あなたが無駄に目立つからいけないんでしょ！？」 …ずっとこんな調子です。仲がいいんですね… #蒼い鳥

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そういえば、お聞きの通り「北上」という方が艦隊に加わりました。 当鎮守府の所属としては初の「軽巡洋艦」です。 さすが軽巡！駆逐艦では出来ないことを平然とやってのける！ そこに痺れる憧れるぅ！…のですが…　#蒼い鳥

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「駆逐艦？…あぁ、うざい」 #蒼い鳥

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この通り、どうにも私達が嫌いなようで。 前に居た鎮守府には姉妹の方が多く所属していたとのことで、 今回の転属で大きく環境が変わったのが原因みたい。 私達としては仲よくしたいと思うのですが… #蒼い鳥

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「…大井っち…今頃どうしてるかなぁ…」 #蒼い鳥

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「こんな所に居たのね、北上」 「提督？」 「…その…『おおい』、というのは、あなたの知り合い？」 #蒼い鳥

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「えぇ、まぁ。ここに来るときに別れちゃったけど」 「そう…残念だったわね。こんな辺境に飛ばされて」 「…可愛い顔して、提督ってば意外と辛口なのねー」 「はは、可愛いなんて言われたのはいつ以来かな… 　そうね、ずっと戦場で生きてきたから。こんな口しか利けないのよ」 #蒼い鳥

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「まぁ、あれよ。慣れない場所で慣れない仲間で、 　小さいのがちょこまかと鬱陶しいかも知れないけど。 　みんな心配しているのよ？北上のこと… 　なんだか、いつも寂しそうにしてる。私達がなんとかしなきゃって」 #蒼い鳥

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「…駆逐艦は、嫌いだよ」 「そう言わないの。背中を預けられる仲間がいるってこと、忘れないで。 　私は…最後の最期で、あいつにも……通信が入ったみたい、ちょっと出てくる」 #蒼い鳥

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『こ、こちら第一艦隊の電なのです！』 「どうしたの？何かあった？」 『新しい海域に偵察に出たのはご存じの通りなのですが… 　私達じゃ対処できないクラスの敵艦です！至急応援を願うのですっ…！』 「分かった、すぐにでも！」#蒼い鳥

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『こ、こちら第一艦隊の電なのです！』 「どうしたの？何かあった？」 『新しい海域に偵察に出たのはご存じの通りなのですが… 　私達じゃ対処できないクラスの敵艦です！至急応援を願うのですっ…！』 「分かった、すぐにでも！」#蒼い鳥

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「…状況は知っての通りよ。いけるわね？北上」 「わ、私は良いけど、艤装がまだ修復中じゃ…」 「大丈夫。さぁ、工廠へ行って」 「工廠…？」 #蒼い鳥

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「あなたになら出来るはずよ。もう分かってるでしょう？」 #蒼い鳥

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―　南西諸島防衛線　― 「…あれが戦艦クラスか、流石に硬いね…！」 「どうしよう！？私達の兵装じゃ、ダメージが通らないよ！」 『ル…ルルル…ルル、ル、ルルゥ…』 #蒼い鳥

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「提督がすぐにでも応援を出すと言ってくれたそうです！ 　今は無茶をしないで、体勢を立て直すのに集中して！」 「…そんな、悠長な事…言ってる場合じゃないのよ！！」 「あーあー、ちょっと叢雲さーん？ROMれって話聞いてませんでしたー！？」 #蒼い鳥

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（機動力じゃ勝ってるのよ…当たらなければ、どうということは！） 『ルルゥッ！』 甘い、とでも言わんばかりに、深海棲艦・戦艦ル級が唸った。 取り回しに優れる副砲がたちまちに叢雲を捕捉し、 「なっ…」 半秒後、凄まじい破壊力が彼女の意識を揺さぶった。 「があぁっ！」 #蒼い鳥

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『ルルルルル…ルルルオォォ―――ッ！！』 生物的な意匠が蠢き、全砲門が展開する。 …分かり易い程の殲滅形態、一斉射撃の合図だ。 #蒼い鳥

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「叢雲ちゃんっ…！」 「五月雨！？あーもー、どうしてこの艦隊にはROMれない連中ばかり…！」 早急に叢雲を回収して、何としてでも直撃だけは避けなければ。 そうだ、今は耐えるだけでいいんだ、みんなで集まって防御に集中して、 足の速さで引き離して、距離を保って、それで… #蒼い鳥

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それで、どうなるのか？ 後方の敵部隊はとっくに再展開されているだろう、 増援がそれに捕まっていたらどうする？ 現に誰かが近付いてくる気配などどこにもない、 このままでは、どのみち長くは保たない。 #蒼い鳥

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「…それでも」 「命は、助けたいのです！五月雨ちゃんっ！」 「はい、一緒にッ！」 飛び出した五月雨と電の10cm連装高角砲が、 ル級の黒光りする装甲板にほんの少しだけ穴を穿った。 小さな反撃を嘲笑うように砲口が滑り、第一艦隊を照準していく。 #蒼い鳥