提督と艦娘達のカーニバル

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「電は何処ですか！？」だが、その問いに答えたのは不知火だった。どうにも不知火は、電を探しているらしい。自分の上司にして、同じ男を共有する姉貴分の叢雲や、その友達の夕立も同伴してる、と言う事は恐らく三人とも同じ目的なのだろう、と考えた。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「知らないわよ……ああもう、騒ぐのなら私は部屋に戻ってるわ」冗談じゃない、バカ騒ぎをして静かに行う彫刻の時間を邪魔されるのは最悪だと考えた陽炎がそう答えると、彼女は自分の私室のベランダに降りる。 #提督と艦娘達のカーニバル

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じゃあね、とも言わない陽炎の態度に、曙は少し、不安さを感じるのであった。「なんなのあの子？」曙が、叢雲に聞く。 「ああいう子なのよ、自分に興味のある話しかしない、興味の無い事は無関心、悪い子じゃないけど一種のダメ艦娘ね」 #提督と艦娘達のカーニバル

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そう、叢雲が返した瞬間であった。叢雲夕立不知火の三人は咄嗟に殺気を覚え、後ろに一歩飛んで引き、間髪入れずそれまで彼女らが立っていた所に、苦無が突き刺さる。「ちょっとやりすぎじゃない！？」叢雲はその苦無の威力に、怒声を浴びせる。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「大丈夫ですよ、プラスチック製の苦無ですから」屋根の天辺に、何かが着地し甘く、柔らかい声を叢雲に返す。 それは茶色い髪に、桃色の和服の艦娘、電であった。 #提督と艦娘達のカーニバル

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腕を組み、月を背後に三人を見据え、威圧感に満ちた雰囲気を演出する。実力的には三人の方が核上なのだが、彼女はこうして空気を支配し、優位に立とうとするのであった。 #提督と艦娘達のカーニバル

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叢雲が中段に木刀を構え、不知火が半身を取り、夕立が背を屈め、獣のように飛びかかる体制となり、睨み合いとなる。「何なのよ、一体……」その光景を見ながら、曙は亭主である壬生穣治の事を思い出しながら、ただただ困惑するのであった。 #提督と艦娘達のカーニバル

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再開します。 実況感想考察等は #艦バニ実況 でお願いします。 #提督と艦娘達のカーニバル

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　 ＜提督と艦娘達のカーニバル＞ #提督と艦娘達のカーニバル

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私はある程度まで酒を飲んだら、ジュースを飲むようにする。そうする事で酔いすぎないようになるのだ。翌日も彼らとは一旦別れ、観光を楽しむ予定である。だから飲みすぎてこの前のように、色々吐き出した上に二日酔いで寝込むことは避けようと動く。 #提督と艦娘達のカーニバル

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翌日も彼らとは一旦別れ、観光を楽しむ予定である。だから飲みすぎてこの前のように、色々吐き出した上に二日酔いで寝込むことは避けようと動く。 氷室さんは電に連れて行かれた、今頃電は彼と乱れた行為に及んでいるのだろうか。 #提督と艦娘達のカーニバル

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彼女と私は恋人ではないが、想像すると少し、やな気分になって後悔の念が浮かぶ。「……どうしたのなら？」 壬生さんが私の表情を読み取ったのが、私に問いかける。「いや、何でもないさ、ちょっと酔いで頭がくらっとするだけだよ」私は笑顔を造り、誤魔化す。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「まぁ、わりゃーが止めるならとっとと行ってくるのが得策じゃけんの」しかしそんな嘘も、彼の眼には見抜かれてるときた。酔い潰れるだけ飲んだ方がいいのかな、と私が思った時だった。 「はぁ……はぁ、提督、いるのね！？」 #提督と艦娘達のカーニバル

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青い和服の女性……富田さんの伊１９が、息を切らしながらこの酒場に入ってきたのだ。「ああ、どうした？」富田さんが、伊１９に問う。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「氷室さんの不知火と■■■さんの叢雲が電ちゃんを追っかけたのね、夕立も入ってもうドタバタしまくってるからどうしたものかと報告にしに来たの」 伊１９の言葉に、薄らとしてた酔いが覚める。電がトラブルの原因となって、旅館でドタバタ劇を始めたと言う話だ。 #提督と艦娘達のカーニバル

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私は嘘ではないかと、伊１９の顔を見る。だが、その顔は深刻そうな表情を浮かべており、はぁ、はぁと走って来たのか吐息を漏らしていることが伺えた。「……私の責任、か。電はどっちに行った？」 #提督と艦娘達のカーニバル

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私は自戒する、電が好き勝手した結果がこれだ、旅館の人のみならず、氷室さんまで迷惑をかけたのだ。「上の方から叫び声だのなんだのがするから、きっと上からなのね」その言葉を聞いて、私は席を立つ。こうなったら、私が止めるしかない。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「うむむ、わりゃーだけが背負っても問題ないと思うじゃけんの。こりゃもう、ワシら全員の問題じゃけん」 壬生さんが席を立つ。「そうだな……全員の監督責任だ、行くぞ」富田さんもその重い腰を上げる。 #提督と艦娘達のカーニバル

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二人に私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、この事態の収拾をつけるべく、上へあがる事となった。だが、そこで待ってたのはワイヤートラップの嵐だった。ワイヤーに仕掛けられた大量の非致性グレネード。電なりの、最後の一線を保った嫌がらせ。 #提督と艦娘達のカーニバル

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私は呟くと、富田さんが前に出る。「ここは俺に任せて欲しい、この手の工作と戦うのは慣れているからな？」 ここは俺に任せろ、漫画でよくある、敵の幹部と当たった仲間が言うような言葉を吐きながら、富田さんがトラップを撤去して行く。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「イクも手伝うのね！」伊１９もまた、一緒にトラップを解除しようと動く。「富田さんごめん、お礼は後でするよ」私はそう言って、トラップの嵐を壬生さんと一緒に慎重に抜けて行った。 #提督と艦娘達のカーニバル

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そうして何階か階段を上り、怒声が聞こえてくる、叢雲や、不知火の声だけど、何を言ってるかはよくわからなかった。「こりゃあ屋根の上でやり合ってる声じゃな。全く、たいがいにせにゃあならんのに、何をやっとるんじゃ」 #提督と艦娘達のカーニバル

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そんな呆れるような壬生さんの声を聞きながら、私は部屋のある一番上の階に到達する。すると壬生さんの部屋の前で、壬生さんの曙が体育座りしてるのが見て取れた。 #提督と艦娘達のカーニバル

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「あ……」 曙が、こちらに視線を向ける、すると暗く俯いた顔から、涙があふれた顔に代わり、こちらに駆けより曙は壬生さんに飛びついた。 「うわぁぁぁぁ！怖かったよ……うう……うわぁぁぁ！」 #提督と艦娘達のカーニバル

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泣き出す曙、本気で叢雲や不知火が電とやり合ったのなら、普通の、海で戦う艦娘からしたら異質で恐ろしい激闘となってるのは想像に難くない。「ああもう、わりゃーは泣くな泣くな、よしよし……■■■が見ちょるじゃけん……ああ、ちょっと先に行ってくれんかの？」 #提督と艦娘達のカーニバル