ラバウル少佐日誌:対深海少女提督編其ノ弐

艦これ二次創作小説です。 少佐艦隊がどっかで見覚えのある深海棲艦の『ブレイン』相手に闘いますが、多分この子は松○提督の娘とは実際無関係で偶然容姿が似ているだけ……かもです。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

(前回までのあらすじ:数千隻の戦艦レ級を連れた戦艦棲姫がラバウル基地へ襲来。これにラバウルの全提督並びに艦隊は玉砕覚悟の徹底抗戦を覚悟する一方で、『少佐』と通称される一人の提督の率いる艦隊は、全く別の解決の糸口を見出していた) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:12:04
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

(少佐は、敵戦艦棲姫が艤装を付けていない少女を引き連れている旨を不知火から聞いていた。彼はこの少女こそが噂に聞く深海棲艦の『ブレイン』であると確信。生け捕りにした後、上手く撤退させられる可能性へと賭ける) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:17:08
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

(一方、彼の部下である金剛は、彼女が本土で築いた『ツテ』を頼り、支援艦隊を呼び寄せる事を提案。計画を実行に移すべく、彼女は一度最前線より少佐の元へと撤退を命じられる。だが、そんな彼女の目の前まで、戦艦棲姫は到達し……) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:20:16
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「おーい!どこ行くのー?」 戦艦棲姫の艤装に乗った幼い少女は、小馬鹿にした調子で、ジグザグに廊下を走り行く金剛へ問う。 「Hey Girls! ついて来られたら、イイものあるかもネー!」 金剛も負けじと言い返しつつ、戦艦棲姫の砲撃を避けて逃げ走る。(2) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:27:32
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「チッ……ネズミみたいにチョロチョロ逃げやがって!」 少女は毒づくも、彼女を追う事をやめない。 否……。 やめられない。 これは、既に金剛の策中にある為だ。 (3) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:36:52
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

少佐と金剛が考えていた通り、ブレインは外面と同じくかなり内面も幼稚である事を、彼女は戦闘の内に覚った。 故に金剛は、ブレインがレ級を向かわせない程度に手を抜きつつ、逃げ続けているのだ。(4) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:39:57
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「Hey hey hey! Come on cheeky girl! そんなんじゃ1世紀経っても追いつけないネー!」 金剛は廊下を縦横無尽に駆け回る。 得意の速力を活かし、遠心力で壁や天井までもを踏み締め、走り、ブレインを翻弄する。 (5) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:47:00
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「あ、あっち!待って、こっち!ああもう!」 ブレインは苛立ちからか、ヤケ気味に戦艦棲姫へ無茶苦茶な指令を飛ばす。 勿論、低速の彼女ではその全てをタイムリーに遂行する事は叶わない。 「うぐぎぎ……!」 相変わらず金剛は、飛び回るように廊下の奥へと走り行く。(6) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:52:36
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「だあァーーー!」 そして、遂にブレインはキレた。 「もういい!この施設そのまま乗っ取る予定だったけど、廊下ぜーんぶぶっ飛ばしちゃうもんね!」 「あっやべ……」 金剛は振り返り、 「AAAAAAAAAGH!!!」 迫り来る爆炎を前に、伏せた。(7) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 19:59:29
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「うおォ!?」「Whop!」 少佐は、突如壁をぶち破り転がり込んできた中破状態の金剛と、頭をぶつけ合った。 「ふっふーん……!ここが艦娘のブレインの部屋か!」 声と共に、戦艦棲姫はその足を一歩、部屋に入れ「Ggggg……!?」慌てて引っ込めた。(9) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 20:13:13
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「えっ何?」 目の前の少佐と金剛を無視し、二人は聞き慣れない言葉で何事かを話し合う。 「チッ……何それ、非現実的だよそんなの」 「テートク」 問う金剛へ、 「答えれば今度こそコイツ等は入り込んで来る。金剛、急げ!」 少佐はそれだけ言うと、立ち上がる。(10) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 20:30:19
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「お、おkネー!」 金剛は机の固定電話をひったくり、受話器を取ると、番号を叩き始める。 「さて小さなフロイライン。ようこそラバウル基地へ。わざわざ司令官からお出向きになられるとは、光栄だよ……!」 少佐は、何故かドイツ語交じりに、ブレインへ挨拶を贈る。(11) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 20:38:18
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「ふ……風呂?ライン?何それ?」 「ドイツ語でお嬢さん、と言ったのさ」 「あっそ」 ブレインは素っ気ない返事を返し、 「まあいいや、お前をとっととチリクズにして任務完了だから」 戦艦棲姫の全砲門を彼へ向けると、 「バイバーイ!死ね!」 砲火を放つ。(12) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 20:48:40
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

