表通り爆破物事件

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【黒火薬】 @powder_kw

(表通り) (ジャケットを羽織った男が、煙草をくわえて賑やかな表通りを横切る) (ふと軒の狭間の路地に入り…) 『ぐぇっ』 (掠れた断末魔が小さく鳴く) (男が路地から出てくると、手には小脇に抱える大きさの木箱) (雑踏の中、すれ違った中年に木箱を渡して次の路地へ入った)

2014-06-10 10:58:42
【黒火薬】 @powder_kw

(表通りを歩く男は、路地に潜む浮浪者や孤児を見付けては"木箱"を奪う) (これを日の出前から幾度も繰り返しているが、一向に数が減らない) (毎晩あれほど殺人鬼が街の住人を喰い荒らしていると言うのに、何処から沸いて出るのか) 『…そろそろ時間か』 (男は通りの大時計を見上げた)

2014-06-10 11:15:00
【黒火薬】 @powder_kw

(歩き疲れた男が、表通りの中央広場にやって来た) (いこいの広場として華やかな大噴水が清々しい水飛沫を上げている) (街の人に紛れ、その噴水に腰掛け、煙草に火をつける) (大通りに聳え立つ時計を見上げ、溜め息を吐き出す) (…ふと、背後に違和感を感じる)

2014-06-10 11:57:38
【黒火薬】 @powder_kw

『―――糞が!』 (男は水浸しの木箱を、全力で空中に投げ放った)

2014-06-10 12:01:56
【黒火薬】 @powder_kw

. . .  ―――― ズドンッッッッ !!!! . . . (空高く打ち上げられた木箱が、木片を撒き散らし爆音を轟かせる) (同時に、表通りのあちこちから同じ爆音が鳴り響いた)

2014-06-10 12:04:07
シャオイー(小伊) @applex002

大きな音がして空気がビリビリと揺れた。振動と共に煙と、火の気。突然の爆発ーーー!!「…、何かしら?」それは複数箇所で発生しているようで、途端に騒ぎたて逃げ惑う人の波を避けながら少女は商店街を歩いていた。

2014-06-10 12:29:54
【黒火薬】 @powder_kw

(表通りから悲鳴が沸き起こる) (通行人から帽子をかっさらった男がそれを目深く被り、顔を隠す) (ずぶ濡れの格好のままパニックに陥る商店街方面へ飛び込んだ)

2014-06-10 12:14:02
【黒火薬】 @powder_kw

. ――――バボンッッッ!!! (太い爆発音が通りの空気を震わせる) (木片が飛び散り、軒先の硝子がひび割れる) (路地の裏から浮浪者が飛び出した) 『うわああああ!死ねえええええ!』 (腕には木箱を抱えていた) 『黙れ!』 (浮浪者を捩じ伏せた男が木箱を奪い取る)

2014-06-10 12:17:09
【黒火薬】 @powder_kw

(男は奪い取った木箱を空中に打ち上げる) (驚異的な腕力で空に上がった木箱が、破裂してくだけ散る) 『孤児や浮浪者から離れろ!まだあるぞ!』 (やぶれかぶれに周囲に警告を発し、逃げ惑う住人をすり抜けて次の通りへ向かった) (時間差で爆音が轟き、悲鳴が上がる)

2014-06-10 12:26:40
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 前方から走ってきた男に正面からぶつかった少女は跳ね飛ばされるように尻餅をついた。 「っ、いた…!ちょっと!どこ見て歩いてるのよ!」 ぶつかったところが湿り気を帯びて、相手が濡れていることに気がついた。

2014-06-10 12:30:16
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 (白い少女を見下ろす男は、濡れた煙草を吐き捨てぎろっと睨み付ける) 『手前ぇこそ何ぼさっと歩いてんだ小娘(ガキ)!お家に帰って菓子でも食ってろ!捲き込まれてぇのか!』 (露骨な女嫌いを態度で示す男は、爆音が発せられる通りを見て舌打ちした)

