日本ロケット協会の理事会＆特別講演会：ウェザーニュースの場合

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

今日は日本ロケット協会の理事会＆特別講演会。今回の特別講演は、（株）ウェザーニュース取締役の山本雅也さんで、「衛星のビジネス利用と発展への期待」。天気予報の会社と思われがちだけど、気象に起因するリスクコミュニケーションが業務内容とのこと。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

扱うリスクが地球規模なため、衛星を利用する場面が多い。地球観測と通信の両分野とも。リアルタイム性が重要だが、既存の地球観測衛星は使い物にならない。なので自前の超小型衛星を保有して自立しようという動きを2003年くらいから始めたらしい。これ初のCubesatが上がった年じゃないか。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

気象に起因するリスク管理の業務は幅広くて、例えば花粉飛散状況のリアルタイム情報提供なんてやってるのね。知らなかった。 weathernews.jp/pollen/#//c=0

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

2005年くらいから、北極海航路が注目され始めた。海運会社から海氷情報の需要が出て来たが、当時は画像情報１枚で1000万円以上したらしい。それ20枚分くらいで超小型衛星なら上がるんじゃないの？という発想でプロジェクトがスタート（2008年）。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

2008年にスタートしたのに、打上げ（2013年）まで何故5年もかかったのか。さあ、ここから「日本のロケットは情けないんじゃないか」という話題の始まりです（ガクブル）

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

海氷観測を目指して去年打上げられた衛星は、残念ながら故障のためミッション変更。海氷観測のために二号機を来年の夏に上げたい。海運会社からの海氷情報に対する需要は増える一方らしい。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

現在、ロシアから航行許可を得ている船舶は500隻だけど、実際に航行出来ているのは50隻くらい。海氷パイロットの乗船と砕氷船の同行が必要なため、航行数を増やせないらしい。ロシアとしても航行数を増やしたいので、海氷情報を欲しがっている。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

台風の気圧分布、今は全然測ってないらしい（意外）。ひまわり画像を過去の事例と見比べて見積もってる。日本に近付くと急に中心気圧が変わったりするのは、実はこれが原因。台風情報は海運会社からの需要が多いので、海面高度を観測して気圧分布を計測する衛星を計画中。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

衛星を活用する上での課題は、コスト、各種制約、打上げ手段、周波数の確保、不透明な第三者賠償。周波数は皆さん苦労してますよね。どうせ衛星の可視時間は限られてるのだから、皆で同一周波数をシェアすればいいのに（これ全く賛成）。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

現時点で超小型衛星の軌道投入手段はピギーのみ。本当はモルニア軌道へ行って極域上空の滞在時間を長くしたいのだけど、ピギーでは絶対にモルニア軌道へなんて行けない。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

小型衛星の打上げに関しては海外の打上げ手段に頼らざるを得ないけど、打上げ国の政治状況に影響される、輸出規制、輸送等、問題が多い。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

初号機は、当初は円軌道へ投入される予定だったが、打上げの二ヶ月前に「切り離しの順番が変わったよ」と連絡が有り、600 km − 900 km の楕円軌道になってしまった。お陰で遠地点が高くなった分だけ放射線環境が想定より厳しくて、その影響で打上げ間もなく故障したらしい。

Nagata Harunori／永田晴紀 @nagataharunori

打上げの二ヶ月前に勝手に投入軌道を変更されるとか、これこそ正にピギーの悲哀（無料で乗ってるわけじゃないのにねぇ）。超小型衛星用の打上げ機、早く作らんとなあ。。。