「雫」

ちょっとフェティッシュなSSもどきを気の向くままに書きなぐったものの誰もまとめる気配がないので自分でまとめるというさもしい独り芝居。 きっかけは「加賀さんが何かしらのフェティシズムを示す人だと面白いよね」って話から MIB氏(@MIBkai)が唾液フェチだったりしたら面白いよねえと発言したことだったり
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一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

「提督も理解しているとは思いますが、ここで有ったことは口外しないよう、お願いするわ」既に普段と変わらぬ涼しげな態度で口元を拭ってから、加賀はいつものように私にくぎを刺し、執務室を後にした。私は先の行為の熱にうなされたまま、加賀の去った執務室の扉の向こうを、ほうっと見つめていた――

2014-06-12 19:51:06

一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

「あなたに好意があるとか、そういうわけでは無いのだけれど」普段と変わらない凛とした表情に、わずかばかりの動揺を張り付けて執務室へと現れた加賀は「あなたの唾液が欲しいの。提督、協力してくれないかしら」とんでもない要望を私に突き付けてきた。理由も分からないものに協力は出来ないという

2014-06-12 19:54:26
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

私に加賀は説明を加えてきた――曰く、彼女は体液と言うか唾液と言うか、そういったものに非常に興奮するのだという。そしてできる事ならだれかの唾液を堪能する、その機会が欲しかったと。私は、何故他の艦娘達も存在するのによりにもよってこの私を選んだのかと問うた。彼女が言うには――

2014-06-12 19:57:32
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

他の艦娘に彼女の性癖を理解してもらい、さらに行為に及ぶことは難しいだろう。たとえ行為に及んだとして、その後同じ部隊の中で良好な関係を続けていくのは難しいのだという。ならばなぜ、私なのか。「あなたにとって艦娘の管理は職務の一つであるし、これから私が求める事を口外する事は無いでしょ」

2014-06-12 20:00:58
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

果たしてこれが彼女の私への信頼なのかは知らないが、私は彼女の奇妙な提案を受け入れる事にした―― 私の両の頬に加賀の手が添えられ、彼女の視線が動かないで、小さく口を開いてと訴えかけてくる。和弓を模した兵装を扱う身とは思えない程の小さくて冷たい手、その冷たさが却って冷静さを削る

2014-06-12 20:04:59
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

暫く頬に手を添えられ、加賀と見つめ合うような塩梅であったけれど、彼女の形の良い唇が小さく開き、その隙間から緋色の舌先が覗いた。そう理解するかしないかのうちに、彼女の唇は私の唇に宛がわれ、彼女の下は深く、深く私の口の中に挿しいれられた。非常に扇情的な光景なはずなのに、視界の先の

2014-06-12 20:09:18
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

加賀は驚くほど冷ややかで、冷たい彼女の視線が私に従えと訴えかけてくる。彼女の舌先は、まず私の上あごをなぞり、私の舌を持ち上げるようにその舌全体を潜りこませる。その刺激で私の口の中を唾液で満たすためだ。頬に添えられた手に力が入り、私の顔は左へとかしぐ。反対に持ち上がった右の頬へと

2014-06-12 20:13:44
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

彼女の舌先は伸びて、頬の内側に溜まった唾液をかき集めるように頬の内側をなぞっていく。右側が終わったら左側、と彼女の舌は私の口の中で踊りつづける。途中、彼女と視線が合う。興奮しきってうるんだ瞳をしながらも彼女は、まるでつみあがった作業をこなすかのように淡々と行為をこなしていく。

2014-06-12 20:16:52
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

そして彼女にわずかに下を向かせられ、口の中に一杯になった互いの唾液が混ざり合ったものが口元に来たところで――加賀はちぅ、とそれを吸い上げた。そのまま口を離すと、小さく開いた彼女の口先に踊る緋色に、銀糸のような繋がりが伸びているのが見えた。加賀は指先でそれをからめ捕ると、

2014-06-12 20:20:50
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

名残惜しそうにその指を舐った。 「ご協力に感謝します、提督」普段と変わらぬ涼しげな態度で口元を拭ってから、加賀は礼の言葉を口にした。彼女のそれが事務的なものなのか、私にはいまいち理解できなかった。「それと提督、改めてことわっておきますが…私が好意を抱いていると勘違いしないで」

2014-06-12 20:24:29

一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

* 「それでは提督、失礼しました」 あれから幾度か彼女の行為に付き合わされる事となり、その度に彼女は私にくぎを刺してから執務室を後にした。 彼女の背中を見送る形のまま、熱の冷めやらぬ頭で私は思う。加賀の「私に好意があるわけでは無く、ただの満足のためにしている」という言葉を

2014-06-12 20:28:42
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

認めるとして、だ。一方の私としては彼女と繰り返すこの戯れに、何処かしら共犯めいたというか秘密の情事にいそしむ姿を思い浮かべてしまうのだ。彼女の望み通り二人の行為は公にはしていないものの、さきの様な考えが頭をもたげたときは加賀の顔さえまともに見られないようなことも有るのだ。

2014-06-12 20:31:23
一条和城@C102は欠席…ではなく委託よ @ichijou_kazuki

そんな事を思ってしまう私は破廉恥なのだろうか――そう問うべき相手はどこにもおらず、今日もまた私は彼女の去った後の執務室の扉を呆けた姿で見つめるだけだったのだ

2014-06-12 20:32:35