ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ:10100108 フェイト・オブ・ザ・ブラック・ロータス #5
ブラックロータスは腕を捻りカラテを注ぐ!「イヤーッ!」「グワーッ!」フジキドの視界が光に覆われ、全身を焼き焦がされるような激痛と、ニルヴァーナめいた浮遊感が同時発生!光の中に浮かぶ安らかな幻影は……フユコ……トチノキ……!アブナイ!少しでも気を抜けば、アノヨへ旅立ちそうだ! 21
2014-07-10 17:35:31「ジョウブツせよ!イヤーッ!」「グワーッ!」激痛!だが死神は歯を食いしばり、燃える憎悪の目で慈悲深き光を振り払う!(((私にはまだ仕事がある。また後で会おう。またすぐ後で…!)))そして居丈高に立つ僧正帽ニンジャを睨みながら、不屈のジャッキめいて膝を伸ばす!「ヌウウウーッ!」22
2014-07-10 17:44:56ブラックロータスは腕を捻りカラテを注ぐ!「イヤーッ!」「グワーッ!」フジキドの視界が光に覆われ、全身を焼き焦がされるような激痛と、ニルヴァーナめいた浮遊感が同時発生!光の中に浮かぶ安らかな幻影は……フユコ……トチノキ……!アブナイ!少しでも気を抜けば、アノヨへ旅立ちそうだ! 21
2014-07-11 22:05:32「ジョウブツせよ!イヤーッ!」「グワーッ!」激痛!だが死神は歯を食いしばり、燃える憎悪の目で慈悲深き光を振り払う!(((私にはまだ仕事がある。また後で会おう。またすぐ後で…!)))そして居丈高に立つ僧正帽ニンジャを睨みながら、不屈のジャッキめいて膝を伸ばす!「ヌウウウーッ!」22
2014-07-11 22:05:53「無駄な足掻きよ、ニンジャスレイヤー=サン!このアーチ級ソウルにどれ程のマネーを費やしたと思う!私は最上級のソウルを買ったのだ!イヤーッ!」タダオ大僧正は再び腕を捻り光を注ぐ!「グワーッ!」「無作為憑依を待つのみの無力な大衆とは違う!私は自らの力で、運命を選び取ったのだ!」 23
2014-07-11 22:11:53「グワーッ!」「哀れよの!何たる哀れ!苦しみから解放してくれる!」「グワーッ!」慈悲深きディバイン・カラテを注ぎ込まれ、苦悶の表情を浮かべるニンジャスレイヤー!だが屈さぬ!敵に掴まれた己の拳を固く握り込み、腕に、肩に、腰に、全身に筋力を漲らせる!抗う!「ヌウウウウウーッ!」 24
2014-07-11 22:16:41「ニンジャ……殺すべし……!」憎悪!ブラックロータスの神々しき光によって打ち消され、ブスブスと煙を上げていたはずのニンジャスレイヤーの右腕に……再び黒い炎が燃え上がる!「まだ苦しもうというのか!」タダオは敵の腕と目を交互に睨み、己の両腕に力を籠め、内なるカラテを振り絞った! 25
2014-07-11 22:28:36光球と炎が拮抗する!「「ヌウウウウウーッ!」」両者は膂力比べに!体勢は上から腕を捻り上げるブラックロータスが圧倒的有利!だがニンジャスレイヤーの腕は、復讐の機械めいた断固たる力で逆に捻られ……徐々に元の姿勢へと!両の瞳がセンコめいて輝き、死神がその身をもたげ……「イヤーッ!」26
2014-07-11 22:33:10「グワーッ!」痛烈!真正面へのケリ・キックが、ブラックロータスの腹部をとらえた!敵は蹌踉めいて後ずさり、ニンジャスレイヤーの拳を拘束していた両手を放す!続けざま、死神は黒い軌跡の右カラテストレート!「イヤーッ!」「グワーッ!」踏み込み左ストレート!「イヤーッ!」「グワーッ!」27
2014-07-11 22:38:09だが何たる耐久力!ブラックロータスは体勢を立て直しディバイン・カラテで右腕ブロック!「「イヤーッ!」」左腕ブロック!「「イヤーッ!」」両者のカラテが激突するたび、凄まじい光爆が発生する!揺らぐ防御!「イイイヤアアーッ!」「イヤーッ!」重い三発目はオーラ残像側転で紙一重回避! 28
