(目が覚めて/起こされて、直ぐにこう言われた。)『聖杯の奪還を』(イリヤは知らない、こんな聖杯も、聖杯戦争も。この身体は冬木の聖杯、願い満たされざる万能の釜にして、冬の聖女の後継機) ───バカみたい、アインツベルンが滅びたことさえ、認められないのね(滲む憐憫) #tea_pr
2014-06-19 22:49:36聖杯を手に入れろ、だって。おかしな話ね、聖杯はここにあるのに。───あんなものは聖杯じゃないわ、少なくともアインツベルンの求めたものじゃない。……あの人は何にも知らないのかな?変なの、わたしより年上なのにね(微笑みはあどけなく、柔らかな哀れみが声に溶ける) #tea_pr
2014-06-19 22:51:25でもいいよ、戦ってあげる。聖杯戦争の為に、イリヤは居るんだもん(そ、と優美とすら言える動きで与えられた電子機器に触れ、俄仕込みの不馴れな手付きでムーンセルへと接続する)(響くキーの音は、いつしか電子の海に紛れて消えた) #tea_pr
2014-06-19 22:54:34(目まぐるしく流れるモラトリアム、幾つかの邂逅、偽りの日常、───脳裏を掠める違和感が、月の扉を正しく開く)(聖杯戦争に、ログインした。筈だった) #tea_pr
2014-06-19 22:57:26(生温い放課後は崩れ去り、目の前には一通のメール。ふざけた文面を読み終えた頃には、世界は既知も未知も纏めて崩れ去っていた) (…………いいわ、ムーンセルが聖杯だなんて、元々思ってなかったもの) (やることは何も変わらない。この戦いに、初めから意味などないのだから) #tea_pr
2014-06-19 23:04:15(まるでアリスにでもなった心持ちで何もない虚数空間に腰を下ろす。明確なイメージは、椅子のような座り心地を彼女に与えた) ……閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する(ぽつり、呟くような声。聖遺物等は、無論無かった) #tea_pr
2014-06-19 23:13:02……告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。わたし(聖杯)の声に従い、この意、この理に従うならば応えよ。 誓いを此処に。 我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。 汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ #tea_pr
2014-06-19 23:14:06(イリヤが知るのはかつての聖杯戦争だけだ。囁くように、呟かれた古い魔術師の言葉など、この時空では本来なら意味を為さない)(何故なら、応えるべきマナがない、そう創られた世界ではない、何より、冬木の聖杯戦争がないのならば、イリヤスフィールはもう聖杯にはなれない) #tea_pr
2014-06-19 23:18:28(───それでも、ひとつ。応える声があった。) ……そう、あなたがわたしのサーヴァントなのね(くろい影に虚数空間から救い出された少女は、その姿を一瞥するとくるりと背を向けた)イリヤのサーヴァントなら、ぜったいに…負けちゃ駄目だよ #tea_pr
2014-06-19 23:21:41(マイルームに個別アクセスし、中に入るとあれこれとデータを弄り改装していき)狭いけど仕方ないか。夜は魔術師の時間だけれど、おやすみなさい。イリヤは、もう寝るね…。あ、あなたはそこの隅っこね(サーヴァントを部屋の隅へ追いやると大きな天蓋付きのベッドに潜り込み、うとうとと微睡み始め)
2014-06-19 23:31:22イリヤ…全く、何の因果だろうね…君だけには、君だけにはこんな姿を、晒したくはなかったのに(一人ぽつりとつぶやき、ベッドの側に座り込む)(少女の掌を握りしめ祈るように呟く)
2014-06-20 13:21:12