だが。 「ああっ!?」 至近距離で戦艦棲姫の砲撃は止まり、ブレインと戦艦棲姫は反射した衝撃に吹き飛ばされる。 「アハハハハ、それ見たことか」 少佐は嘯いて笑って見せるが、直ぐに振り向き「金剛、状況は?」問う。 (13) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:08:15
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「Completeネー!」 「でかしたぞ!」 「10時間後には着くそうデース!」 「バカヤロオォ!」 少佐は狼狽えながら吠えた。 「その頃にはここは更地になってるぞ!」 「でも現実的に1時間や2時間じゃ着かないデース!」 少佐は、乾いた笑いを上げた。 (14) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:18:01
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「アハハハハ、アハハ、アハ、そりゃ、どうしろって、いうんだ……」 「死ねば!楽に!なるよ!」 ブレインは、ガンガンと、結界を戦艦棲姫の艤装でド突かせる。 「生憎だが、私は君等の仲間入りは御免被りたいね」 「仲間になれると思ってんの?アッハハハ!」(15) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:26:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

ブレインは、可笑しそうに笑う。 彼女の乗る戦艦棲姫の艤装は、狂ったように延々指令室の見えない壁を、殴り続ける。 「お前みたいなゴミ同然の人間なんて、ブレインにする価値も無いからね!駆逐級のメシにも出来ないや、脂っぽ過ぎて!だから、タダの陸の肥やしだね」(16) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:33:01
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……そうか」 突如、それまでの雰囲気を一変させて、少佐はブレインと向き合う。 「アレあれ?どうしたのかな?もう諦めついちゃった?つまんな……」 (17) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:40:45
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

……不穏な空気を感じ取ったブレインは、思わず後ろを振り向いた。 「見事な陽動であったぞ、少佐の金剛」 「Thank you sir!」 「え?……元帥?」 「お前も少しは役に立ってくれたな、少佐」 ブレインと戦艦棲姫は、無数の大和型に包囲されていた。 (18) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:45:22
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……金剛?」 少佐が睨む。金剛は、そっぽを向いた。 「ホラ、テートクってなんかBlack magicでスペアの身体一杯作ってるんでショ? だったら、多少危険な事やっても大丈夫なんじゃね?って思って……」 少佐は、今夜一番の笑顔を金剛へ向けた。(19) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:51:20
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「金剛、後で覚えてろよ」 少佐はぼそりと呟いた。 「さて、貴様がこの部隊の指揮官か」「ひ、ひィ……」 厳つい顔の老人が、少女へ詰め寄る。 「この莫迦げたのをとっとと引き上げさせろ。我々が撃滅されようと、同じだけの戦力が明日の17時には完全に補填される」(20) #ラバウル少佐日誌

2014-06-13 23:58:14
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「故に、この攻略作戦は無意味だ」 「もし退かせなかったら?」 「貴様のそっ首を、本土の連中へくれてやる」 「そんな事したら、島を取り囲んでるレ級が一気に押し寄せてくるよー?」 「指揮系統の混乱した連中なぞ、赤子同前よ」 ……ブレインは、唇を噛んだ。 (21) #ラバウル少佐日誌

2014-06-14 00:11:57
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「……あーあ、折角『お父さん』に面白いお土産持って行けると思ったんだけどなー」 ブレインは、わざとらしく大声で吐き捨てると、そのまま戦艦棲姫と共に、破壊し尽くした元来た道を、戻ってゆく……。 「ふむ……深海棲艦相手にも、交渉は条件付きで可能、か」 (22) #ラバウル少佐日誌

2014-06-14 00:17:00