高尾ちゃん妄想まとめ

たらたら書いた高尾ちゃんまとめました。ゆるく死ネタなのでご注意。
0
ゆこ @yuko_ps

ただいま…。玄関でパンプスを脱ぎ、誰もいない部屋に向かって呟く。スーツのままソファに横たわれば、襲いくる眠気。お風呂は朝でいいや…。こんな時和成がいたら、怒るだろうな。『こーら!スーツ着たまんま寝たらしわになるだろー』…遠ざかる意識の中、聞こえるはずのない声が聞こえた気がした。

2014-07-03 22:51:36
ゆこ @yuko_ps

…?目が覚めると、私は真っ白な空間に一人いた。ふと自分を見つめると、いつものスーツ姿ではなく、高校の頃の制服を着ていて。どういうこと…?首を傾げたその時、ーー。私を呼ぶ声。あわてて振り向いた先にいたのは「よっ。…久しぶり」…かず、なり…?ーー五年前、事故で亡くなったはずの彼の姿。

2014-07-03 22:56:03
ゆこ @yuko_ps

なにこれ、夢?とうとう願望が夢にまで出てきたわけ?色んな考えがぐるぐる頭を巡る。すると、ぶはっ!と吹き出す声。すげー百面相…!って、あの頃と変わらないその笑顔に、なんでとかどうしてとか、そんな考えが全部吹き飛んで。「…あーもー泣くなよ」そんなこと言われたって、できるわけがない。

2014-07-03 23:41:02
ゆこ @yuko_ps

小さな子供みたいにひとしきり泣いたあと、ようやく落ち着いて。和成、名前を呼ぼうとしたら、先に口を開いたのは彼の方。「…ゆっくり話してーのは山々なんだけど、あんま時間なくてさ」…え?「お前にひとつだけ、言いたいことあって」口元はゆるく笑んでいても、その目はまっすぐに私に向けられて。

2014-07-04 00:13:12
ゆこ @yuko_ps

嫌な予感がした。聞きたくない、だけど、とてもそんな駄々をこねられる空気じゃない。「…お前、俺がいなくなってからずっと抜け殻みたいでさ」和成の手が伸びて、頬に触れる。だけど実際には、触れずにすっとすり抜けて。「もう心配で、なかなか成仏できねーの」冗談めかして、泣きそうな顔で笑って。

2014-07-04 23:22:54
ゆこ @yuko_ps

じょうぶつ、って…、ようやくまともに話した言葉は掠れていて、すぐに静寂に消える。よく見れば、目の前の彼の身体はうっすらと透けていて。「ぶっちゃけさ、…お前が他の男と幸せになるとこ見んのはまだ、つれーよ」だけど、言葉が区切られて私の目尻に伸びる指。いつの間にか、再びあふれていた涙。

2014-07-04 23:31:34
ゆこ @yuko_ps

だけど、伸ばされた指はやっぱり触れられないまますり抜けて。「…俺はもう、お前が泣いてても慰めてやれねーし」髪をなでる手のひらの感触もない。「一緒に笑うことも、幸せにしてやることも、できねーからさ」泣きたくないという思いに比例するようにあふれだす涙。ーーずっと、わかっていた。

2014-07-04 23:37:57
ゆこ @yuko_ps

五年。和成がいなくなって、もう、それだけの月日が経つのに、私はいつまでも彼を忘れられないままで。告白だって何度かされたけど、どうしても他の誰かと付き合う気になれずに断った。ただずっと、和成だけを思い続けていたかった。そうすれば何か報われるはずだと、どこかで信じていたのかもしれない

2014-07-04 23:44:20
ゆこ @yuko_ps

でもーーー、これは夢で、和成はもう、いない。あの頃は、…二度と戻ってこない。「…だからさ、お前は俺のこと早く忘れて、幸せになって」…だけど。涙を拭い、キッと和成を睨む。やだ!と言えば、彼は面食らったように目を丸くして。やだ、ってお前…、呆れたような和成の言葉を遮るように口を開く。

2014-07-04 23:55:35
ゆこ @yuko_ps

幸せにはなる!…でも、和成のこと忘れたりしない。だって私の初恋だもの、下手くそな笑顔でそう伝えれば、和成はぽかんとした後、ぶはっ!とその表情を崩して。「おっまえ…!最高…!」お腹を抱えて笑う姿はあの頃のまま。そんなに笑う?とむくれれば、自分の目尻の涙を拭って、わりーわりーなんて。

2014-07-05 00:07:22
ゆこ @yuko_ps

はぁ…と息をついて、…そうだよな、うん、と呟いたと思えば、和成の両手が私の頬に触れて。感触はないけど、少しだけぬくもりを感じる気がする。「…俺も、全然お前のこと忘れられそうにねーわ」うん。ゆっくりと顔が近づく。「…悪ィ、そろそろ、時間」…うん。目を閉じる。枯れたはずの涙が頬を伝う

2014-07-05 00:14:14
ゆこ @yuko_ps

「ーーー愛してる」ふわり、暖かい空気のようなものが唇に触れて。だけどすぐに離れていく。 もう一度目を開くと、そこにはもう和成の姿はなくて、見慣れた天井と照明。ゆっくりと身体を起こすと、そこは見知った自分の部屋だった。服装も、制服ではなくスーツ。ふいに、和成の声が脳にこだまして。

2014-07-05 00:19:14
ゆこ @yuko_ps

うん、小さく頷く。私も、あいしてる、そう言えば、どこからか『知ってる』と満足気に笑う君の声が、聞こえたような気がした。 長さ中途半端だけどおしまい!笑

2014-07-05 00:30:16