世界を喰う者 開幕

なんとなく思いついたんで即興で。 続くかどうかは知らん
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CF型マシニーカhir @hir_CF

題名どうしよ。核攻撃が通常攻撃かー。

2014-06-28 20:44:02
CF型マシニーカhir @hir_CF

ぬお、メロディーのところがなんかなってるー!?そうか、あの書き方だとああなるんか

2014-06-28 20:52:53
CF型マシニーカhir @hir_CF

─Ru,Ru,Ru,Ra,Ra── 虚空を渡るノイズ。それは、よく聞いてみれば何らかのメロディーのようだと感じ取れるかもしれない。意味はない。ただの鼻歌に過ぎない。その存在に鼻はないが。目も耳もない。何もないのっぺりした顔。 #世界を喰う者

2014-06-28 20:54:39
CF型マシニーカhir @hir_CF

それは蜘蛛に似ていた。人に似ていた。翼があった。腕があった。脚があった。縦糸と横糸を張った巣に住んでいた。 それは巨大だった。虚空に浮かぶビスよりも。太陽光を反射する人工衛星よりも。大地を周回する宇宙ステーションよりも。途方もなく巨大な白銀の甲冑だった。 #世界を喰う者

2014-06-28 20:56:16
CF型マシニーカhir @hir_CF

いきあたりばったりではじめてしまった主人公が核をいきなり撃つような話。我ながら大丈夫か(汗

2014-06-28 20:58:48
CF型マシニーカhir @hir_CF

その存在は上機嫌だった。外面からはそうとは判別がつかないが、とにかく良かった。 広大な生体ネットはアンテナとして、核融合燃料を集める網として、隕石やデブリを捕まえるトラップとして─まさに蜘蛛の巣─働く。 今日は何時もより面白い番組を拾い、多くの資源を捉えた #世界を喰う者

2014-06-28 21:06:55
CF型マシニーカhir @hir_CF

─ザザッ こちらは鼻歌ではない本物のノイズ。 その存在─彼女と仮に呼ぼう─は首を傾げる。 騒がしい。衛星軌道に無数の音源が出現したかのような電磁波の嵐。太陽風や磁気嵐とも違う。風情がない。作り物の波か。 #世界を喰う者

2014-06-28 21:20:40
CF型マシニーカhir @hir_CF

─動態反応。 気付くのが遅れた。失態だ。軌道上の人工衛星のうち、こちらとランデブー可能な物が加減速。一つではない。二つ三つたくさん。数え切れない。 人工衛星は遠心力と重力との釣り合いで軌道にいる。速度を上げれば高度が上がり、落とせば高度も下がる。 #世界を喰う者

2014-06-28 21:30:29
CF型マシニーカhir @hir_CF

爆発。爆発。爆発。爆発。 虚空に死の華が咲く。 真空中を飛翔する物体は空気で減速する事がない。ネジでも、秒速数十㌔で当たれば脅威だ。一つ一つが時速三百㌔の横綱をぶつけるようなエネルギー量だと言えば分かりやすいかもしれない。ただでさえ高速な衛星の破片が無数に散る。 #世界を喰う者

2014-06-28 21:39:15
CF型マシニーカhir @hir_CF

緊急な離脱が必要。判断を下すと蜘蛛の巣状のネットをパージ。スラスターをワンショット。体内を循環するDNAコンピューターが、能力の許す限りで最適な回避軌道を算出。 身を縮める。前方投影面積は最小に。再度スラスターを吹かすと、衛星の破片からなる雲の中へと飛び込む。 #世界を喰う者

2014-06-28 21:44:41
CF型マシニーカhir @hir_CF

世界と世界、宇宙と宇宙。その境界が撓む。彼女の意志と機能に従い無数の宇宙が彼女とまわりとの間に立ちふさがる。 展開された傾斜シールドは最大級の核爆発に耐えうる物だったが、彼女に叩きつけられたらデブリの嵐はそれを上回るものであった。 赤い光の壁を無数の金属片が貫く #世界を喰う者

2014-06-28 21:55:39
CF型マシニーカhir @hir_CF

体が削り取られていく。 一つなら問題ない。十でも耐えられる。だが百の破片ならかなり痛い。千なら?万は無理だろう。 結局のところこれは運任せの勝負だ。スペースデブリの雲を抜けるのが先か。彼女が死ぬのが先か。 面白くはない。だが勝たなければ死ぬ。彼女は初めて神に祈った #世界を喰う者

2014-06-28 22:00:18
CF型マシニーカhir @hir_CF

─その日、地上からは流れ落ちていく流星が見えたという。 #世界を喰う者

2014-06-28 22:02:24