#完全ノープラン艦これ与太話 【ヤクザズ・ライフ・ライク・ア・ドラゴン】 #6

春魔解丼 @vespiking

｢イヤーッ！｣ #KZNPLN

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龍田の船体が、大きく宙を舞った。龍田は恐るべき使い手であった。そのカラテエネルギーすべてを、龍鳳の残った右腕は、余すことなく龍田へと跳ね返し、投げ飛ばした！敵の力を利用する。ジュー・ジツの基本にして奥義である！｢アバッ……｣宙を舞う龍田へ、天山が迫る！ #KZNPLN

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｢イイイヤアアアーーッ！！｣ＫＡＢＯＯＯＭ！！龍田の腹を、魚雷が貫く！｢ンアーーッ！｣爆風が船体を両断し、完全に2つに分離した龍田が、天山の着艦と同時に音を立てて床に叩きつけられた。｢ア、アバッ……オ、オヤ……ブン……ア、そん、な……｣龍田の指輪から、光が消えた。 #KZNPLN

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｢……｣武蔵は飛龍の連撃を躱しながら、左手薬指に微かな違和感を覚えた。そして理解した。｢……そうか。龍田が、死んだか｣武蔵はカラテを構え、飛龍を迎え撃った。｢イヤーッ！｣｢グワーッ！｣弾かれた飛龍は、獣めいて再び立ち上がる。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ヤクザズ・ライフ・ライク・ア・ドラゴン】 #6続き #KZNPLN

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『イヤーッ！』ブラックピーコックは大型の艤装を担ぎ、伊401に叩き付ける！伊401はバックステップでこれを回避！｢チイーッ！バリキだけは一人前か！イヤーッ！｣回避跳躍の着地と同時に床を蹴りハイキック！『グワーッ！』｢ヌルいんだよ！お前のカラテは！｣ #KZNPLN

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潜水艦である伊401は能動起動式のソナー防音機構を備えている。故にアンブッシュ以外のバクオンケンは通じない。純粋なカラテ合戦となった両者のイクサは、パワーで未熟なカラテを埋め合わせるブラックピーコックを、伊401の練度が徐々に押し込めていった。 #KZNPLN

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｢いまだ！イヤーッ！｣『グワーッ！』無慈悲なる追撃！ブラックピーコックの鎖骨が蹴り砕かれ、床に打ち付けられた！｢フフ、ようやく追い詰めたよ……｣伊401は彼女を尊大に踏み付け、折れた鎖骨をぐりぐりと踏み締める。『イ、イタイ！』｢ああ、いいよ……もっと鳴けよ｣非道！ #KZNPLN

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伊401は足をずらし、親指で喉笛を塞ぐように丁寧に力を込める。『アッ、アッ……』｢ああ、ウン。君イイよ……平坦だけど。黒のドレスが凄くイイね……どうしよっかな。このままファックしちゃう？それとも、先に死んじゃう？｣『ア、ギ……』伊401がぞわぞわと震える。 #KZNPLN

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伊401が5度目の絶頂を迎えると同時、背後から大質量が飛来した！『イヤーッ！』｢グワーッ！？｣不意を付かれた伊401は直撃をうけ、吹き飛ぶ！『ピーチャン！』『ア、ゲ、ゲホッ……』モルワイデは巨大ツメ艤装を肘のアンカー巻取機構で戻し、ブラックピーコックを抱き起こす。 #KZNPLN

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｢チクショウ！なんだよ！イイとこだったのに！｣伊401は唾を吐き、ウケミする。そこへ飛来する航空機編隊！対潜爆撃だ！｢グワーッ！？｣たまらず床を転がる伊401！｢ホラホラーッ！艦載機のみんな！お仕事お仕事ーッ！｣｢なんだってんだよ！聞いてないぞ！｣ #KZNPLN

