twnovelまとめ

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

20円引きだったので、つい買ってしまったシュークリーム。勉強の合間に糖分を取ることは理に適っている。思っていたよりもおいしいそれに、ふと青年は思い出す。シュークリームは彼女の好物だった。そんなことも忘れるほどに、自分は勉強に逃げていた。久々に線香をあげに行こう。 #twnovel

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

俺の部屋の窓の鍵を壊したのは、幼なじみで隣人の朋。破天荒な朋に常識は通じない。『これでいつでも遊びに来れるね！』笑顔での言葉が、嬉しかったのも事実で。強く拒めないのをいいことに、過激さは増す一方。天然か計算か、本気で危ない。悪魔の囁きを無視するのも、もう限界だ。 #twnovel

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髪を切るのが想いを捨てる決意の現れなら、髪を伸ばし続けるのは、想い続ける決意の現れ。私は髪を切らない。一度振られたくらいじゃ、この気持ちは消えない。「おはよう！」笑顔で挨拶すると、彼は困惑したようだった。「私、あきらめないから」そう、私ははっきりと彼に宣言した。 #twnovel

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

自分以外のぬくもりに目覚めれば、予想通りの光景。まずは服を着ていることを確かめる。よし、今日も大丈夫。「何されたって文句言えないぞ？」艶のある長い髪を梳きながら、軽く脅した。細い腕が俺の背に回る。「健ちゃんならいいもん」甘い誘惑に、俺はいつまで耐えられるだろう。 #twnovel

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一人暮らし用の家の湯船が、広いわけがない。なのにあなたはお構いなし「くっつけば入れるよ」「く、くっつくって……」「麻絢は嫌？」狼狽する私に、寂しそうに聞いてくるあなた。もう！　覚悟を決めよう。「真っ赤になって、可愛い」「お風呂だからよ！」囁かれる愛は無視に限る。 #twnovel

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「……放してください」その声は自分でもわかるくらいに震えていた。「放さねぇ、っつったら？」背中を包むぬくもりが、今は怖い。青年から香る煙草の匂いに、侵食されていくような心地がした。「っ、わ……私は」他に好きな人が、いるのに。どうしてこの人を拒絶できないのだろう。 #twnovel

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スピネルの指輪は私には似合っていない気がした。履きなれない靴に、何度もつま先をトントンと鳴らしてしまう。見た目に惹かれ頼んでしまったミルフィーユを、綺麗に食べることはできるだろうか。新調した服にクリームがこぼれませんように。目の前に座る彼に釣り合う女性になりたい #twnovel

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好きだって、特別だって、本当なら今すぐに愛を囁きたい。それでも『まだ』と踏みとどまるのは、今だけじゃなく彼女の未来も手に入れたいから。誰からも認められる二人で、ありたいから。もう少し、眠っていてよ、僕の白雪姫。甘い禁断の果実の毒で、僕への想いは忘れさせないから。 #twnovel

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感情を隠すのが得意なあなたが、最近は憎い。少しくらい、分かりやすくなってよ。これじゃあいつまで経っても、あなたに近づけない。「淳は私のこと、どう思ってる？」万策つきて、単刀直入に訊く。「大切だよ？」分からないよ。読めないよ。あなたの“特別”までは、後どれくらい？ #twnovel

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

こんな思いは初めてだ。今までそれなりに恋を重ねてきたつもりだったのに。僕もまだまだだね。「弟君の話はもう終わり」子どもみたいな独占欲。感情が制御できない。「やきもち？」君はくすくす笑う。それすら可愛くて、僕は罰悪く頷く。恋愛って、こんなに格好悪いものだったんだ。 #twnovel

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「言えるわけないじゃない！」少女は泣きながら叫んだ。白い肌を真っ赤に染め上げて。「兄さんのことを兄だと思ったことがないなんて。ずっと、兄さんのことが好きだったなんて。義姉さんに嫉妬してたなんて、言えるわけないじゃない！」青年は呆然とする。何も言葉が出てこなかった #twnovel

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

クローゼットの奥から見つかったのは、数十個のスタンプ。小学生から高校生の間に集めたものたちだった。日記や手帳、手紙にと、意味もなくペタペタ押していたっけ。小さな翼のスタンプに、私は苦笑する。甘酸っぱい記憶が蘇る。彼の机にこれを押せば、彼はいつも屋上に来てくれた。 #twnovel

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私はA4サイズのパステル画をビリビリに破いた。CGと違って気に入らなくてもDeleteできないから、こうして物理的に消してしまいたくなる。写真なんかでbackupも取ってないから、作品はもう脳内に保存されているだけ。それでいい、と私は微笑んだ。その瞬間目が覚めた #twnovel

