成島大輔が青木淳のエッセイを読んで書いたらしきメモ

建築家の成島大輔さんが、彼の師匠で建築家の青木淳さんが書かれたエッセイか何か(たぶん新建築に掲載された大宮前体育館の誌面掲載に寄せられた原稿のことじゃないかと)を読んで書かれたコメント群。途中で別の青木さん(建築家の青木弘司さん)との絡みが一瞬アリ。
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Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

新建築の青木さんの文章を読んだ。以下、自分用の整理。

2014-07-05 03:59:45
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

現実の多様性に対して開く為、全体性を完結させたくない。その時構成を捨てずに、構成は構成として持ちつつ、バラバラな部分をバラバラなまま配置する。バラバラな部分は構成を薄めつつ、ディテールや色や質感等、構成とは別の次元で全体性を獲得しようとする。こうして全体性の分解から免れる。

2014-07-05 04:00:15
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

竣工後にそこに追加されていくコトやモノは、全体性から疎外される事なく、全体性を更新していく。全体性が完結している場合、そこに追加されるコトやモノは、その全体性に従わない限り疎外される。疎外されたモノやコトで、全体性を更新する事はできない。

2014-07-05 04:00:33
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

私は、構成は人が定位をする為に必要なのもだと考えている。定位できない状態に長時間置かれる事は、苦痛を伴う場合がある。初めて行く街では、地図を見て行動する。地図は情報を整理し、ある程度の構成を浮かび上がらせる。絶えず自分のいる位置を地図と照らし合わせながら、俯瞰的に定位する。

2014-07-05 04:00:59
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

通いなれると、地図を参照する事は減っていき、部分の繋がりを辿っていくだけで行動できるようになる。その時、その場所特有の、ある全体性が立ち現われてくる。その場所にある共通項が少しずつ繋ぎ合わされ、その場所の印象が特徴づけられる。

2014-07-05 04:01:12
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

大宮前体育館では、そのような、全体性を獲得するための手掛かりとして、部分が配置されていく。

2014-07-05 04:01:27
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

あえて、自分のテーマに引き寄せてみると、「H3O」 narushima-daisuke.net/works/works_H3… というささやかなマンションのリノベーションがある。梁等の構造体は、マンション全体の構造システムという、一種の構成の一部であり、リノベーションでそれを消す事はできない

2014-07-05 04:02:53
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

そこに、内装的スケール・家具的スケール・家電的スケールの、大小さまざまな部分を、バラバラなまま配置する。これらのバラバラな部分によって、構造システムの構成としての見えを、ある程度分解したり、薄めたりするようにする。

2014-07-05 04:03:08
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

同時に、これらバラバラな部分の、トーンや質感や隣接の仕方を、全体のバランスを見ながら整えていく。このようにして、構成を消さないままに、そこに追加されるコトやモノやヒトが、その場から疎外されないようにしたいと考えた。

2014-07-05 04:03:21
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

ここで行われたお披露目としての展示「びーびっぐるーむ」 narushima-daisuke.net/works/works_be… は、そこで意図した事の実現の一つとして開催した。

2014-07-05 04:03:49
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

この物件では、それまで自分が考えて来た事を作りながら発展させ、結果として上記のような考えに至った。特筆すべき新奇性が感じられる物件ではないけれど、その後も全てのプロジェクトで、メインテーマというよりも、それぞれの個別の与件に対する解答とは別に、常に並行して考えている事である。

2014-07-05 04:04:13
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

今、大宮前体育館から500m位しか離れていない敷地で住宅の提案をしようとしているんですが、是非とも契約まで持って行きたいなあ。

2014-07-05 05:19:02
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

深夜に人知れずつぶやいた新建築の青木さんの文章の整理、青木弘司さんの「調布の家」の話とすごく被るんですよね

2014-07-05 15:32:23
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

トップライトからの光を下層まで導きつつ、垂直に貫く要素を挿入する、という大まかな構成はありつつ、バラバラな部分がバラバラなまま配置される。そしてfragmentationという手法で全体を繋ぎ留める。そうして、全体性を仮設程度のままに維持し、その後のコトやモノに開いていく。 

2014-07-05 15:32:33
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

それらの間に共通点を見出すというのは、結局僕が自分の関心に強引に引き寄せて解釈してしまっているからかもしれないんですけどね。

2014-07-05 15:33:19
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

このあたりの発言 twitter.com/n_r_s_m_d_s_k/… は、後で気付いて愕然としたんですが、修士制作でやってた事 narushima-daisuke.net/works/works_wa… そのまんまだった。ずっと一つのテーマを追求しているとも言えるし、10年以上進歩していないとも言える。

2014-07-05 15:33:35
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Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

幾つか青木さんの過去の文章を読み返したんですが、青森県美について書かれた「見えの、絶え間ない行き来」の冒頭にあるファンズワース邸の話がとても印象に残ってたんですね。静的で非常に整った建築が、距離や視点によって様々に状態を変化させる。忘れてたけど僕はこの話にすごく影響を受けてる。

2014-07-05 16:27:16
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

構成とバラバラな部分を重ね合わせて、そこに見えの行き来を生み出す手法と、同じ効果を非常にミニマルな状態に織り込む手法と、両方をうまく組み合わせようとしている。

2014-07-05 16:27:52
青木弘司 @koji_A0KI

@n_r_s_m_d_s_k 成島さん、こんにちは。一連のツイート、興味深く拝読しました。ところで、大宮前体育館から500m位しか離れていないとは、つまり、ひょっとすると僕の事務所からも近いということになりますw

2014-07-05 17:11:17
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

@koji_A0KI どうもどうも。ありがとうございます。敷地は体育館と西荻窪駅のちょうど中間くらいです。まだヒアリングしたばかりで、ボリュームの配置を検討してる程度の段階ですが。是非仕事にしたいけど、二人の青木さんに挟まれるとしたらすごいプレッシャーです!

2014-07-05 17:32:43
青木弘司 @koji_A0KI

@n_r_s_m_d_s_k 現場事務所として僕の事務所を使ってくださいw いやぁ、とても楽しみです!

2014-07-05 17:34:20
Narushima Daisuke @n_r_s_m_d_s_k

@koji_A0KI なんかすでに凄いプレッシャー、、、お手柔らかにお願いします!

2014-07-05 17:41:54
青木弘司 @koji_A0KI

@n_r_s_m_d_s_k 落ち着いたら西荻で呑みましょうよ、浅子さん @asaco4 も誘って。

2014-07-05 17:44:41