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｢大丈夫か！？歩けるか！？｣｢ウ、ウン……｣龍鳳は痛々しく接合された右肩からジュウジュウと白煙を上げ、再生の激痛を堪える。龍鳳にとっては痛みよりも、浦風の亡骸を沖ノ島へ還せぬ事が何より辛かった。｢何だよ！龍田さん死んじゃったのかよ！まだファックしてなかったのに！｣ #KZNPLN

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伊401は咄嗟の状況判断をした。こいつらの標的はオヤブンだろう。敵は負傷ありとはいえ、軽空母2隻。鬼姫クラスの基地型深海棲艦2基。流石に部が悪い。あちらも満身創痍、イクサは避けたいはずだ。｢――死んだら終わり！逃ーげよっと！｣地下へ跳躍退避！『アッ！マテ！』 #KZNPLN

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伊401を追おうとするブラックピーコックを諌め、龍鳳らは地上へと駆ける！先程から、遠からぬ場所より大規模な振動と爆発音が断続的に届いている。龍驤はあの音を知っている。目の前で摩耶の命を奪った、武蔵の砲撃音だ。飛龍が危ない！ #KZNPLN

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執務室を経てシュライン庭園へと辿り着いた龍鳳が目にしたのは、恐るべき地獄絵図であった。ゴウゴウと燃え盛る炎めいた赤黒のオーラを纏い、ドラゴンズンビーめいて武蔵に食らい付く飛龍。ただ冷淡に、直立不動のまま砲撃とコンパクトなカラテでこれを捌く武蔵。その瞳に愉悦はない。 #KZNPLN

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武蔵は呆然と眺めるエントリー者を認め、片割れを失ったエンゲージ・リングから中規模な光を放ち、炸裂させた。｢ＡＡＡＨＨＨＧ！！！｣飛龍の船体が、焼け落ちる木造建築めいて吹き飛んだ。その姿に、龍鳳がかつて見た力強さと美しさは、最早ない。 #KZNPLN

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武蔵は付近の大岩にどかりと腰を落とし、再び起き上がらんとする不屈の邪龍を鋭く睨んだ。同時に、視界の外にいる筈の龍鳳らをも。｢……龍田が死んだのは損失だ。おめェらも大概、失うモンは失ったろ｣武蔵は眼鏡を直す。｢興も冷めた。どうだ。ここいらで、手打ちにしねェか｣ #KZNPLN

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｢ウッ、アッ、アアアアアーッ！｣飛龍が存在せぬ月に向かい、拒否の咆哮をあげる！ ｢何を！何を言っている！お前を！お前を殺す！お前を！｣｢……『お前』ッてよ、誰だ｣ 武蔵の眼鏡が光る。｢……私はお前とカラテしてェんだよ。お前が私とカラテしねェってンなら、願い下げだ｣ #KZNPLN

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｢まだだ！まだ終わって……ウアアアア！｣｢……まだ終わってねェ、か。そうか。わかった｣破裂音が響いた。龍驤は心臓を氷で刺されたような感覚を覚えた。龍鳳が爆炎に包まれ、吹き飛んだ。｢アバーッ！？｣｢お嬢！お嬢ーッ！｣マキモノ甲板でトモナガが叫ぶ。 #KZNPLN

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｢――復讐で得る物がねェ、とはよく言うがよ。そうでもねェと私は思う。得る物のないイクサなんざ、何も得られん選択なんざ、ありゃしねえ。……何も失わんイクサが、選択がないのと同じだ｣武蔵は飛龍だけを見据えていた。｢龍よ。お前はここから更に、何を失い、何を得る気だ｣ #KZNPLN

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｢……ハアーッ！ハアーッ！ゲボッ……｣龍鳳は全身から煙を上げ、船体を無意識に修復する。もう体力も限界だ。｢……なあ、もう、やめたって……やめたって、くれや……頼むで……｣龍驤は玉砂利を握り締め、呟いた。飛龍は混乱していた。自分は、今、何をしている。 #KZNPLN