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【4万ツイートオー記念】「レイジ・アゲインスト・トーフ」#1「スシ・バー」・再放送2回目Ver(実況なし)

ツイッター連載小説"ニンジャスレイヤー 第1部 「ネオサイタマ炎上/Neo-Saitama in Flames」"より @njslyrによる再放送「レイジ・アゲインスト・トーフ」#1「スシ・バー」2回目のまとめ(実況なし) ワッツ?再放送2回目とかまとめても仕方ない?コラッ(後光) 続きを読む
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NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
◆海老◆!40000ツイート記念!◆桜餅◆
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親愛なる読者の皆さんへ:ドーモ、翻訳チームです。今回、当アカウントはツイート開始からめでたく40000ツイートが達成されたことを、ここに宣言します。

(編集注:これに関連してなんか色々イベントとか告知があった。詳細は自らの手で釣り上げスシを作って欲しい)

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◆寿司◆最後に、スシを記念し「レイジ・アゲンスト・トーフ」の導入部「スシ・バー」を再放送します。これはニンジャスレイヤーという壮大なサーガの中で、極めて初期に書かれた記念碑的セクションです。では、フォローしたばかりの貴方も、ネオサイタマにダイヴする準備を整えてください◆棒◆

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第1部「ネオサイタマ炎上」より 「レイジ・アゲンスト・トーフ」 セクション1「スシ・バー」
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今宵もネオサイタマに髑髏のような満月が昇り、汚染物質を大量に孕んだイカスミのような黒雲がそれを覆い隠していた。色褪せたケブラー・トレンチコートを重金属酸性雨に濡らしながら、その三十がらみの下層労働者は、「や」「す」「い」「!」と書かれた無人スシ・バーのノレンをくぐる。
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無人スシ・バーは、ネオサイタマで最も典型的なファスト・フードのひとつだ。老人たちが好む古き善き回転スシ・バーのような笑顔や暖かみは無く、かといって、若者たちが好むドンブリ・ポン社のチェーン店のような無軌道な騒々しさもない。無人スシ・バーには、人との関わりに疲れた男たちが集うのだ。
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ここがドンブリ・ポン社の丼屋であれば、ドアを開けた途端、アンチブディズム・ブラックメタルバンド「カナガワ」が奏でるBPM350のファスト・チューンが耳に飛び込んでくるだろう。だが、この典型的無人スシ・バーには、電子合成された雅楽の音と竹筒のカコーンという音しか流れていない。
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ケブラー・トレンチの男は、左右を見渡して席を探した。ノレンから一歩足を踏み入れれば、そこはもうカウンターで、四十人からの下層労働者やマケグミ・サラリマンたちが一列になって固定式の椅子に座っている。俗に言う、ウナギの寝床と呼ばれる横長の店構えだ。奥行きは、1メートルあるかないか。
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店の一番奥、不潔なトイレの横にひとつだけ空席があった。客の背中に肩をぶつけながら、トレンチの男はウナギの寝床を進んでゆく。店内には「ちょっと失礼します」の一声を奨励する張り紙があるが、彼はそれを省みようとせず、オジギさえもしない。この男には、どこか捨て鉢なところがある。
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「痛えな、あんた」夜なのにサングラスをかけたマケグミが、トレンチの袖を引っ張った。男はキリストのようにやつれた顔で振り向き、カール気味の髪の奥で、鉛色に濁った眼を光らせた。コートの袖に隠れていた旧式サイバー義手がちらつくと、恐れをなしたマケグミは一礼をしてカウンターに向き直った。
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喧嘩をする気にもなれない……下層民同士で潰し合って何になるんだ。フェイク漆が塗られた貧相なチェアに腰を下ろしながら、トレンチの男は心の中でひとりごちた。店内に流れる「イヨォー」という乙な電子音声とツツミの音で、ささくれ立った心を慰めながら、トレンチの男は目の前の白壁と向かい合う。
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無人スシ・バーでは、すべての席が孤立しており、横の席との間にはヒノキ板の仕切りが立っている。この板を越えて話をすることは、基本的にはマナー違反だ。客が見るのは、手元のスシと、目の前にある墨絵の描かれた白壁だけ。まさに、スシのための完璧なワビサビ空間がここにあるのだ。
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男はサイバー義手を備えた右手をポケットの中に突っ込むと、ぎこちない動きで三枚の百円玉を取り出し、それをカウンターの上に置いた。無人スシ・バーにイタマエはいない。男は眼前の壁に開いた小さなスリットに百円玉をひとつ滑り込ませ、墨絵のトラの目が光ったのを確認してから、低い声で呟いた。
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墨絵の龍が描かれた箇所がからくり扉のように開き、何の人間味もないメカ・アームに運ばれて、皿に乗ったタマゴの握りが姿を現した。男が皿を取ると、パタンとしめやかに扉が閉じる。
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男はカウンターに置かれた古風なショーユ瓶に目をやる。それから、義手の右手と生身の左手を交互に見比べ、結局左手でショーユ瓶を掴み、タールのようにどす黒い液体をタマゴにかけた。
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旧式サイバー義手は力の加減ができず、繊細作業に向いていない。その上、重金属酸性雨に弱く、維持に金がかさむときている。とんだ負債を背負ってしまったものだ。男には溜息を吐く気力も無かった。何の感慨もなく、左手でタマゴ握りを口へ運ぶ。そして百円玉をもうひとつ、スリットに滑り込ませた。
NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
墨絵の壁がパカリと開き、表面が七色に光り輝くうまそうなマグロの握りが現れる。男はこれも淡々と口に放り込む。 百円玉はあと1枚しかないが、今月はあと十日もある。男は少々迷ってから、スリットにコインを滑り込ませ、低い声でつぶやいた。
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男の頬は痩せこけ、瞳はかつての輝きを失っている。天然マグロの目のように淀んでいる。墨絵師として身を立てるという彼の夢は、大方ついえたところだ。彼は業界最大手のサカイエサン・トーフ工場で働きながら墨絵の研鑽を続けていたが、トーフプレス機で右手を失ってから、すべてが狂ってしまった。
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