[福島小児甲状腺がんの「識別可能な増加リスク」を認めた国連科学委員会2013年報告書の重要性について（２）]

cyborg001 @cyborg0012

したがって、一般公衆や後世代に対する識別可能な健康影響リスクの増大は（子どもの甲状腺がん以外には）見込まれない（UNSCARE2013, pp. 8-10, 252） 。

cyborg001 @cyborg0012

原発作業員については、12人の作業員が甲状腺に2Gyから12Gyの被曝を受けたと評価される。彼らに対しては甲状腺癌や他の甲状腺機能障害の増加リスクが予測される（UNSCARE, p. 11）。

cyborg001 @cyborg0012

また160人以上の作業員が現在まで100ミリSv以上の実効線量被ばくを受けた。将来、彼らの癌発症リスクは増大すると予想される。ただし、通常の統計学的変動を考慮すれば、この規模の集団における癌発症の増大は識別可能なものにはならないであろう（同上, p. 11）。

cyborg001 @cyborg0012

その他、詳細な健康影響については、UNSCARE2013のAppendixE (Health Implications for the Public and Workers)で議論されている。

cyborg001 @cyborg0012

成人癌、小児白血病など、すべて「理論上は僅かな増加リスクがありうるが、識別可能な増加として把握できるまでのレベルではない」（UNSCARE）との予測が付けられている。 pic.twitter.com/MYL7g3aAM2

拡大

cyborg001 @cyborg0012

乳癌、胎内被曝による小児癌についても、「僅かに増加するかもしれないが、識別可能なレベルではない」との定型文が付せられている（UNSCARE, 2013, p. 254）。 pic.twitter.com/VnnJWghYQm

拡大

cyborg001 @cyborg0012

これらの予測は、すべて線量評価の根拠が不明であり、かつリスク評価においてもバイアスが多い。この点に関しては、何よりもUNSCAREの科学的独立性、中立性、客観性に対する決定的欠如を指摘しなければならない。

cyborg001 @cyborg0012

UNSCAREは「放射線の有効利用」に権益をもつ放射線物生物者や核物理学者で構成されており、彼らは報告書でもそうした関心が透けて見える記述が散見される。何かと、自然放射線と比較したがる彼らの議論にも、ウンザリさせられる。 pic.twitter.com/gOcqbZM0IZ

拡大

cyborg001 @cyborg0012

上図のように、彼らは胎児に対する放射線影響に関心を示さないだけでなく、人体に対する放射線の遺伝的影響についても「エビデンスが完全ではない」と否定している（以下図）。 pic.twitter.com/XXPjye3KKX

拡大

cyborg001 @cyborg0012

オクスフォード産科学調査（08年）によれば、10mGyのＸ線胎内被曝によって小児白血病が有意に増加し、固形癌も40%増加する（相対リスク1.4）と評価している。しかし、UNSCAREはABCC調査を盾に50ミリGy以下での有意な被曝影響を認めていない（同上 p. 248）。

cyborg001 @cyborg0012

また、UNSCAREは、セシウム137の内部被曝について大人と子供の放射線感受性の相違を認めていない。彼らが子どもの放射線感受性を認めるのは、放射性ヨウ素のみである。 pic.twitter.com/bqBDDbFBEj

拡大

cyborg001 @cyborg0012

こうしたUNSCAREの問題点を挙げればキリがない。同様の観点から、HumanRightsNowさんらが2013年10月24日にプレス・リリースを発表し、異議申し立て、および報告の見直しを求めている。

cyborg001 @cyborg0012

以下参照。 「国連科学委員会に対する声明－日本の市民社会は、国連科学委員会の福島勧告の見直しを求める」hrn.or.jp/activity/topic…

cyborg001 @cyborg0012

これら深刻な問題や欠落があるものの、UNSCAREが福島の子どもの甲状腺被曝についてよりシビアな評価を行い、小児甲状腺癌の「識別可能な増加リスク」に公式見解として言及した意義も、やはり冷静に見ていく必要があるだろう。

cyborg001 @cyborg0012

また、UNSCARE報告書では、原発作業員を除く一般公衆の病気については、小児甲状腺がん以外「被曝による識別可能な病気の増加は予想されない」としているが、これは「甲状腺癌以外の健康被害は生まれない」との予測ではない。前者の含意を正確に汲み取るべきであろう。

cyborg001 @cyborg0012

いずれにせよ、WHO報告書、さらにこのUNSCARE報告書によって、日本政府や福島県に対しては、将来生まれると予想される被害者の救済、および予防的措置に全力で努める厳しい責任が改めて課せられた。

cyborg001 @cyborg0012

彼らは、これら国際機関の予測を深刻に受け止める必要があるだろう。

cyborg001 @cyborg0012

Reference1 pic.twitter.com/5EynpZJnOi

拡大

cyborg001 @cyborg0012

Reference2 pic.twitter.com/WVHzfgzmkc

拡大

cyborg001 @cyborg0012

長い連投ツイート、失礼いたしました。