こちらカニバル鎮守府
- Dr_crowfake
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艦娘の肉は滋養強壮に効くので、偉い人がものすごく高い値段で勝ってくれたりするが、基本前線で闘う艦娘のための食材となっている。高速修復剤の中身は艦娘の肉エキス。
2014-07-08 21:33:05「ここ1週間子日しか食ってねえぞ」「1-1で子日が大量だったんです」「今日は何の日? 子日? って12日に1回だろうがよ。なんで毎日子日なんだよ」完璧なテーブルマナーとは対照的な乱暴な物いい。しかしそれが彼の本性だと秘書艦である赤城は気づいていた。とかまあそんな。鎮守府が。その。
2014-07-08 21:41:35「そういえば」提督がナプキンで口を拭って云う。「何代目か忘れたが、天龍が捌かれるときは少し笑えたな」「笑えましたか」「決め台詞を云った途端に食肉車両に詰め込まれて屠殺場行きだ」「必死で助命懇願してたのを俺は見てた。恥も外聞もなく、雌奴隷になるとまで言いやがった」「まあ」
2014-07-08 21:46:41「そんな天龍は俺の艦隊にいらんよ。といったら、心底絶望した顔をしてたっけか。まあその直後喉を掻っ切られて死んだがな。あとはご覧のとおりだ」「食料と高速修復剤になったんですね」「そう、今俺が食ってるステーキは天龍のもも肉。うまいぞ」「遠慮しておきます」
2014-07-08 21:48:48「まあ安心しろ。「オリジナル」の艦娘は俺は取って食いやしないよ。俺が食うのは「コピー」の艦娘だけだ。オリジナルの唯一絶対性を貶めるコピーがこの世界に存在することが、俺には許せんのだよ」「だからといって食べなくても」「俺はムカつく奴は食いたくなる性分なんだ」
2014-07-08 21:52:34「なぜ食人行為を?」「カウンセラーに相談したら、幼少期のトラウマだと云われた。だがな、そんなもんは所詮三百代言だ。カウンセラーがトラウマを取り除いてくれるのか? そんな訳ないだろう。だから俺は、カニバル提督になった。艦娘なら食っても問題ないしな!」「あると思います」「人倫上?」
2014-07-08 21:56:17「人倫が艦娘に適用されないのは貴様も知ってのとおりだろう。だが俺は「オリジナル」の艦娘には人間以上の待遇をもって接しているぞ。それにお前たちにとっても、コピーの存在は自身の存在の不完全な複製として忌むべきものだ。利害は一致してる」「……」
2014-07-08 21:59:37「まあ安心しろ。オリジナルの価値は俺は人間以上に高く見ている。その不完全なデュープが許せないだけだ。お前はオリジナルだ。気高く強い、海の女王だ。だからこそ、それを汚すデュープが許せない。食い殺したくなる……」「その趣味に私たちまでを付き合わせるんですか?」「効率がいいからな」
2014-07-08 22:03:57「実際この鎮守府の食料の大半や高速修復剤は出来損ないのデュープ共の再処理でできてる。このサイクルが破綻すれば、戦争継続は不可能だ」「つまりそれは」「ああ、カニバリズムを、お上含めて上層部認めてるってことだよ」「そんな……」「それより子日は飽きた。別の食材を探してくれ」「アッハイ」
2014-07-08 22:07:18カニバル鎮守府提督、深海棲艦の肉も食いたがっている なんかトラウマがあったらしい しかしトラウマ云々の話をされると毎回違う話をしてカウンセラーをけむにまく
2014-07-08 22:15:25「しかしきついなあ」「状況がですか」カニバル提督は子日の干し肉を噛みながら云う。「鼠輸送作戦で前線に出てみたらその前線に取り残されるなんてこと、そうそうないぞ」「申し訳ありません……」「しかし苦境を脱出せにゃならん。残存兵力は」「空母2、戦艦2、駆逐2です。ただ、いずれも中波」
2014-07-08 22:20:23「これで一体何隻目の電なのだ」「51隻目なのです!」「解体場に連れて行け。肉と骨は余さず食料と飼料に、髪の毛は繊維に使え。プロトコルA1-1だ」「わかりました」>カニバル鎮守府
2014-07-08 22:35:00「やむをえん」カニバル提督は決断的に告げた。「中破艦含め全艦隊で敵包囲陣を突破する。理論上中破ならば一撃で撃沈しない。敗北覚悟なら脱出は用意だろう。しかし、我々は敵に一矢報いねばならない」「どうやって?」「野戦に持ち込み、深海棲艦を倒し、その肉を食らう。そして新たな力を得るのだ」
2014-07-08 22:39:46深海棲艦の肉を食らうという発想に、艦娘たちはどんびきした。しかしカニバル提督は云う。「古来より、敵の肉を食べたものは敵の力を得るという。貴様ら艦娘にはたやすいことだろう」「呪術じゃないですか!」「この世界を明瞭な法則が支配していると? それこそ盲信だ。世界は、より残酷で滑稽だ」
2014-07-08 22:44:05「呪術は呪術だから理外の理をもたらすのだ。そして我々にはそれが求められている。行け! 奴らの喉笛を食いちぎり、血をすすり肉を飲み込め!」カニバル提督の命令により、艦隊は深海棲艦との決戦に向かった。
2014-07-08 22:45:29