一日目昼 - 極彩鮮滅

「06/11/22:30」から「06/15/22:30」までの記録です。
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猩々緋 麻也 @red_shojohi

かすめるように、胸の前の辺りを槍が通り過ぎて行くのを見ながら、腕を振り上げる――――そこについた、手首の傷を視る。『溢れ』『尖れ』

2014-06-14 21:52:28
猩々緋 麻也 @red_shojohi

先と同じように、血液の刃を瞬間的に作る。そのまま、漆黒の槍を斬り落とそうと、振り降ろす――――それが成功しようと失敗しようと、彼にとってはどうでも良い。

2014-06-14 21:52:37
猩々緋 麻也 @red_shojohi

「これでわかっただろう。真正面から俺に挑んでも、勝てない。色彩同士は『同格』だ。だとすれば、勝敗を決めるのはなんだと思う」刃を【漆黒】へ真っ直ぐに向ける。「『経験』と『場数』だ」そのまま血液を空の小瓶へ押しこむ。踵を返し、その場を後にする。

2014-06-14 21:53:31
鈴木善哉 @Black_zenya

直情的な勢いで投げ込まれた槍はたやすく避けられ、赤によって切り裂かれた。それと同時に善哉の張り詰めていた心も折れ その場に崩れ落ちた。「僕は…僕は普通でいたかったんだ…。」絞りだすように吐き出す、そして子供のように泣きじゃくりながらその場へと一人置き去りにされた。

2014-06-14 22:06:51
猩々緋 麻也 @red_shojohi

背後からすすり泣きが聞こえる。それを気にも留めず、歩き出す。 「行こう、トキワ」 誰の気配もない場所へ。日が暮れるまで、静かに居られる場所へ。 ◆MOVE → 廃オフィス街

2014-06-14 22:14:31
時葉〈四の深緑〉 @Tokiwa028760

【漆黒】という脅威がなくなって、金色の炎は灯火ほどに収束する。この程度の勢いなら、もうしばらく留まれるだろう。幻を映せるほどの強さでは、ないけれど。小さく弱った炎は、【真紅】に連れられ運ばれてゆく。 ◆移動→廃オフィス街◆

2014-06-14 22:32:33
鈴木善哉 @Black_zenya

主が泣いている間、漆黒達は球体に戻り赤に傷つけられた部分を補おうと辺りを喰い散らかす。主を傷つけぬよう最新の注意を払いしばらくして路地の横の建物一棟が綺麗に更地になっていた。→

2014-06-15 01:10:41
鈴木善哉 @Black_zenya

音もなく行われたそれに気づきもせず、泣きつかれた青年はその場に横たわり空を見上げる。役目を終えた漆黒達は、姿を消していた。「あっちだけなんか青い。」ショッピングモールの方の空を見て呟く、そしていつものように両の手で身体を支えて起き上がろうとしてバランスを崩しぐしゃっと地面に崩れた

2014-06-15 01:12:29
鈴木善哉 @Black_zenya

まだ右腕を失った事を’普通’に出来ていない。もう一度今度は左手だけを支えにして上半身を起こすと、左手でやりづらそうに服の埃を払って立ち上がった。「鞄探さないと。」それはすぐに見つかった、幸い炎に焼かれてはおらずただカッターを出した際にまき散らした筆箱の文具が辺りに散らばっていた。

2014-06-15 01:18:34
鈴木善哉 @Black_zenya

散らばっていた文具を時間をかけて拾い集め、筆箱に戻す。焼かれてしまったカッターはもう無いがそれは諦めた。「どうしよう。」左肩に鞄を下げて空を見上げる、目を引くのは部分的な蒼。「あそこに誰か居るのかな…?」大事そうに鞄を抱えながらそちらへと歩き出した。

2014-06-15 01:24:31

廃オフィス街

無機質な崩れかけた高層ビルの谷底。枯れた街路樹と壊れかけた街灯が立ち並ぶ。『瓦礫の積み上げられた中央広場』と『薄暗い路地裏』を介して連結する。

猩々緋 麻也 @red_shojohi

周りに自分以外の気配が無いことを確認すると、適当な段差へ腰を下ろした。最初来た時よりも、景色が少し薄暗い気がした。…もうじき夜が来るだろう。

2014-06-15 17:26:35
猩々緋 麻也 @red_shojohi

トキワの身体は、恐らくもう燃え尽きる。それでも、誰かに無残に殺されるよりは彼女にとっても幸せなのかもしれない。

2014-06-15 17:26:40
猩々緋 麻也 @red_shojohi

空を見る。灰色の中に、ぽっかりと空いた青。あの辺りで、複数の色が混ざり合ってるのが見える。「戦い…か」恐らく、あの中で生き残った誰かが、また自分と戦うことになるのだろう。壁に背中を預ける。

2014-06-15 17:26:45
猩々緋 麻也 @red_shojohi

ふう、と一息。静かで、穏やかな時間。

2014-06-15 17:27:29
時葉〈四の深緑〉 @Tokiwa028760

この色のない町に迷い込んだ時から、決まっていたことだった。誰かを殺して、たった一人で、孤独な世界に帰っていくか、誰かに殺されて、孤独な生さえ失うか、二つに一つ。いずれにせよ、幸福な未来など存在していなかったのだ。

2014-06-15 18:07:48
時葉〈四の深緑〉 @Tokiwa028760

それを思えば、幸福な最期を選び取れたことは、時葉にとって最大の幸運だった。幸福な最期に違いなかった。時葉は全てを思い出すことはできていない。それでも、こうして燃え尽きようとしている場所は、優しく名前を呼んでくれる人の、あたたかい手のひらの中なのだから。

2014-06-15 18:07:56
時葉〈四の深緑〉 @Tokiwa028760

雲の向こうで日が沈みゆくにつれて、あたりは少しずつ暗くなってゆく。濃くなっていく灰色の風景を、薄ぼんやりと照らす金色の炎も、小さくなっていく。そうして、燃え尽きて――。

2014-06-15 18:08:16
猩々緋 麻也 @red_shojohi

消え行く炎を、ぼんやりと眺める。小さくなるにつれて、暗くなりゆく景色。燃え尽きた後の灰に手を当てて。

2014-06-15 18:20:43
猩々緋 麻也 @red_shojohi

「―――おやすみ、トキワ。」

2014-06-15 18:20:48
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