因みに、私が人前でまともに現代音楽を演奏したのは、1989年ケージ京都賞受賞記念として、野村誠らと京大西部講堂でアメリカ実験音楽を3日間に亘り取り上げた「掲示鷭(けいじばん)」という催事。私はピアノでケージ等を弾いた他、チェロでフェルドマンの「プロジェクション第1番」なども演奏。
2010-11-15 02:55:47フルクサス・イヴェントは、塩見さんオーガナイズのものを、京都ドイツ文化センター1993年、神戸ジーベック・ホール1993年、水戸芸術館1994年などで参加。あとは福井川島企画FvsK東京けやきホール2001年のもの等。
2010-11-15 02:57:49やはり塩見さんに3回にわたりシゴかれたのは何らかの経験となっているようで、2001年のけやきホールでも昨晩の門天でも、共演者から「注文が細かい」とのコメントを頂戴した次第。
2010-11-15 02:59:01JSCMアカウントにて、11/13(土)塩見允枝子×伊左治直公演について、幾つかツイートしておこうと思います。御連絡頂いたのに、事後になりすいません >現音広報様
2010-11-15 09:42:50塩見允枝子さんがメンバーであった「フルクサス」について: http://bit.ly/d0o3SO フルクサス・イヴェント実例集(英語原文);http://bit.ly/96LxBy ビデオなど;http://bit.ly/cCvxSK
2010-11-15 09:48:14「Satoko Plays Japan 2000」でのプログラミングは、フラクタル・フリーク第1番~第3番、「午後に又は夢の構造」、ピアニストのための方向の音楽No.3、バッハ・パルティータ第4番に基づく「月食の夜の寓話 第一話」。
2010-11-15 09:55:42ピアノ奏法上の技術的な点をメインに。塩見《午後に又は夢の構造》で冒頭から全曲にわたって現れる、両手それぞれに指定された音群を交互に高速(一拍96で8音)交替させる、という楽句について。音群ならびに拍子が毎小節に変化するのは、見かけは単純だけれども、実際にやってみると非常に難しい。
2010-11-15 10:06:18(続き)音群の変化をフォローし変拍子を正確にカウントしつつ、出来るだけ音高は「ランダム」を目指しながら、高速交替連打のために肩甲骨のフレクシビリティを確保すること。作曲者によると、「限られた音の間をランダムに行き来する無限旋律、ないし、方向性のない漂うような分散和音」、との由。
2010-11-15 10:10:47(続き)「ランダム」であることのために、ああいう記譜以外は考えられないのは確かだけれど、人間の脳はそこまで縦割りに役割分担出来ないのが辛いところ。しかも、右手はモールス信号、左手は「ランダム連打」という、これまた譜面は単純だがエゲツない罠も第1ページにあしらわれている。
2010-11-15 10:15:07(続き)左右の高速交替は、後年の作《鏡の回廊》にも見られるが、ここでは全ての不規則性は確定的に記譜されている。弾き難いことに変わりは無いが、演奏中に脳味噌がパニックに陥ることは無い。モールス信号を打電するのは、慣れれば難しくは無かった。
2010-11-15 10:18:58(続き)曲の中盤、引っつかんだ朱フェルトのキーカバーで鍵盤全域をグリーサンドするくだりでは、朗読者が「released palindrome!」と叫んだ直後、ピアノは上下鏡像形の音高を用い、モールス信号で「r-e-l-e-a-s-e-d-p-a-l-i-n-d-r-o-m-e」
2010-11-15 10:21:50(続き)と打電していたんですけど、言われないと分からないかも。短い間をおいた長短のリズムの組み合わせが、いつしか全てモールス信号に聞こえて来る。受難曲に数千単位の数象徴を探しに行くくらいなら、メシアン作品の鳥の歌の中にモールス信号による隠れたメッセージを受信するのもアリ。
2010-11-15 10:26:59塩見《シャドウ・ピース》は、言葉だけで指示された作品です。以下、英語原文、日本語訳、それに今回作曲者から指示された2010年版翻案をご紹介します。
2010-11-15 10:46:43"Make Shadows - still or moving - of your body or something on the road, wall, floor or anything else. /Catch the shadows by some means."
2010-11-15 10:47:08「● 路上、壁、床その他任意の場所へ自分の体か他の何かの物体の影―それは静止していても動いていてもよいーを作ること。 ● 何かの方法でその影を捕まえること」 (1963年原文)→(2010年翻案)「ピアニストは大きなサイズの楽器か、任意の大型の物体を持ってピアノの側に位置する。
2010-11-15 10:49:07(続き)・・・その影が床やピアノの様々な部分にくっきりと投影されるような方向から強い照明を当てる。一人のパフォーマーが何種類かのバチを持って登場し、影の輪郭をバチでさまざまな音を出しながらなぞっていく」。 次は《バウンダリー・ミュージック》について。
2010-11-15 10:50:39Boundary Music "Make the faintest possible sound to a boundary condition whether the sound is given birth to as a sound or not. ...
2010-11-15 10:51:42(cont'd) At the performance, instruments, human bodies, electronic apparatus or anything else may be used." (Mieko SHIOMI, 1963)
2010-11-15 10:52:11「●自分が演奏する音を、それが音として生まれるか生まれないかの境界の状態にまで、できるだけ微かにすること。演奏に際しては、楽器、人体、電気的装置、その他何を用いてもよい」(1963年原文)→(2010年翻案)「ピアニストは任意の既成の楽曲を、それが音として生まれるか生まれないか
2010-11-15 10:53:15(続き)の境界の状態になるような音量で演奏する。もう一人のパフォーマーはピアノの弦の振動をさらに微弱にするために、柔らかい布、綿、布状スティロール、グローブ、その他の任意の物体を使って、ピアニストに協力する。」
2010-11-15 10:54:38バウンダリー・ミュージックについては、「音は多少出ても欠けても構わない。聴衆からは何の曲を弾いているのか、かろうじて聴き取れたり聴き取れなかったり、というような正にバウンダリーな状態が望ましい。パフォーマーも、固定的なプリペアド・ピアノを作るのではなく、可変的・偶発的に。」と。
2010-11-15 10:58:02伊左治直門下の川上統(おさむ)氏からお借りしたチェロは、指板が高過ぎハイポジションはキツいと聞いたので、当初のサンサーンス「白鳥」はやめ、オルガン付緩徐主題でも弾こうかと思って久々に譜面を見たら、余りの内容空疎ぶりに愕然とし、結局モーツァルト:クラリネット協奏曲をハーモニクスで。
2010-11-15 11:00:52チェロを弾くのは、オンディストなら当然のたしなみ! @ASADENnet RT>お疲れ様です!本日演奏きかせていただきました。さすがに大井さんがチェロを持ち出したときはビックらこきました。来月の真っ黒な譜面の演奏楽しみです!!
2010-11-15 14:22:00塩見《夢の構造》中間部では、改訂版では日本語歌詞でバから始まる語句「罵声」「場違い」「バロック」「場末」などを連呼する箇所において、音楽のエントロピーが増大するに従ってピアノパートの両手跳躍具合が「一線を越えた」レベルになり、これを指定テンポで弾くのは紛う事なく最難でした。
2010-11-15 11:30:48