黒バスRPGパロ呟きまとめ

チェインクロニクルというセガのスマホRPGゲームを黒バスキャラでパロったものです。元ネタがわからなくても読めるようにしてあります。火神・高尾・笠松・氷室が闇堕ちしてます注意。随時更新。
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ホリィ @ilex_fu

@ilex_fu 「…………!」 驚く魔物の、刺した剣持つ手を摑む。 「させねえっ!」 ゴオオォッ!!! 掴まれた所から炎が走り、魔物は物言う間もなく燃え尽きた。 「あ……あ……」 「!大丈夫かお前!怪我は……」 「うわあああああん!」

2014-06-19 18:26:05
ホリィ @ilex_fu

@ilex_fu 「い、痛いのか!?怪我したのか!?」 驚きながら魔神は問うが、子供は首を振りながら泣くばかり。どうしたらいいか途方にくれていた所へ、青峰、桃井、黒子がやってきた。 「おい!お前!!」 「!あ、悪ぃ、その「大丈夫か!?」 「へ?」

2014-06-24 21:15:24
ホリィ @ilex_fu

@ilex_fu 「その、肩の剣……」 「あ、あぁこれか」 戸惑いながら答えた後、魔神は突き刺さっていた剣をなんでもない様に抜いてみせた。驚く黒子達の前で傷口がみるみる塞がっていく。 「俺、魔神だから。このくらいは平気なんだよ」 そう、どこかさみしげに魔神は呟いた。

2014-06-24 21:21:11
ホリィ @ilex_fu

@ilex_fu 「……お兄ちゃん、大丈夫なの?」 気がつくと、先程の子供が直ぐ近くにいた。泣きそうな顔で魔神を見上げている。 「痛くない?もう、痛くない?」 その言葉に、魔神は大きく目を見開いた。 子供を抱きしめようとして、その腕は途中で止まり、屈んで子供と目を合わす。

2014-06-24 21:25:49
ホリィ @ilex_fu

@ilex_fu 「大丈夫だ……心配してくれてサンキューな」 どこかぎこちなく微笑んでみせると、子供はまだ少し涙が残りながらも「よかった」と笑顔になった。

2014-06-24 21:29:11
ホリィ @ilex_fu

「……一体なんなの、あいつ。魔神なのに魔神じゃないみたい」 「あぁ、そうなのだよ。あれはまるで、まるでーー」 「人間みたい、だな」 紫原と緑間の心中を代弁するかの様に赤司は言った。彼らに微笑んだ後、魔神の方へ歩み寄っていく。 「良い雰囲気の所すまないが聞きたいことがーー」

2014-06-24 21:34:52
ホリィ @ilex_fu

ガラッ…… 瓦礫が持ち上がり、魔物の亡骸の山の中から立ち上がった者がいた。首がぽっきりと折られて今にも外れそうになっているというのに、足も片方無いというのに、それは確かに自力で立ち上がった。黒子達は再び、武器を構える。その魔物はどろりと濁った目で魔神を見る。 「……カガミ」

2014-06-24 21:39:20
ホリィ @ilex_fu

「……なんだ」 「モウ……戻ラナイツモリカ……?」 魔物からの問いかけに、きっぱりとした声で告げる。 「……ああ。俺はもう、そちら側にはつかない」 魔物は暫し沈黙する。魔物ーーいや、魔物を通して魔神は何者かと対峙していた。 「ソウカ、残念ダ……」

2014-06-24 21:44:21
ホリィ @ilex_fu

魔物はそう告げると、糸が切れた様に崩れ落ち、動かなくなった。 「今度こそ、本当に、終わったッスか……?」 「あぁ終わりだ。もう気配も無ぇしな」 そう答えたのは魔神だった。場を、気まずい沈黙が流れる。その空気を壊す様に赤司は再び問いかける。 「カガミ、といったか」 「……なんだ」

2014-06-24 21:49:39
ホリィ @ilex_fu

「これから、どうするつもりなんだ?」 「どうするって言われたって……」 「あの、もしよろしければ義勇軍に入りませんか?」 その言葉に、目を丸くしたのは魔神だけではなかった。 「え、ちょ、黒子っち!?」 「どういうつもりなのだよ黒子!」 「何考えてんの黒ちん!」

2014-06-24 21:53:45
ホリィ @ilex_fu

「いんじゃね?俺はさんせー」 「テツヤに先に言われてしまったな」 「青峰に赤司まで!?」 「え、ちょ、タンマ!なんでお前ら……」 「なんでって」 「だって君、二回目以降の襲撃の時、もう僕達を殺す気なんてさらさらなかったでしょう?」

2014-06-24 21:58:19
ホリィ @ilex_fu

その言葉にギクリと身体を強張らせる魔神。その隙に黒子、青峰、赤司が畳み掛ける。 「君が襲ってくる時は、いつも僕等全員体力満タンな時でした。それに、襲撃後、魔神が襲ってきたというのに僕等は大した怪我をしていませんでした」 「つーか殺気があるかどうかなんて戦えばすぐわかるし」

