提督と艦娘達のカーニバル

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「電、嫌味はよせ」 その棘のある言動に私は怒気を交えた言葉を出す、いくらなんでも失礼だ、彼は自衛として襲撃犯を射殺した。情報を追っかけていた提督には悪いが、仕方がない事だ。 「申し訳ありません、こうでも言えば彼の躰を味わえるかと」「えっ」 #提督と艦娘達のカーニバル

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「割と真面目な話、電は淫乱ですので、殿方揃いとなると色々滾るものがあるのですよ……構いませんよね？」 妖艶な笑みを電が浮かべ、周囲を見定めるような視線を浮かべる。 #提督と艦娘達のカーニバル

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壬生さんは顔を背け、富田さんは俯き視線を避ける、二人ともきちんとそういうのは真面目で、氷室さんはただただ、目を丸くしていた。「いやまぁ、うん、まぁ……」満更でもない表情を見せる氷室さん。 #提督と艦娘達のカーニバル

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流石に叢雲や陽炎や不知火が他の男に抱かれるのは嫌だが、電が他の男と抱いてても別に私は構わないと、その時は思っていた。電にとって私は上司であり、友人だ、愛情を求め合う距離でなく、信頼し合って互いに背中を預け合える関係だ。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「ともあれそれは後の話。今渡す資料はその死にぞこないから聞き出した情報、ただ、一つだけ忠告が」 「ああ」 #提督と艦娘達のカーニバル

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「これを開けたら貴方は彼岸の者になります、表で海軍を運営するだけじゃいけなくなります。私達と同じ、彼岸の亡霊に気づけばなり、暗闘ばかりになるのです。其のご覚悟がありますか？妻を、恋人を巻き込む覚悟はありますか？覚悟が出来れば、開くべきだと思います」 #提督と艦娘達のカーニバル

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妖しげな雰囲気を纏ながら、ねっとりとした空気をまとわせつつ、電は氷室さんに語る。演出なのだろうが、彼に対して挑発的になっているのに、少し胃を痛くする。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「まるでマトリックスって映画のようだ……赤いピルを飲んで真実を見るか、青いピルを飲んで、か……ありがとう、まだ開ける勇気は無いが、持っておくよ」「……ちょっと、変なサプライズだったかな」私は不安げに彼に問う。 #提督と艦娘達のカーニバル

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割と私の方でも調査をして見て出てきた資料で、彼の手元に置いておきたかったのだが……電は少し遊びすぎた、いや、待機させられてた鬱憤晴らしだったのかもしれないが。「いや、ありがとう。青のピルを選ぶときになればコイツは火にでもくべておくさ」 #提督と艦娘達のカーニバル

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「ああ、それがいい。割と良くある話さ、私の居る界隈ではね」氷室さんは笑顔を浮かべるが、申し訳なく感じる。そんな中、資料を渡し終えた電も椅子に座る。「……真面目な話はこれぐらいにして、飲み会継続しませんか？」 #提督と艦娘達のカーニバル

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きょとんと、どんよりと湿ったい雰囲気を作ってた電が一気にそれをぶち壊しにする発言を行っいつつ、私の皿から唐揚げを爪楊枝で一つ摘み、口の中に入れる。全員が彼女の作り出した空気に振り回される、という惨状であった。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「まぁ、飲むか」と、壬生さんがビールをグラスに注ぎ、一杯飲む。「ああ」富田さんも笑みを浮かべながら、日本酒を杯に注いだ。私もそれに習い、同じく日本酒を杯に注ぎ込む。 小さな杯に日本酒が入り、それを飲む。 #提督と艦娘達のカーニバル

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甘い米酒の味が舌を包み込み、飲み込み、唐揚げを食べ、その味を酒で流し中和する。「私にも一杯お願いします」と、電が杯を渡してきたので、杯に酒を入れて彼女に返す。 こうして、飲み会は再開されるのであった。 #提督と艦娘達のカーニバル

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　 ―つづく― #提督と艦娘達のカーニバル

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再開します。実況は #艦バニ実況 でお願いします。 #提督と艦娘達のカーニバル

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　 ＜提督と艦娘達のカーニバル＞ #提督と艦娘達のカーニバル

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一方そのころ、艦娘達は大部屋にいた。「ビス子さんは何を読んでるのかしら？」夕立が少女マンガを読んでいた氷室提督の戦艦である、ビスマルクに後ろから問いかける。「少女マンガ、というものを読んでたのよ」 #提督と艦娘達のカーニバル

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彼女は産まれたころから軍人一筋として過ごしていた、そのため日本のマンガ、という文化に触れたのは最近の事である。「少女マンガ？ビスマルクさんらしくないっぽいけど、どんなの？」夕張が首をかしげる。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「花より男子、という漫画よ。確かに、私らしくないかもしれないわね」ビスマルクが自慢げに語る、休日のブックオフで立ち読みしたところ、面白さにハマってしまい、つい勢いで全巻買いしたのだ。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「ふぅん、面白いっぽい？アタシはこういうのＪコミで無料で扱ってるのぐらいしか、あまり読まないけど」「ええ、面白いわよ？こういう漫画本はあまり読まないのだけれど」「ふむふむ、面白そうね、ちょっと横から見せて？」 #提督と艦娘達のカーニバル

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そう言って夕立はビスマルクの隣に座り、横からじーっと漫画を覗き込む。ビスマルクもその様子に特に不快感を抱かず、ページを読むペースを落としながら、一緒に読む形になる。「そういえば、九龍の叢雲とは友達だったわよね」 #提督と艦娘達のカーニバル

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ビスマルクの口が開く、彼女にとって、九龍の叢雲、と言うのは怪しい何かであった。 最初に呉市で会った時、彼女の主人である提督の隣に居た彼女は自分の鎮守府の叢雲と全く雰囲気が違った事に、引っかかり、というものを覚えている。 #提督と艦娘達のカーニバル

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提督によって艦娘の性格は異なる。是までもビスマルクは様々な同じ顔で別の性格の艦娘を見てきたが、九龍の叢雲は、どこか異質な、恐ろしげな雰囲気を纏っているように見えた。 #提督と艦娘達のカーニバル

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そんな彼女と夕立と不知火と曙は友達らしく、その話を不知火から聞いた時は、あの彼岸の住人も自分と同じ人間であったのだ、と少し安堵を覚えたのである。「うん」「あの人って、どんな人なのかしら？」 #提督と艦娘達のカーニバル

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「見かけよりは怖い人じゃないっぽいから、そーゆーのは叢雲さんと話した方が良いと思うかしら？変わってるけど、正義感の強いいい人っぽい？」夕立が少し、自信なさげに首を傾げる。 #提督と艦娘達のカーニバル