森瀬繚さんによる「怪奇文学大山脈Ⅰ」の紹介

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森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

東京創元社さんとお付き合いするようになってもうすぐ10年ほどになりますが、いつの頃からか、様々な方面からちらほら耳に入ってくるひとつの噂がありました。かの荒俣宏氏の選定・解説による大冊の怪奇文学作品集の刊行準備が、同社内のどこかで粛々と進められているのだと--

2014-07-03 16:36:52
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--ついに、刊行の時がやってきました。ということで、今日もまた献本いただきました本のご紹介。『怪奇文学大山脈 I 【19世紀再興篇】』であります。 amazon.co.jp/dp/4488010202/ twitpic.com/e7fb49

2014-07-03 16:38:42
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全三巻から成るアンソロジーの一冊目、ということで、第一部から第三部、合計14の作品が収められております。流石に、いつものように「朝食を摂りながら一気に読みました」とはいかず、ようやく第一部の終わりまでたどりつきましたところですが-- amazon.co.jp/dp/4488010202/

2014-07-03 16:41:00
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「ドイツロマン派の大いなる影響」の副題が掲げられている第一部に並ぶのは『ほら男爵』翻案者として知られるビュルガー、大ゲーテ、ファンタジーの先駆者ティーク、キャサリン・クロウにクレメンス・ハウスマン(それと作者不詳が一作)と、「新メルジーネ」を除き初めて読む作品ばかりなのですが--

2014-07-03 16:44:45
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

--大衆文学とドイツ・メルヒェンの合間に在る、剥き出しの幻想味溢れる作品ながら、翻訳者の腕なのかも知れませんが現代の伝奇小説だと偽って読ませても通用するかも知れない(クレメンスの「人狼」が凄い!)ものもあり、古典と聞くと身構える方にも、値段のことを考えなければお勧めできますね。

2014-07-03 16:50:24
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巻頭の荒俣氏による前書きは、彼が師事した翻訳家・平井呈一氏の思い出話に始まり、日本に怪奇・幻想小説の雑誌(原書)が流入、その翻訳が様々な雑誌を介して紹介された経緯を手際よくまとめておられます。本邦の小説雑誌の歴史として読むことも可能。 amazon.co.jp/dp/4488010202/

2014-07-03 16:53:46
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そちら(雑誌史)に興味のある方は、今現在入手困難になってしまっておりますナダ出版センターの『日本におけるシャーロック・ホームズ』と併せ読むと面白いだろうと感じました。 amazon.co.jp/dp/4931522092/

2014-07-03 16:54:59
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ティークと言いますと、国書刊行会のドイツロマン派全集の第1巻が他ならぬこの方で、同書収録の「妖精」はAVON刊行のアンソロジー"The Fantastic Imagination"の一番手を切る作品でもあります。 kokusho.co.jp/np/isbn/978433…

2014-07-03 17:00:08
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ロバート・J・ボイヤーとケネス・J・ザホロスキの編纂になる"The Fantastic Imagination"は、ハイ・ファンタジー/ロー・ファンタジーという区分けを最初に提示した作品集でもありまして、ティークの「妖精」はそのハイ・ファンタジー編に入っています。

2014-07-03 17:01:54
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当時から現在に至るも、今ひとつ定義がふわふわと定まらないハイ・ファンタジー/ロウ・ファンタジーですが、ひとつ原点(であるところのこの作品集)に遡ってがっつり検証してやろうじゃないの--とか思い立ってから二年ほど経った気がしなくもない。宿題が多すぎる。(x,,,x )

2014-07-03 17:04:09
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そういえば、『映画秘宝』の『ホビット』特集号での荒俣氏の対談を読んだ読者さんの中に、荒俣さんのことをサブカル系ライターと捉えておられる方が散見されまして「コメンテーターとしてTVに出ている姿だけを見るとそうも見えるか……」と妙な感心といいますか、そんな感慨を抱いたことを思い出す。

2014-07-03 17:09:34
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(むしろその前に、「朦朧法は本当にあったのか?」をまとめねばなるまい)

2014-07-03 17:33:42