『悪い運命に抗う扶桑』第2話「発現」
- tiyodadayo
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寮母さんが話しだしたのは座学でも習うことだった 「ええ、だから私達は『艦娘』として招集されました」 金剛さんと顔を見合わせてそう答える
2014-06-07 02:05:25「じゃあ・・・『人』と違う因子を持つ『艦娘』、その『艦娘』の中にもさらに違う因子を持つ者がいるとしたらどうなると思う?」 「寮母さん・・・まさかあの二人は・・・」
2014-06-07 02:08:16「ああ、私もここはもう長いからね・・・ そんな子を幾人か見てきたのさ 突然その『因子』が発現し今回の山城や榛名のようになる。上の連中はこれを『鬼』と呼んでいる」 私と金剛さんは・・・思わず息を飲んでしまった
2014-06-07 02:09:24「ああ、金剛も見ただろ 人でもなく艦娘でもない異質な力を・・・そして・・・そんな御しきれない『鬼』を上の連中はどうすると思う?」 「まさか・・・今日見たあの制服の方たちは・・・」 「そうさ。完全に覚醒する前に消してしまおうとする あいつらはそう言った掃除屋さ」
2014-06-07 02:11:43「慌てなさんな 最近は上の連中も少し考え方を変え始めてね 増大する深海の連中を相手にするのに貴重な艦娘を消す訳にもいかず 多くの失敗の末なんとか制御する方法を見つけ出したのさ」
2014-06-07 02:15:10お前たちは生駒のことは知っているね?」 「生駒さん・・・?たしか先日、他の艦娘を護る為に身を挺して深海棲艦の攻撃を受けて轟沈したっていう・・・?」 「それはあくまで表向きさ。 あの子は、生駒は『鬼』を制御する為の術式を受けた子だ 生駒を以て制御技術は『ほぼ』完成した・・・」
2014-06-07 02:17:00「ただ・・・完成形の試作という意味では・・・まだ完璧ではなかった。 きっかけは分からないが御したはずの『鬼』が戦闘時に時折発現したんだ。だから上の連中は生駒を見殺しにしたのさ」 「そんな・・・!?」
2014-06-07 02:17:42私達の中では生駒さんは友軍を護る為に轟沈した『英雄』として語られていた それだけに・・・その事実は・・・あまりにショックだった
2014-06-07 02:17:57「二人にはショックな話かもしれないがね・・・ただ・・・生駒から得られたデータでさらに改良が加えられた術式は完璧だという話だ 榛名と山城にはそういった術式が施されるはずだ」
2014-06-07 02:20:07「寮母さん・・・貴女は一体・・・?」 あまりに多くの新事実に私は知らず唇を開いた 寮母さんは・・・寂しそうな目で・・・悔いるように呟いた 「あたしかい?あたしは・・・かつてその『鬼』を狩る事を専門にしていた艦娘さ・・・」
2014-06-07 02:21:38騙城作『悪い男に騙される山城』『悪い男に騙されない榛名』外伝 『悪い運命に抗う扶桑』 第二話「発現」 了 ※次回の更新は追ってご連絡致します
2014-06-07 02:22:34