ウキ成短編小説だよ!

ウッキーが小さくなると成実さんがかわいい。
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江田・K【小説書き】 @koudakei

【49】 「うー」 興味本位の行為にウルキアガはされるがままだ。 助けてくれる者はいない。 飛んで逃げれば逃げられるだろうが、推進器から放たれる衝撃波が子供たちにもろに当たる。 困った。 「うー」

2014-06-21 23:48:30
江田・K【小説書き】 @koudakei

【50】 ・あさま:「色々調べた結果なんですが、やはり原因ははっきりしませんでした。なんらかの術式ではないかな、くらいで」 ・不退転:「そう」 ・あさま:「ウルキアガ君の体を調べたわけではないのでアレなんですけどねー」 ・不退転:「あとでお願いするわ」

2014-06-21 23:49:13
江田・K【小説書き】 @koudakei

【51】 ・あさま:「あはは。いいですよ。とりあえずお薬出して起きますのでそれで様子見て下さい」 ・不退転:「そんな簡単なものなの?」 ・あさま:「駄目ならうちの神社で本格的に禊ぎますからね」 ・不退転:「面倒かけるわね」

2014-06-21 23:49:35
江田・K【小説書き】 @koudakei

【52】 ・未熟者:「いやー、しかし大変なことになったね」 ・礼讃者:「まさかあの胡散臭い若返り術式がここまできちんと発動するとは」 ・未熟者:「効果は一日しか持続しないようだから、明日には全部元通りのはずだけどね」

2014-06-21 23:50:04
江田・K【小説書き】 @koudakei

【53】 ・礼讃者:「この術式が広まれば世界が幼女でいっぱいになりますのに!」 ・未熟者:「うん、まあそうだね」 ・眼 鏡:「ふうん。へえ。そうなんだ」 ・未熟者:「うわどこから出てきたんだよ君は! セキュリティ無視するなよ!」

2014-06-21 23:50:24
江田・K【小説書き】 @koudakei

【54】 「キヨナリ」 成実が発見した時にはウルキアガは道端に仰向けで、ぐったりと倒れていた。 「なんてことなの……」

2014-06-21 23:51:22
江田・K【小説書き】 @koudakei

【55】 ウルキアガの顔にはコークスペンで落書きが施され、全身は泥まみれにされていた。 「何があったのか知らないけれど、勝手な行動は今後慎みなさい」 「うー」 こちらに伸ばしてくるウルキアガの手を取ってだっこしてやる。 「ひとまず教導院へ帰りましょう。疲れたわ」

2014-06-21 23:52:04
江田・K【小説書き】 @koudakei

【56】 その夜。 「あら」 夕飯を食べたウルキアガはすぐに寝息を立てはじめた。 浅間から貰った薬を飲ませようとした時にはすごい勢いでいやいやされたが例によって義腕出無理矢理押さえつけてねじこんだ。 「今日は大変だったわねキヨナリ」 一人ごちる。 無論返事は無い。

2014-06-21 23:52:58
江田・K【小説書き】 @koudakei

【57】 代わりにというのでもないだろうが、ぴゅるーぴすぴすぴす、とか変な音の寝息をたてている。 「これはどこから音出てるの」 膝の上でうつ伏せで眠るウルキアガをそっと撫でる。 寝息が穏やかになっていく。 こういうのも悪くない。 そう思うのは事実だ。 だが。

2014-06-21 23:53:29
江田・K【小説書き】 @koudakei

【58】 だが、やはりつまらない。 「つまらないわ、キヨナリ」 人は言う。 伊達・成実は強い女だ、と。 ウルキアガさえも、そう思っている。 そうでもないのに。 一人が退屈で、つまらない、そんな程度の女なのに。 「話をしましょうキヨナリ」

2014-06-21 23:53:56
江田・K【小説書き】 @koudakei

【59】 一人で呟いているだけでは、つまらない。 話をしましょうキヨナリ。 あなたがいないと私はつまらないみたい。 そんな女なのだ。 こんな女にしたのはあなただから。 責任とって早く元に戻りなさいよ。キヨナリ。 ぴゅるーぴすぴすぴす。 「困ったわね。本当に」

2014-06-21 23:54:37
江田・K【小説書き】 @koudakei

【60】 翌朝目が覚めると、伊達・成実はキヨナリ・ウルキアガが元のサイズに戻っていることに気がついた。 幸せそうな寝顔をしている。 それを眺めていると、こちらも幸せになってくる――前に腹が立ってきた。 昨日のアレは一体何だったのかと言いたくなる。

2014-06-21 23:55:09
江田・K【小説書き】 @koudakei

【61】 つい、義腕であることも忘れてウルキアガの鼻先を容赦無く摘み、捩じる。 ぐぬ、という低い声。 起きたようだ。 右前足もとい右手でこちらの義腕を退け、眠そうな目のままに、 「む。成実、いい朝だな」

2014-06-21 23:55:45
江田・K【小説書き】 @koudakei

【62】 久しぶりに聞く彼の声が耳になじむ。 口角が上がりかけるのに気付き、自制。そして、 「…………」 殴った。ほぼ八つ当たりだ。 ウルキアガの巨体は揺るぎもしないが、 「なかなか痛いぞ成実」

2014-06-21 23:56:30
江田・K【小説書き】 @koudakei

【63】 脇腹を擦る彼に、成実は問うた。 「ねえキヨナリ、昨日のことは覚えてるかしら?」 しばし瞑目して、ウルキアガがこう言った。 「貴様が母親のような振る舞いをしていたのなら記憶しているが」 「…………」 殴る。殴る。殴る。 「今日は凶暴だな、成実」 無視。更に殴打。

2014-06-21 23:57:36
江田・K【小説書き】 @koudakei

【64】 怒りだか喜びだかよくわからない感情を打撃に乗せてひとしきり殴り続けるのを、あやすように受け入れるウルキアガにまたなんだか腹が立つ。 自分勝手なことだ、とそう思う。 けれどそれでいいのだ、とも思う。

2014-06-21 23:58:05
江田・K【小説書き】 @koudakei

【65】 「朝食にしましょうキヨナリ」 「うむ。今朝はパンだな」 その言葉を聞いて、成実は自制することなく、ただし気付かれないように微かに笑んだのだった。

2014-06-21 23:58:26
江田・K【小説書き】 @koudakei

【没】 「うーうー」 「くっ、これは……」 ナルゼが一歩引き口惜しそうな顔をしている。 鈴はウルキアガの頭を撫でながら、 「可愛い、ね」 と言った。

2014-06-22 00:08:37
江田・K【小説書き】 @koudakei

【没2】 アデーレは複雑な表情で、 「それを口にしたら負けなような気がしますよねー」 「ちょっとアンタ達、成実がこわーい顔で見てるわぁん」 「……怖い顔なんてしてないわ」 ・約全員:「してるしてる」

2014-06-22 00:09:08