近土ＳＳ

真夜 @gin_mayo505

近藤さんの本気が見たいな 例えば近藤さんがマヨの気持ちになんとなく気づきながらもまだお妙さん追いかけてて マヨが傷付いて銀さんのとこに逃げて来てしまったとして 近藤さんは迎えに行くけどマヨは帰るとは言わないの 銀さんに取られてしまったと思った近藤さんは銀さんに決闘を申し込む

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銀さんに「アンタ前に俺に負けてるんじゃなかった？」って言われても「トシをこのまま黙ってお前にくれてやる訳にはいかん。俺がケジメをつける！あいつは、、、土方十四郎は、真選組の大事な、、、いや、俺のモノだからだ！！！」 とか言う台詞をボロボロになって言ってほしい！！！

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「トシ、折り入って頼みがあるんだけど」 会議の後に引きとめられ嫌な予感がした。今までの経験から近藤にこう言われて良い方向に行った試しがない。 誰かの為に役に立ちたいという純粋な気持ちは賞するが、本人は何ひとつ得をしていないのだ。 「近藤さんよう、悪いことは言わねえ。止めとこうや」

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「まだ何も言ってないでしょうがぁ」 近藤は拗ねたように唇を尖らせる。 一番の理解者だと思われているからこそ、できれば土方も協力してあげたい。 しかしこれ以上真選組局長の、自分の心底惚れている男の惨めな姿を見たくないと思うのだ。 「な、な、聞くだけ聞いてみてくんない？協力してくれる

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かどうかはそれから決めてくれたらいいから！」そう言って二カッと笑う。 近藤のとびきりの笑顔を迂闊に見てしまったら、土方はもう断れないに決まっている。 「…わかったよ」眉間のシワを深くしながら承諾する。 「ありがとな、トシ！実はな…」 それから数時間後土方は近藤の部屋に来ていた。

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待ち受けていた近藤は準備していた物をいそいそと土方の前に並べる。 「コレがお前の衣装な？それから」 「ちょ、待てよ！衣装って何だよ、そんな話聞いてなかったぞ！？」 目の前に置かれた風呂敷包みからチラリと茶色い毛皮が見える。嫌な予感がする。やはり頼み事など聞くべきじゃなかったか。

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土方が風呂敷包みを凝視している間に、近藤はすっかり赤い服のサンタクロースへと姿を変えていた。ただ、両袖がなくノースリーブなのが問題なのだが。 「ありゃあ…どうも安いと思ったらこういうことかあ！ま、真夏にクリスマスを迎える国もあるんだ、気にしないでおこう！」 「いや、あんたが寒い

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だけだぜ？誰も見ちゃいねーんだし、止めとくか？」 自分に充てがわれた衣装を着なくて済む絶好のチャンスと、土方は切り出した。 「プレゼントを配るのに衣装は不可欠だ。俺はトシがこれを着てくれるのを楽しみにしてたんだぞ？」 「だんだん目的が変わってきてやがる」 昼間聞いた話じゃ、

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近藤は前々から隊士にクリスマスのプレゼントをあげたかったらしい。 「真選組は言わばひとつの家族だ。局長の俺がお父さん、副長のトシがお母さん。そして隊士たちは子供！ただでさえ安い給料でこき使われてんだ、たまには労ってやらんとな！」 「つか、プレゼント買う金は？まさかあんた自費で…」

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今までも総悟の壊した建物や車両やらを一部ではあるが弁償してやって いる。こんなことばかりしているから、近藤の貯金はほとんど貯まらないのだ。 「近藤さん、俺もカンパ…」 「これは俺が勝手に思いついてやった事だ、気持ちだけありがたく受け取っとくよ」 そして付け加えるように

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「お前は、俺たちの夫婦貯金をしてくれてたらいい」 と優しく頬にキスされ煙に巻かれたのだ。 それがどうしてこんなトナカイを着る羽目になるのか？ 止む無く袖を通すと、まるであつらえたかのようなフィット感に驚きが隠せない。 幸い被り物の頭は無く、トナカイのツノのカチューシャであったが

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近藤は実に嬉しそうだった。 「良く似合うぞトシ！さすがは真選組のお母さんだ！」 「どこの世界にトナカイの着ぐるみ着てプレゼント配る母親がいるよ？」 どうせ誰も見ちゃいねーんだし、この人が楽しいならそれでいいか… 土方の思考回路も既に近藤に侵されていることには気付いていない。

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あ、タイトルなかったですね！ 【クリスマス近土:賞味期限切れ】で。

