青猫堂との会話002

シャオイー(小伊) @applex002

@Maksim_xxxxx 『やぁ、失礼するよ』正装に身を包んだ厳格な顔つきの中年男性が塔の扉をくぐる。傍に侍らせた二匹の黒い大型犬は建物の中に入り日の光が当たらなくなると空気に溶けるように姿が見えなくなった

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@Maksim_xxxxx 使用人らしき青年の姿を見つけると、その厳つい顔つきからは想像がつかないほど柔和な笑みを浮かべた。『どうもありがとう、』言われた通りに階段を昇る際、すれ違いざまにぽんぽんと青年の頭を黒い革の手袋越しに撫でた

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@Maksim_xxxxx 『やぁ、初めましてだねご主人。お邪魔するよ』長い階段を昇り切り、その先にある扉を開けば中の人物へと上機嫌に微笑みかけ

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@Maksim_xxxxx 『はは、こんなおじさんに随分と勿体ない褒め言葉だな。いやいや、麗しいという言葉はご主人にこそ良くお似合いだ、おじさん照れちゃうよ。…失礼してよろしいかな？』店主が座る体面のソファを指し

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@Maksim_xxxxx 『ふむ、これはこれは名乗るのが遅れてしまったな。私はアルベルト・マーティン…アルバートの方が馴染み深い発音だろう。御推察の通りここ一帯の警察庁長官を務めさせてもらっている者だ。はは、そう急かすものじゃない、人と語らいを楽しむのは嫌いかね？』

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@Maksim_xxxxx 『はっはっは、そう！そうみたいだね！いや、あの子からここの話を聞いてね、気になって遊びに来たということだ。…ところであの子、私の天使はどうだったかね？』豪快に笑ったかと思えば急に声を潜め、本来持ち合わせている重々しい雰囲気を惜しげもなく醸し出すように

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@Maksim_xxxxx 『はは、幼い子は少しお転婆な位が丁度良いものさ。いや、違う、そうじゃない。娘とのキスはどうだったと聞いているんだ…！あ、いや！やっぱり聞きたくない…けども聞いてみたい！どうだったのかな、ご主人、出来れば詳細にお願いしたい」至って真剣な雰囲気はそのままで

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@Maksim_xxxxx 『出来たら苦労はしないさ。アンジュは…ああ、娘のミドルネームはアンジュと言うんだけどね、人前で呼ぶと恥ずかしがって怒るんだよ。それがまた可愛らしくてね！いや、アンジュが最後にキスをしてくれたのなんてもう四年も前だからね。ご主人が羨ましくて仕方ない！』

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@Maksim_xxxxx 『はは、聞いたよ。"凌辱の限りを受け、心身共に到底癒せぬ苦痛を味わった旨をここに添えます"…可哀想に、まぁこれだけ元気なら全然凹んでないだろうがね」娘からの手紙を自慢するように音読し「それともう一つ、"上記の無礼に相応の対応をお願いします"とのことだ』

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@Maksim_xxxxx 『はっは、馬鹿な子ほど可愛いだろう。あなたにも子供が出来たらわかるだろうよ、ご主人。だが…二つ訂正だ。あの子は賤しい売春婦ではないし、私はご主人に憐れまれるような境遇でもない。親は子の頼みを聞いてやる生き物だからね」言いながら一枚の紙を相手に差し出し

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@Maksim_xxxxx 『ふむ、なるほど。確かに価値観を押し付けた所で水掛け論になるに過ぎないだろう。ならば私から伝えるのは決定事項のみとしよう。それは公安からの明日から三日間の営業停止命令を書した通達だ。私からのささやかなプレゼントだよ。ああ、ご主人へではなく娘へのね』

シャオイー(小伊) @applex002

@Maksim_xxxxx 『はは、世の中には金銭だけを利得としない店も面を構えているものだ。ここに関しては色々な噂を耳にする。食人家の話や街に現れる黒衣の話なんかも、な。…まぁ、事を急くのは好きじゃないんだ。噂が証拠を伴ったときにまた改めてご主人とゆっくり話をしたいものだな』

シャオイー(小伊) @applex002

@Maksim_xxxxx 『ではそういうことにしておこう。しかし一つ御忠告しておくならば、犬は鼻が利くということを努々忘れないことだ、ご主人。さて、長居をしてしまったね。これから娘とディナーの予定なんだ、私はこれで失礼するよ。次回の取って置きとやらを楽しみにしておくとしよう』