2014-06-10 12:34:20
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「っ、(相手の大声に一瞬怯みながらも)…巻き込む…?何言って…、あなたずぶ濡れじゃない!何があったのよ?」露骨に先を急ぐ様子の相手を見て手を掴み「来なさい、そっちは爆発物が鉄柱をなぎ倒して通れなくなってるわよ」

2014-06-10 12:41:16
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 『は?来るって…おい』 (手を捕まれた男が、少女の言動に眉を歪める) (この非常時に取り乱す事の無い少女を厄介がるも、行く先の情況を見てやむを得ず舌打ちする) 『何処連れてくつもりだ』

2014-06-10 12:44:17
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「ここを離れるのよ!表通りは爆発物で危険だわ。まだ時間差で何箇所も爆発しているもの。ほら、」掴んだ男の手を引き、人波に逆らうように走り出した

2014-06-10 12:51:22
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 (男が少女の手を振り払うと、人混みに押し込むように引き離す) 『悪いが、俺は"それ"を始末してんだ。俺を助ける暇があるならそっちの怪我人でも救護してや―――』 (言いかけたその時、路地の奥から浮浪者が飛び出し、二人の間に割って入った) 『死ねえええええ!』

2014-06-10 12:56:28
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「え?…っ、きゃあ!」男の言葉にきょとんと首を傾げるも、突然現れた浮浪者に少女はただ身を縮ませてきつく眼を瞑る

2014-06-10 13:01:55
シャオイー(小伊) @applex002

済まさなければならない仕事を終えた執事の少年はリビングのソファに座り本の続きを読んでいた。 『………、…』 うつらうつらと船を漕ぐ少年は瞳を閉じた切り安らかな寝息を立て始める。ぱらりと手から滑り落ちた本は風に捲られ挿絵のページを開いた。丁度、何かに吹っ飛ばされたような死体の。

2014-06-10 12:59:43
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 『!』 (男が浮浪者から木箱を奪い取る) (空高く投げ放ち、傍らの少女を庇って覆い被さった) ―――ズドンッッッッッ! (空から木片が降り注ぐ) (男が素早く浮浪者を殴り飛ばした) 『…怪我は?』 (嫌々少女に確認した)

2014-06-10 13:04:03
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「……、ない。…ええ、ありがとう」先程の恐怖からなのかそう言ったきりぺたりと崩れるように地面に座り込んでしまった。蒼白な顔には薄っすらと涙が浮かんでいる

2014-06-10 13:08:31
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 (動けなくなった少女を見下ろし、周囲に不審な人物が居ないことを確かめる) 『悪いが子守りは出来ねぇぞ。ミンチになりなくなけりゃあ真っ直ぐ走って帰れ』 (その場に少女を残し、男は表通りの奥へと走り去った) (周囲には焦げ臭い空気が漂っている)

2014-06-10 13:13:05
【黒火薬】 @powder_kw

(男は白い少女を庇うと、足手まとい…基、巻き込まぬよう引き離して表通りの奥へと走り去る) (商店街のど真ん中で、片腕の孤児が自爆する光景が視界に入った) 『…糞っ!まだあるのか!』 (通りの一帯が血と黒煙にまみれる) (被害は時間が経つごとに増していった)

2014-06-10 13:15:28
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「っ、わかってるわよ…!」男が走り去った道に向かって吐き捨てる。わかってる、この場に留まるのはどう考えたって利口ではない。だけど…「もし、何故あんなことをなさったの?」男に殴り飛ばされ起き上がることもできない浮浪者に声を掛けた

2014-06-10 13:22:53
【黒火薬】 @powder_kw

@applex002 (殴られた痛みで呻く浮浪者が、譫言のように答える) 『うっうるせぇ…みんぁしねばっ死ねばいいんだぁっ…うぐっおえっ』 (様子がおかしい) (薬か何かで興奮しているようだ) ("何か"に利用されているのは明白だ)

2014-06-10 13:25:50
シャオイー(小伊) @applex002

@powder_NR_KRMGT 「…もう。アフタヌーンティーには遅刻しそうね」肩を竦めると、男を引きずるように道の真ん中から端…建物の下に移動させ「何故そう思うのかしら?何かに恨みがあって?」相手が異常なのを理解しながらも話しかけ続けた

2014-06-10 13:33:42