五十鈴スミレ@食べられｺﾐｶﾗｲｽﾞ2巻2/29発売✨ @midori_tya

彼女の金の翼は、夜空を飛ぶとまるで星のように輝いて見えた。どんな宝石よりも、価値のあるものに思えた。「コクの翼は、夜の空の色だよね」その翼のようにきらきらとした笑顔で、君は言う。それがどれだけうれしかったか、君は知らないだろう。君は俺の元で輝いてくれるだろうか。 #twnovel

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七月七日、落とした耳飾りを拾ってくれたのは、昔なじみだった。「久しぶり」彼はそう言って、懐かしい笑顔を見せた。偶然の再会に舞い上がって、カフェで三時間粘った。別れの時、またねと言って爪先をよそに向けると、手首を掴まれた。「次に会えるのは一年後じゃないよね？」 #twnovel

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「薔薇が見たいです」「……もう枯れた」彼は困ったような顔でそう言った。そうですね、と私は笑った。数日後、私が新聞を取りに外に出ると、彼がバラの花束を抱えて立っていた。「……見たいと言ったから。探した」端的な言葉には愛があふれていた。私は泣きながら彼に抱きついた。 #twnovel

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手をつないで、笑い合っているカップルを見かけた。それだけならよく見る光景だと思う。でも、なんだか目が引き寄せられた。二人とも、本当に幸せそうな笑顔だったからかもしれない。「悔しいな」私は思わずそう呟いていた。雅史と一緒にいたとき、彼はあんな顔をしていなかったから #twnovel

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『お仕事お疲れさま。肉豆腐作っておいたので食べてください』たったそれだけが書いてあるメモ用紙。けれど最愛の人の文字というだけで、不思議とぬくもりを感じる。肉豆腐、か。人参を入れるかどうかで喧嘩になったことがあったな、と男は思いを馳せる。今では妻の味が家庭の味だ。 #twnovel

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「ねえ、構ってよ」少女はそう言って青年に抱きつく。ふわりと香る砂糖菓子のような甘い香りに、わき上がる衝動。「どんな構い方でもいいならな」青年は少女の肩をつかんで押し倒した。しばし見つめ合っていると、少女はくすくす笑った。笑えないようにしてやる、とその唇を塞いだ。 #twnovel

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上手に折れたから、飛ばないかな、と思ってしまった。無理ってわかっていたけど、私は折鶴を三階の窓から投げてみた。結果は残念、鶴は校舎のすぐ横の木に引っかかった。つま先立ちで、鶴を取ろうとしていると。「はい、どうぞ」鶴を取ってくれた人は、きれいな翡翠の瞳をしていた。 #twnovel

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「悠ちゃん、大好き！」恥じらいもなく紡がれる、キュートな告白。「俺も、愛してるよ」返事は当然ミートゥー。けれど、ライクの粋を出ない幼い恋人に、わきあがる悪戯心。「真衣、愛してるって言ってみて？」満点のデビルスマイル。「あ、あい……」熟れたチェリーのできあがり。 #twnovel

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いつからだろう、青年のことを怖いと感じなくなったのは。最初は大きな背がすごく怖くて、花屋だなんて似合わないと思っていたのに。いつのまにか、青年の届けてくれる花が毎朝の楽しみになっていた。「この花の花言葉は？」「……愛の告白」気づいたら私は彼に抱きしめられていた。 #twnovel

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袖のボタンが取れたのは昼休み。直そうと思ったけど、私は不器用。ソーイングセットすら持っていなかった。「貸して」倉内の手で、ボタンは無事に袖につけられた。「こんなこともできないなんて、女子失格」倉内は嘲るような笑みで言う。ぐぬぬ、と唸りながらも、反論はできなかった #twnovel

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肩がぶつかって落としたリンゴ飴の代わりにと、奢られたのはプリンアラモード。プリンは濃厚、クリームもおいしい。でも、なんで私、初対面の人と一緒にカフェに来ているんだろう。疑う気持ちもあったのに、笑顔で押し切られてしまった。「おいしかった？」青年の言葉に素直に頷いた #twnovel

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君からもらった宝物を、僕はずっと捨てることができずにいる。重いのに、苦しいのに、それでも抱えたまま日々を過ごす。記憶の中の君はいつも笑顔だ。それは、最後まで君は笑んだまま、穏やかに逝ってしまったからだろう。どこか決意のような確固たるものを、その瞳に秘めたままに。 #twnovel