黒瀬陽平さんの中島晴矢個展「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」についてのつぶやき
中島晴矢個展「ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー」tokyoartbeat.com/event/2014/43E9"http://t.co/pAwsA6XPyY を見てきた。映像作品『バーリ・トゥード in ニュータウン』に心底感動した。見てれてよかった。
2014-06-20 17:20:37中島くんの展示は、ふたつに分裂してる。それは明らかな理論的な破綻だし、テーマに対する曖昧な態度である。それでも、『バーリ・トゥード in ニュータウン』を中心とするプロレス作品+『WaNNa☆Be』のようなグラフィティ作品は、その分裂が抱える問題も込みで成立しているように見えた。
2014-06-20 17:30:03だからぼくは、中島作品のプロレスもの&グラフィティものだけに作品としての可能性を感じるのだけれど、展示全体として見るとむしろ、それ以外の作品とのすれ違い、分裂そのものが隠れたテーマとして浮かび上がってくる。いちばん重要なのはそこだ。
2014-06-20 17:37:45『バーリ・トゥード in ニュータウン』は、中島くん自身が抱える分裂に対する、精一杯の「ガチンコ」だった。何者でもない、でも何かになりたい。世界を変えたい、でも変えられない。死ぬほど堅固な「郊外」の風景を、もしかしたら変えるかもしれない不思議なプロレス。
2014-06-20 17:42:10例によってまた余計なことを言いますが、先日いくつかの作品を絶賛した中島晴矢個展について、「ステイトメントと作品解説が明晰」とか「言説化がキチンとしてる」といった感想を多く見かけますが、みなさん本当にそう思ってますか?ぼくは全くそうは思わないのですが。
2014-06-23 13:44:08たとえば、新国立競技場についての作品や宮下公園についての作品解説を読んで、本当に納得しましたか?ステイトメントで言われている「新しい社会設計のヴィジョン」について、明晰に説明されていると思いましたか?
2014-06-23 13:46:26中島くんの作家性と問題意識が、まだ理論になっていない部分も含めて結晶化しているのが『バーリ・トゥード in ニュータウン』やグラフィティ系の作品なのであって、その他の作品は結論を急ぐあまりに、ある種の左翼的言説に無理やり着地させようとしている。それがぼくが言ってた「分裂」の意味。
2014-06-23 13:50:45だから、中島くんのステイトメントや作品解説は「明晰で理路整然と言説化できている」から良いのではなく、むしろ現段階での彼の中での「分裂」をよく表しているからこそ興味深い。そして『バーリ・トゥード in ニュータウン』は、その分裂もひっくるめて作品化しているからこそ「胸をうつ」。
2014-06-23 13:56:26なので、そこにある明らかな分裂をスルーして、明晰だ、論理的だと褒めることは、ぼくから見れば大変に杜撰で失礼な見方だと思う。だって、自分のなかにある分裂をそのまま作品化して提出することは、誰よりも中島くん本人にとって大きな「賭け」であり、この展示の中心にあるのだから。
2014-06-23 14:03:58