2014-07-11 22:45:43「イヤーッ!」ブラックロータスは連続残像側転で距離を取り、軽傷を負った己の腕と顎に手をかざす。すると……ゴウランガ!神々しき光を纏う掌の下で、傷が塞がってゆく!「フォホホホ!」敵は持久戦の構えだ!時間が無い!死神は残像をカラテで切り裂きながら、獣じみた跳躍で飛び掛かった! 29
2014-07-11 22:53:43「ニンジャスレイヤー=サン、速く…!」凄まじいタイプ速度でコトダマ空間の無限地平を飛翔するナンシーは、水平方向にぶれていたふたつの空が、再びひとつに重なるような感覚を味わった。要塞の回線が復帰したのだ。「アマクダリが接続してくるわね」彼女は覚悟を決める。「アルゴスが……!」 30
2014-07-11 22:59:36今、要塞の制御システムはナンシーの支配下にある。だがそれは、一時的なネットワーク密室状態を生み出していたからに過ぎない。アマクダリの擁するハッカーニンジャ、アルゴスのタイプ速度は、彼女のそれを凌駕する。さらにアルゴスは、古の強大なTELNETプロトコルで接続してくるだろう。 31
2014-07-11 23:05:36ナンシーの論理肉体はサーバ境界を越え、山水画めいた曇天の山岳地帯を飛翔する。これは3D仮想現実ではない。ヤバイ級ハッカーだけが認識する、コトダマ・イメージだ。「……それじゃあ、どこまで騙し通せるか、やってみましょうかしら」彼方に一本の光柱が降り注ぐのを見た。ログイン前兆だ。 32
2014-07-11 23:10:32『**素早い茶色の狐が怠惰な犬を飛び越す**!』彼女はニューロンの速度でハッカー・チャントを唱え、亜光速飛翔した!遥か彼方の大テンプルへ!その境内に発生した光柱が消え、そこから光輝くニンジャが歩み出た時……ナンシーは既に、外からショウジ戸一枚隔てたタタミ部屋に正座していた。 33
2014-07-11 23:19:42荒涼たる曇天の下に立つ、荘厳なる大テンプル。白石の海と見事な松の木が立ち並ぶその白砂の中庭を、光輝くハッカーニンジャが歩む。アルゴスだ。「01110110111……」彼はナンシーですら知らぬ古のコマンドを駆使し、周囲をスキャン睥睨しながら、本堂に続く中央階段を上った。 34
2014-07-11 23:26:21ナンシー論理肉体は正座姿勢で目を閉じ、眉間に皺を寄せ精神統一を行った。アルゴスは未だこちらを認識してない。ショウジ戸1枚向こうにいる。階段を上って近づいてくる。(((相手は無防備。でもその分速い。ケタ違いに速い!)))奇襲攻撃か偽装か。一瞬の躊躇の後、ナンシーは偽装を選ぶ。 35
2014-07-11 23:50:09「「ドーモ、アルゴス=サン」」ショウジ戸の前にタダオとアコヤが出現し、階段を上り切ったアルゴスに対しOJIGIした。2体はナンシーの生み出した偽装多重IRCログイン、すなわち幻影である。「ドーモ」アルゴスは昆虫じみた無表情な空間観察を続けながら、OJIGIコマンドを返した。 36
2014-07-11 23:55:26「何故シェルター化?」アルゴスが問うた。その間にも彼は数々のデーモンを使役し、古のコマンドを放っているのだろう。ナンシーは偽装体に精神を集中した。「フォホホホホ……お恥ずかしい。ニンジャスレイヤー出現の報に、少々取り乱し、反射的にシェルター化を。ここは安全。無敵の要塞……」 37
2014-07-12 00:03:03「010111011…」アルゴスは曇天を仰いだ。短い沈黙の後、突然両手を偽装体にかざし01分解した。「「グワーッ!」」(((ハヤイ!)))ナンシーが偽装看破を知覚した時には既に、彼女の背後にアルゴスがいた。それは無慈悲なタイプ速度で、正座するナンシーの首にKICKを放った。 38
2014-07-12 00:12:151101101111……!ナンシーは首をKICKで狩られる直前、全身を一瞬だけ蛍光緑色の01と化し、天井を突き抜け飛翔逃亡した。敵は遠隔接続。直結接続の速度有利が辛うじて彼女を救ったのだ!「ハッカー侵入検知、YCNANと認識」アルゴスは即座にシステム制御権を奪いに掛かった。 39
2014-07-12 00:21:14