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真選組には消灯時間がある。一部の夜勤組を除いては翌日勤務の者は強制的に眠らされる。夜勤組はパトロールの時間に配りに行けばよいだろうと、二人はこっそり部屋を出た。 何十人ものプレゼントだ、ひとつひとつはささやかでも重量はかなりのものとなる。 「これ、俺が断ってたら一人で配るつもり

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だったのかよ…」 「まあ、朝までに配り終えれば問題ねえからな！！それにトシはこうして手伝ってくれてる」 本当に得な性分だ。 知り合えば知り合うほど、距離が近付くほど、誰もが近藤に魅了されていく。 ただ女どもにはそれがなかなか伝わらず気の毒ではあるが、土方には有難いことだった。

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のんびりしてはいられない。部屋割りを見ながら近藤の指示通りにプレゼントを置いて行く。自分の独断で隊士の欲しそうな物を選んだと言っていたが、これも普段から個人個人に注意を払い、コミュニケーションを取っているからこそ分かる話だ。 買い物も大変だったろうに、と土方の胸はジンと熱くなる。

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山崎にはミントンの新しいシャトル、原田には暖かそうなニット帽、そして総悟には… 「何だコレ？本？」 手にした感覚からすると明らかに書籍のようだ。 「へぇ、あいつ本なんて欲しがってたのか？珍しいこともあるもんだ」 暇さえあれば寝ているイメージの総悟だからてっきり安眠枕かと思ったが。

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「ああ、総悟には今夜配ることバレちまってな！せっかくだからリクエストを聞いた」 「バレたって…ちなみに何の本だ？」 「ええとな、確か『世界の呪術』とかいう…」 土方の背中に悪寒が走った。 「俺が変死したら原因はこの本だからな」 言いながらもこっそり総悟の部屋に忍び込む。すると

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パシャリとシャッター音がして、ストロボの光が土方を包んだ。 「やりィ、土方の恥ずかしい姿ゲット」 待ち構えていたのだろう、総悟は布団の上でスマホ片手にＶサインをしている。 最初不意打ちに呆然としていた土方だが、自分の格好を思い出し我に返った。 「総悟！テメェ！今撮ったやつ消せ！」

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「消すわけ無いじゃねえですか、こんな美味しい画像。皆に送信してやるんでぃ」 総悟なら本当にやりかねない。 鬼の副長の威厳が、イメージが脆くも崩れ去ること間違いなしだ。 「テメェ、計画的だったな？しかも欲しい本までてに入れて…」 「近藤さんが俺に何欲しいって聞いてくれたから答えた

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まででさぁ。そんなに嫌なら着なきゃ良かったじゃねえですか？ねぇ、近藤さん」 総悟に振られて近藤が心配そうに土方の顔を覗き込む。 「そんなに泣くほど嫌だったのか？トシ、お前ならトナカイが良く似合うって総悟が提案してくれて俺もそう思ったんだが…」 土方が決して近藤の頼みを断らないのを

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予測しての犯行だ。 「総悟！人の好意を弄びやがって！今日という今日は許さねえ！！」 危険を察知した総悟が廊下に飛び出し、頭に血の昇った土方が追いかける。 「ああしてると本当にお母さんだな」 近藤の目尻が下がる。 屯所中を駆け回る大騒ぎに隊士たちが目を覚ましたのは言うまでもない。

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朝方の騒ぎがあったにもかかわらず、屯所では皆が早くから起きてきた。 食堂での話題はもちろん局長と副長からのクリスマスプレゼント。 その中には総悟の騒ぎも混じっていたが、皆の顔は明るいものだった。 「まさかこの年でプレゼントもらえるなんてな」 「いくつになっても嬉しいもんだよな」

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「しかも俺が前にチラッと欲しいなって言ったヤツでさあ」 「欲しいけど自分じゃなかなかってのあるもんな」 ざわめきの中を掻き分け総悟が入ってくると、皆一斉に静まった。 総悟は隊士一同を見回すと一枚の写真を掲げた。 「みんなも知ってる通り、昨夜は我が真選組にサンタさんが来て下さった。

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この通り証拠写真もある。そこで！日頃お世話になってるパパサンタ、おかんトナカイに、みんなでお返ししねえか？協力するよな？しねえやつ前出ろ」 皆揃って首を縦に振った。 「ああ、流石に完徹で仕事ってのはこの年になるとキツイなー」 近藤は目の下の隈を見て笑う。実は前日も準備して