2014-06-24 22:02:32
ホリィ @ilex_fu

「それに今回、僕達が疲労困憊なのを知って襲撃をやめようとしていただろう?」 「……あー、えっと、その」 魔神はそっぽを向いて言葉を続けようとし、あー、だの、うー、などと唸っていたが、最終的には項垂れながら「おっしゃる通りだ、デス……」と認めた。

2014-06-24 22:06:12
ホリィ @ilex_fu

認めた魔神に、黒子は嬉しそうに、青峰は悪戯っ子の様に、赤司は眩しそうに、それぞれ三者三様に微笑んだ。バツが悪そうに目を逸らす魔神。そんな魔神に、黒子は前に出て彼に告げる。 「無理にとは言いません。でも君の様な人が仲間になってくれたら心強い……ううん、僕は君と仲間になりたい」

2014-06-24 22:13:08
ホリィ @ilex_fu

「仲間になってくれませんか?」 手を出し、握手を求める。その時、魔神の瞳に不思議な光が宿った。 「……パーじゃなくてグーだ」 「?」 その言葉に、不思議がりながらもグーの形を作る黒子。魔神は、その拳に己の拳をぶつけた。 「これから、よろしくな」

2014-06-24 22:17:20
ホリィ @ilex_fu

「……!はい、よろしくお願いします。えっと……」 「俺の名前はカガミーー火神、大我」 「……よろしくお願いします、火神くん」 「おう!」

2014-06-24 22:19:14
ホリィ @ilex_fu

この後黄瀬くんと一悶着あったり緑間くんと喧嘩したり紫原くんに煙たがられたりするけど大体胃袋掴んで黙らせるかがみんなのでした。これから戦闘狂青峰くんが剣の相手せびったり黒子くんがかがみんにべったりだったり赤司くんが上機嫌でニコニコするライフが始まるよ多分!←

2014-06-24 22:24:19
ホリィ @ilex_fu

少し寂れたバーのカウンター。火神はそこの隅で一人酒を飲んでいた。夜だというのに人は疎らで、看板娘と思しき娘が色褪せたドレスでピアノを弾いていた。 そんなバーに、客がまた一人。迷うことなき足取りで、それが当然と言う様に火神の隣に座る。 「おっちゃん、俺にもこいつと同じのを頂戴」

2014-06-24 22:39:02
ホリィ @ilex_fu

「かしこまりました」と、答えたマスターは、新たにカクテルを作り始める。程なくして出来上がったカクテルをその男の前に置き、「では、ごゆっくり」と奥へ消えていった。 「久しぶりだな、高尾」

2014-06-24 22:43:04
ホリィ @ilex_fu

「久しぶりー火神」と男は屈託ない笑顔で返す。 「怒ってないのか?」 「何が?」 「裏切ったこと」 「あー、うん。俺は怒ってないよ、いつかこうなるって思ってたし」 氷室さんはちょっと怒ってたけど、と含みを持たせて笑う高尾。

2014-06-24 22:50:46
ホリィ @ilex_fu

「最も、笠松さん氷室さんと次会う時は覚悟しとけよー?あの二人が容赦ないの知ってるだろ?」 「うん、まぁ……そうだな。でも俺はそれよりお前に聞きたい」 「……なーに?」 「高尾、お前はどうなんだ。お前は、「ごめん」 火神の台詞を途中で遮る。

2014-06-24 22:55:21
ホリィ @ilex_fu

「もうちょっと……もうちょっとだけ、待ってくれないか?今はまだ、あいつに出会った時、正気保っていられるかどうか自信がねーんだ……」 「……そっか」 「……ごめんな」 「謝ることじゃねぇだろ」 「そうだな。でもごめん」 火神の肩に、もたれかかる高尾。その視線を虚空に彷徨わせて言う。

2014-06-24 22:59:00
ホリィ @ilex_fu

「なぁ、火神」 「なんだ」 「俺、魔神になりたくなかったよ……」 「……そうだな」 「魔神になんてなりたくなかったよ……」 火神は、静かに目を伏せ 「俺もだよ」 と答えた。

2014-06-24 23:01:58
ホリィ @ilex_fu

少し寂れたバーでの会話。 誰も知らない二人の会話。 また、二人が再び出会うのは、もう少し先の話ーー 【魔神高尾襲来編へと続く】

2014-06-24 23:03:56
ホリィ @ilex_fu

【黒バスチェンクロパロ】 火神大我 火炎の魔神。ドラゴンに育てられた子供で、別の大陸の英雄だった。だが、黒の軍勢との戦いの際、母同然であるドラゴンが命を落とし、都の人々の事も守れなかった絶望から魔神となった。迷宮山脈に住む火妖精の血筋を引いている。今はパーティの食事係。

2014-06-26 11:16:47